KEYTALKメンバー
▼八木優樹▼寺中友将
▼首藤義勝
▼小野武正
それぞれの個性から成るKEYTALKのよう
──5枚目のアルバムとなる『Rainbow』のリリースとなりましたが、4枚目のアルバムではオリコン最高2位という事で、もう目指すところは1位しかないですね!八木:クゥ〜ン
──(笑)!『Rainbow』というタイトルに込められた想いですとか、意味について聞かせてください。
首藤:アルバム出来上がって曲順とか聞いていまして、『Rainbow road』という曲が中に入っているんですけど、その曲の最後、巨匠(寺中)のギター1本で終わって締まる部分があって、そこがすごく心に残ったんですよね。そこがこのアルバムのターニングポイントになるような一節だなって感じたので、アルバムのタイトルは最後までなかなか決まらなかったんですけどいくつか候補があった中で『Rainbow』でいきたいなと決めさせてもらいました。
──今回『Rainbow road』がリード曲の立ち位置を担っているわけですね。
首藤:いろんな曲聴いていても“虹"っていうワードを連想させるような瞬間がある曲があったり、いろんな色の要素が合わさって虹ができるっていうところが、それぞれ個性を発揮してKEYTALKが出来上がっているっていう僕らのやっていることと通じることがあるなと思って。
──今回季節感というところでは意識したことがあるんですか?
八木:毎回夏曲を入れてきたんですけど、そこまで季節感を感じるものは今回ないかもしれないですね。
寺中:『旅立ちのメロディ』がもしかしたら春を感じる曲になっているのかもしれないですけど、この曲も季節感というよりは“新しいことに向かう"ということを意識しました。
最高のギタープレイ
──新曲の歌詞についても色々聞かせてください。まずアルバムのはじめ『ワルシャワの夜に』ですけど、男同士の友情というか絆が描かれている内容で、タイトルはどうしてこのように?首藤:そうですね、舞台設定を第二次世界大戦中にしようっていうことを考えて書いていたんですけど、曲名だけ最後まで決まらなくて。
その時期にたまたまニュースで、戦争で離れ離れになった兄弟が何十年ぶりにポーランドのワルシャワにあるショパン空港で、再会したっていうグッとくるニュースを目にしたんです。それでこの曲のテーマにも似ていたから、ワルシャワを使おうっていう経緯でした。
──テーマは決まっていらっしゃったんですもんね.。
首藤:そうですね、そこは偶然の産物でした。
──音は男臭い感じで仕上がっていますね。
首藤:はい、決め付けているわけではないですけど、男と男の友情とか兄弟を主人公にしたような、ラブソングとは違った心のつながりをテーマに作りました。
──サビの「夢ってなんだっけ」ってフレーズのメロディーがグッとつかまれる感じがしますよね。
首藤:(笑)
小野:ちょっと心配なんですよね…カラオケで僕歌えるか。懸念点はそこだけです。『下北の夜に』のイメージで歌います。
──「あの放物線を」と、虹を連想させるワードが入ってきたりもしますね。
首藤:これ実は『Rainbow road』に出てきた「放物線」に引っ張られて、俺も「放物線」って使いたい!と思って書いたとこです。悪く言えばパクリ、よく言えばオマージュ。
寺中:オマージュ(笑)?
八木:インスパイアだ。
首藤:インスパイアです!
──この曲をギターの観点で語るとすると…
小野:ギターからの観点で言うと、最高のプレイができましたね!
八木:めちゃめちゃカメラ目線(笑)。
小野:リスナーのみんなに訴えかける感じで(笑)!
全員:(笑)
小野:そうですね、本当にロックに振り切ったギターアレンジでアツいプレイができました!今(首藤の)話聞いていて思ったんですけど、男二人の友情っていうテーマが僕のギタープレイにも通づるところがありまして、Aメロは低音と高音を行ったり来たりするので生き別れた2人っていうのを音で表せているんじゃないかなと思いました!
──やっぱりそうするとこの曲のギターは難しいんでしょうか?
小野:そんなに難しくないですよ!初心者の人の練習曲になるくらい基礎的なフレーズが盛り込まれていると思うので、ギターキッズにもオススメしたいですね!
八木:まじですか!
小野:あ、ギターキッズの方ですか!
八木:はい!自分ギターキッズやっていまして!コピーしたいと思います!
首藤:カメラ目線(笑)!
義勝ワールド全開の新境地
──続いて『暁のザナドゥ』に関してですが、なかなか珍しい雰囲気の曲になりましたよね。曲を作り始めたきっかけというのは?首藤:なんとなくこういう曲作りたい、っていうのがざっくりあったんですよね。アルバムの曲出しの時に、いろんなタイプの曲を作っている中で生まれた1曲です。
モード的には暗くて速くてカッコイイ曲っていう感じですよね。
──ジャズ的なアプローチを取り入れられていたり。
首藤:そうですね、ジャズはあまり詳しくないんですけど、リズム的にはそんな感じです。
──珍しい雰囲気の曲になったのではないかなと思いますが、皆さんの最初曲が来た時の印象はいかがでしたか?
八木:義勝にこういう一面もあるのかって思いましたね、でも、義勝が作った曲だなっていう感じもあって。本当に新しい武器になっていくんだろうなっていうのはデモの段階から感じました。小野さんは?
小野:僕は、ライブが見えました。いろんな踊れる曲があるけど、これは新たな切り口の躍らせ方というか、ノリが生まれると思いますね。速いけどダンサブルでアガる感じですよね。頭振ってもいいんですけど、腰を振りつつ、シャバダバできればいいんじゃなかいなっていうことをデモの段階で思っていたら、入ってましたね!(ドヤ)。
八木:スゲェな(笑)。
小野:サビの音がすごい高かったんで、ここは裏声なんだろうなって思っていたら、それも想定通りでした。(笑)
八木:そんでデモの段階からカラオケで歌えるかの心配してたんでしょ?
小野:そっ!でもこれはイケるなと思って原付走りながら大声で歌ってました。
全員:(笑)
──(笑)。歌詞にある「揺るがないマキャベリー」の意味が分からなくて調べました(笑)。マキャベリーとは非人道的でも手段を選ばないといった意味だと思うのですが、こういう難しい言葉って首藤さんはもともと知っていて歌詞に入れこまれるんですか?
首藤:いや、知らなかったですね!色々本とか、作品にヒントをもらった歌詞が今回のアルバムでは多かったですね。単純に物量が多かったのもありますし。
イマジネーションだけでは追いつかなかったりしたので、パッと聴いてカッコイイフレーズは使いたいなと思ってこの曲は特に、そういう単語を入れましたね。
──この曲で言う“暁"って、首藤さんはどんなイメージで書かれていますか?
首藤:この曲では、夜明けが来るっていうイメージではなくて、ちょっと不気味な時間帯っていう感覚で使いたかった言葉かもしれないです。
nayutaの裏タイトルはコアラ!?
──『nayuta』の意味もわからず調べたのですが、これはとてつもなく大きい数字の単位ということで。
首藤:そうですね、千・万・億・兆のずっと先です。
──小野さんの作曲ですが、曲が先にできていたんですか?
小野:そうですね、曲が先で義勝大先生に作詞をお願いしました!
──なるほど、この曲を受けてこう言ったテーマになった経緯といいますか、曲自体にどんな印象を受けられましたか?
首藤:なんとなくなんですけど、そのときちょうど読んでいた『スピリットサークル』っていう漫画を武正が持ってきたデモを聴きながら読んでいたら世界観が合うなぁって思って、漫画から世界観のヒントをもらって書きました。
歌詞にもストーリーはあるんですけど、どっちかというと言葉の持っているリズム感みたいなものを重視しましたね。
──小野さんは曲を作り始める時何かご自身の中でイメージはあったんでしょうか?
小野:特にイメージはなかったんですよね。音的な良さしか考えていなくて、仮タイトルは『コアラ』でした。何でコアラだったのかわからないですけど(笑)。