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ツキヨミのもう一つの物語。大切な人のもとへ会いにいく一曲「phatmans after school/さよならスペースシャトル」

札幌出身ロックバンドphatmans after schoolの代表曲に「ツキヨミ」という楽曲がある。叶わぬ恋を月と太陽に例えた、せつなくもキャッチーで前向きな一曲だ。太陽と月は重なることはないが、もう一度夢の中でもいいから会いたいと強く願う主人公が描かれている。ツキヨミの同時期に描かれたのが2014年12月に発売されたアルバム「セカイノコトハ」のリード曲「さよならスペースシャトル」である。ツキヨミの物語後半、旅立ってしまった大切な人の元へ会いにいこうとするシーンとして描かれた。ツキヨミのストーリーを別の視点から知ることができる楽曲だ。

phatmans after schoolのさよならスペースシャトル



「ガラクタ 廃材 集めた家中の工具も揃えて
目指すは自作スペースシャトル
きっと飛ぶだろう 君の星まで
足りない事が多すぎた
知らないコトも多すぎた
きっと一人はとても寂しいから
僕もいこう 君のいるセカイ」


phatmans after schoolさよならスペースシャトル。広大な宇宙を感じさせるようなギターのサウンドではじまる。どれほど遠くにいても会いに行きたいという強い思いが現れた歌い出しだ。

自作スペースシャトルというファンタジー性のある言葉が温かい気持ちにさせる。「ガラクタ 廃材」という不必要なものから作りだされるスペースシャトル。

まだまだ足りないことや、知らないこともたくさんある。しかし“君”が一人で寂しくしていると思い、旅立つことにした。

ツキヨミとリンクする歌詞

「さよなら 地球号 君の世界へ
僕の希望をとばしたよ
ただ落ちていって 行き場のない
有限回路の上で惑う 独りだけの星の中を」


しかし会うことはできず、たった1人でスペースシャトルと共に行き場をなくしてしまった。

“太陽と月”というモチーフからは無限の宇宙をイメージするが、「有限回路の上」という表現から主人公の必死さや苦しみが感じられる。

また「独りだけの星の中を」という歌詞がツキヨミの二番の「一人でいたいが独りはきらい」とリンクする。

宇宙の広さに含まれた恐怖感や不安が孤独を感じさせているのだろうか。しかし挫けることなく賢明な主人公の姿のような前向きなメロディーがリスナーをひきつける。

歌詞の世界観をより強く伝えるロマンティックな表現

「はじめから僕らは別々の命だ
失うものなどひとつもないだろ
ソレナノニボクハ
この世の終わりもどうでもいいほど
君をさがしている」


もともと別々の命であり、会えないからといって失うものはないはずだ。それなのに必死で探してしまう。

“この世の終わりもどうでもいいほど”というのもphatmans after schoolらしいロマンティックな表現である。

「がらくた 廃材 集めて 
消えようとしたのは 僕自身
見えない光をさがしていたんだ
いつかの記憶に触れてきえた」


大切な人のことだけを考えていたら、いつのまにか辛くなり自分が消えようとしていたのだ。

そんななか探していた「見えない光」とは“太陽の光”のことだろうか。全ての苦しみから解放されたようなフレーズだ。

スペースシャトルとさよならしても消えない希望

「さよなら地球号 君の世界へ
僕の希望を飛ばしたよ
また巡り合って 終わりのない
無限回廊の果てに眠る 二人だけの星のなかを」


実はこの曲はTwitterでお題を募集した際に「スペースシャトルの打ち上げが最後になることに関連した曲」ということで書き始めた曲でもあるのだ。

それから数年ストックしていたが、この曲を掘り返してアレンジをしようということでこのカタチになった。

もともと有人で月の探査をすすめていたスペースシャトル。打ち切られた理由は経済的な理由なこともあり、世間的には“しかたがない”とされていた。

しかし月にいけなくなっても宇宙開発は今でも続いていて、人々に希望を与え続けている。

「さよならスペースシャトル」スペースシャトルと”さよなら”してしまっても希望はまだ飛ばすことができるという前向きな意味に捉えることができる。

ツキヨミで「それでも生きる」と歌っていたように。

2010年結成、札幌出身の3人組バンド。 作詞作曲を行うヨシダタクミが作り出す卓越したメロディーやグルーヴ、若者が抱える葛藤や大人への憂いを表明した歌詞は、新世代の世界観を代弁している。ギターロックをベースに、自由なバンドサウンドで全国の会場を沸かしている。2016年のワンマンツアー···

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