清竜人と言えば「痛いよ」を歌っていたシンガーソングライター。そんな「痛いよ」を歌っていた人とは思えないほど、「痛いよ」で済まされないほどのツッコミどころをもつグループが清竜人25。センターの清竜人の周囲で6人の「夫人」が踊るスタイル。これがアイドルとして成立するのかというと、しっかり成立しているのです。清竜人と6人の夫人の歌割りが絶妙なバランス。夫人は単なるバックコーラスではなく、歌割りがあります。
楽曲が優れているので、知らない人も思わず世界観に引き込まれるはず。
「Yo Yo スケベ スケベ」「電光石火の スケベ スケベ」「空前絶後の スケベ スケベ」で始まる「Mr. PLAYBOY…」。清竜人はスケベな自分を隠そうともしません。その潔さがカッコよさ。
Aメロで清竜人が歌ってからBメロで夫人達との掛け合いが始まるのが見どころです。
「ちょっと待って」と男が呼び止めれば「強引な人ね…」と女が返す。「今日はFriday」と男が誘いをかけ「だとしたら？」と女が牽制する。
こういうやりとりが続いてサビに入っていきます。
「今夜は寝かさない 明日も帰さない スケジュールはキャンセルしとけよ」
この歌詞がアイドルフェスで流れて普通に盛り上がるというすごさ。タイトルどおりのプレイボーイになりたい男の気持ちが込められている歌詞。
「男たるもの 甲斐性がなきゃほら じゃじゃ馬は待ってくれないぜ」「女たるもの 愛嬌がなきゃほら 野良犬も抱いてくれないぜ」この歌詞通り甲斐性と愛嬌を合わせ持つ不思議なグループになっているのが清竜人25です。
作詞作曲して歌い踊り、夫人の見せ場も考える清竜人の甲斐性。まったくMCをしない清竜人の代わりに曲の合間に一生懸命話す夫人の愛嬌。この絶妙なバランスはなかなか狙って作れるものではありません。
MVは清竜人が次々と女の子に声をかけビップルームに連れていくストーリーとなっています。6人の夫人達との出会いを描いたという展開。夫人は全員竜人君に夢中な演出。
現代のアイドルフォーマットだからこそ出来た演出だとも言えます。いかにもプレイボーイ風な男がプレイボーイな日常を歌っているだけでは面白くならない。
ミュージカルのような演出で、ある種のファンタジーにしているので劇を観ているような感覚で楽しめるのです。
一夫多妻制というのがそもそも現代日本ではファンタジー。
清竜人25はそんなある種のファンタジーを演出するグループなのです。
TEXT:改訂木魚（じゃぶけん東京本部）
