定番ラブソング『とにかく君が好き』
--なるほど。で、『とにかく君が好き』は個人的に、最初聴いた時びっくりしました!佐藤:え?マジですか!なんてこと言うんですか(笑)!
--(笑)。ものすごく歌詞が王道だなと思って..。
佐藤:ああ!そう!めちゃめちゃ王道です。今までこういう曲をやってなかったんですよ、僕。
--確かにそうですね。
佐藤:そうですね。この曲を作った時は、みんなでスタジオでセッションしてて、コード進行を決めて適当にかき鳴らしてる時にメロディがパッと出てきて。そのメロディに合わせて適当に歌ったのが『とにかく君が好き』っていう言葉だったんですよね。だからそれをきっかけに、じゃあこれを王道ラブソングに構築していこうっていうことで。
実はコード進行的には夏っぽいんですよね。最初はちょっとレゲエっぽくアレンジしたりもして。でも音色を変えるだけで冬っぽくっていうか、きらびやかになったので。
--夏っぽさがあったりしたんですね。
佐藤:たぶん音色だけですぐ夏っぽくなるコード進行ですね。
--へえ、面白い!
佐藤:でもやっぱりこういう王道の曲はずっとやりたかったですし、高校生向けのラジオ番組もやらせてもらっているので、若年層というか、高校生くらいの世代にもわかりやすいような曲も歌いたくて。
宏実ちゃんと二人で高校時代の恋愛話をしながら、一緒に作詞しました。
--そうですよね。この感覚ってよく思い出せたなって思いました。
佐藤:もう遠いですか(笑)?でもこういう時ありましたよね。
--ありましたよね。
佐藤:そう。で、ミュージックビデオに出てくれたのがAbemaTVの人気恋愛番組で、本当にカップルになった「高橋龍之介」くんと「前田まはる」ちゃんなんですけど、彼らのおかげでよりこの世界観が統一されたんですよね。
--あれ、MV観ててちょっと恥ずかしくなっちゃいました(笑)。
佐藤:いや〜、それがいいんですよ!僕なんか出なくていいです。(笑)
--あれ、影で映ってるのが佐藤さんですよね?
佐藤:僕です、はい。それもあってか、ミックスチャンネルとかSNSでこの曲を使って動画の展開をしてくれたりしている高校生も増えてきてるんで、よかったなと思ってます。
--佐藤さんご自身、ミクスチャ観たりもするんですね。
佐藤:タグ付けしてくれたりとか、Twitterで拝見させていただいたので、リツーイトしときました。
--おおー!それ嬉しいですね。この曲、Aメロではかなり言葉を詰めていて、サビとのギャップを感じるメロディーですよね。
佐藤:元々は、ちょっとラップっぽいこともしたかったんですけど、この曲バースっていうかAメロがこれでも短いんですよ。もっと伝えたいことはたくさんあったんですけど、それをこの尺の中でまとめるのがめちゃめちゃ難しかったですね。日常会話とか日常の風景を短い文章で表現するのってやっぱり難しくて。ほんとにこの曲の歌詞は苦戦しましたね。
--宏実さんとはどんな感じで制作をすすめられたんですか?
佐藤:基本Skypeでセッションして、お互いで世界観を話し合いながら、思い出話をして。そこから言葉を拾っていくっていう感じを、この曲に限らず、いつも宏実ちゃんとはやってますね。ほんとにSkypeで話し合いながら書いていきます。
--タイトルに関してはいかがでしょう?
佐藤:最初、サビの歌詞は「とにかく君が好き、とにかく君が好き」と繰り返す「とにかく君が好き」推しだったんですよ。結果、サビ頭が「やっぱり君が好き」になって、「やっぱり」と「とにかく」でタイトルもすごく迷ったんですけど、フックになるのは「とにかく」かなと思って。なのでタイトルもそのまま『とにかく君が好き』っていう。
--この歌詞を書く時に思い出した高校生の時の恋愛について教えてください(笑)。
佐藤:もちろん!高校生の時に2、3年付き合ってた彼女が、2番の歌詞にすごくハマっていますね。隣にいて当然で、だけどそんな中支えてくれたりとか。例えば家帰って一人になった時にやっぱり好きだなーって思ったり。喧嘩して家で一人になった時に、“いや、ごめん”って素直になってた自分がいたな…とか、そういったことを思い出してましたね。…高校生の時は僕真面目でしたね!
--(笑)。
佐藤:真面目に、超真面目に恋愛してたと思う。一番真面目だったと思うなー。
--懐かしいですね。
佐藤:うん。ほんと真面目に恋してましたね。
--この歌に描かれている女性はちょっと大人びていますよね。
佐藤:そうですね。でも当時は照れくさくて、「ありがとう」とはなかなか言えなかったですね。あんまり素直じゃなかったんで。大人になるにつれて感情表現ができるようになったんですけど、当時の自分は、あんまり言葉にして伝えられてなかったかなっていう印象が残ってます。照れがありましたからね。
--いいですね。高校生に限らず、大人が昔を思い出すのにも。
佐藤:この曲聴いて昔の恋愛を思い出してもらいたいなっていう思いも込めてはいます。
--この曲聴いていろいろ思い出していると、大人になったなぁと思いますね…(笑)。
佐藤:僕はこの時の彼女と、大人になっても一生続いてると思ってましたからね。
--ああー!恥ずかしい(笑)!そういうことありましたね。
佐藤:ありました。ずっと一緒にいるもんだと思ってたんで。だからそういった熱い気持ちはこのブリッジの部分、「星が見えなかった夜でも」みたいなところに凝縮されてて。結果、別れてしまったけどそこの気持ちってすごく大事だったんで。
--歌う時はどんなお気持ちで歌われるんですか。
佐藤:実はまだあまりライブで歌ってなくて。これから歌ってく予定なんですけど、なるべく自分の世界に入り過ぎず、見渡して歌えるようにはしたいなと思っています。でも当時の恋愛は思い出したいですね。
--かなり王道にストレートにきて、“らしさ”ってこういうものを出すの難しかったと思ったんですけど、個人的には最後にフェイクの歌唱力でたたみ掛けてくるところに佐藤さんらしさを感じました。
佐藤:ありがとうございます。