back number「風の強い日」
2010年に発売のアルバム「あとのまつり」に収録されています。
「公園の角の桜の木が綺麗だねってあなたに言いたくなる ああそうか もう会えないんだった」。
会えなくなってから気づくのは、綺麗なものと嬉しい事を分け合えていた喜びと、それを分け合えなくなった辛さ。
”相手をまだ想う気持ち”と”もう会えない現実”の隙間で吹き出す想いを、ぽつりぽつりと独り言の様に絞り出している、切なさ溢れる1曲です。
back number「君がドアを閉めた後」
2014年に発売のアルバム「ラブストーリー」に収録されています。
「君がいればなあって思うんだよ 服を選ぶ時玄関のドアを開けた時 新しい歌ができた時 君ならなんて言うかな 君がいればなあって思うんだよ」
どこかへ出かけた時に、これを食べたら、これを見たら、もし一緒にいたら「君ならなんて言うかな」なんてつい思ってしまう事はありませんか?
特別な瞬間ではなく、普段の何気ない景色にこそ、”君”が居て欲しいものですよね。
寂しさ、戸惑い、躊躇、思い出のすべてが重なり、「君がいればなあ」と言う言葉の意味が増していく様に、胸が締め付けられます。
back number「fish」
2014年に発売のアルバム「ラブストーリー」に収録されています。
「あの子みたいに笑えれば あの子みたいに泣けたなら 甘え上手になれてたら 今もそばにいられたの?」。
思っていても言えない「たられば」、どうしようもない怒り、そして虚しさが主人公の女性の心で渦巻いています。
彼を問い詰めたいわけでも、誰かと自分を比べたいわけでもなく、本当はただ彼の傍に居たい。それが届かない願いだと分かっていても、諦めきれずにゆらゆらと漂っています。
10年前から温めていた楽曲という点や、PVに珍しく彼ら以外の男性が登場している点を見ると、彼らにとっても特別な1曲だということが感じられます。
back number「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」
2015年に発売のアルバム「シャンデリア」に収録されています。
「本当に僕が欲しかったものは ちゃんと言えたんだって記憶でも 明日の強い自分でもなくて 君なんだ 君が欲しかったんだ」。
サビの冒頭が、そのままタイトルになっているこの楽曲。フラれてから欲しいものは、この恋を乗り越えられる自分だったりしますが、よく考えて思い出せば、やっぱり欲しかったものは君で、今欲しいものも本当は君…なのです。
軽やかなメロディーラインに乗せて、”思う気持ちの大きさに応じて、好きになってもらえるわけでは無い”と不貞腐れながらも”君が好きなんだ”という思いは真っ直ぐに伝えている、絶妙なバランスの1曲です。
恋の傷口を癒すback numberの名曲
この他にも、彼らの楽曲には恋愛に関するたくさんの想いが散りばめられています。幸せな想いや、楽しい記憶だけではなく、後悔や言い訳、愚痴や未練など、隠してしまいたくなる情けない感情を歌にして、拾い上げてくれるのがback numberの魅力の1つであり、特徴だと思います。
彼らの楽曲の力を借りて、たまには思いっきり泣いて、自分の傷口を知ることは次の一歩に繋がるかも知れません。恋の傷口にback number、是非一度お試しください。
TEXT:柚香
Vocal & Guitar : 清水依与吏(シミズイヨリ) Bass : 小島和也(コジマカズヤ) Drums : 栗原寿(クリハラヒサシ) 2004年、群馬にて清水依与吏を中心に結成。 幾度かのメンバーチェンジを経て、2007年現在のメンバーとなる。 デビュー直前にiTunesが選ぶ2011年最もブレイクが期待でき···