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MONKEY MAJIKが捉えた、眠らない光の森、東京。そして、日本とは…。【インタビュー】 (2/2)




MONKEY MAJIKはバランスを持てないバンド

──アルバム『enigma』には、愛おしい想いを届けた歌もあれば、辛辣なメッセージを抱いた楽曲、心の内に抱えた想いを伝える歌など、いろんな表現をしています。そこは、曲調も含め、いろんなトータルバランスも考慮してだったのでしょうか?

Maynard:以前はね、バランスを考えたりすることもあったけど。最近は、そこの考え方が変わってきた。全曲スローソングのアルバムだとバランス的にどうなのかと思いファストソングも入れるのが以前の考え方だったとするなら、世の中にはスローソングしか歌わないアーティストもいれば、ファストソングしか演奏しないバンドだっている。何故なら、みんな「そのスタイルが好きだからこそやっている」こと。なのに、無理に「バランスを考えて」となってしまうこと自体がナンセンス。そんなことより、そのときの自分らが表現したいと思った音楽を素直にやれば良いこと。

Blaise:僕たちは、インディーズの頃から一つのジャンルやスタイルへとらわれることなく、いつもオムニバス盤のようなアルバムを作り続けてきた。収録した一つ一つの曲の色が違うんだけど。でも、そういう曲たちを集めたアルバムが好きだったからこそ、僕らは、そういう作品を作り続けてきた。今回の『enigma』だって曲調はバラバラのように、MONKEY MAJIKはそのバランスを持てないバンド。だからこそ面白いんですよ。

──中には、『のぞみ』のような奥深いメッセージを。それこそ、3.11にも繋がる深い想いを込めた楽曲も収録しています。



Blaise:この曲は、湊かなえさん原作の「望郷」という本のドラマ版「夢の国-望郷-」の主題歌を作って欲しいという依頼があって作った楽曲。この曲のテーマが「心にある場所が、その人にとっての家になる」ということ。そのテーマを描くため、歌詞の創作にはTAXも加え、ドラマに寄り添う形であり、自分たちが感じていた心のホームということを題材に、『のぞみ』を書き上げました。

TAX:Blaiseも語ったように『のぞみ』は、「望郷」の世界観へ寄り添いながら。だけど、自分たちの日常にも照らし合わせ、僕らが住んでいる場所や、そこで感じる想いや景色などを重ね合わせ、そのうえで巧く歌詞を落とし込めたらなぁと作った楽曲なんです。言われたようなことも、僕ら自身強く抱いている想いのように、そう感じてもらえたのなら、それは光栄なことだと思います。



──タイアップ作品の場合、どれだけ作品の世界観と自分たちの想いを重ね合わせるかが大事になっていくわけですもんね。

TAX:むしろタイアップというのは、僕らの世界観をさらに押し広げてくれるもの。いろんな作品とコラボレートすることで、それまでの僕らが知らなかったMONKEY MAJIKが生まれてゆくきっかけにもなる。だからこそ、新しいチャレンジは絶えずしておきたいなと考えています。


たっぷりサイズだから、行楽用のお弁当箱としても使えるように

──「新しいチャレンジは絶えずしておきたい」という発言がありましたが、「mu-mo Shop限定盤」には「オリジナルお弁当箱3点セット」がついてきます。これも「新しいチャレンジ」だったのでしょうか??

TAX:あははははっ。まさに、その通りです(笑)。今回も「CD+DVD」「CD+Blu-ray」盤を作っているように、この組み合わせならみんなも納得な形じゃないですか。そこへお弁当箱も組み合わせる。たぶん、これって世界初の試みじゃないかと思うんですよね。これから季節的にもあったかくなるように、公演のベンチなどで『enigma』を聞きながらお弁当を食べてもらえたら素敵じゃないですか。

──でも、なぜ弁当箱だったのでしょうか??

TAX:確かに、首を傾げますよね。でも、日本的な要素という面での相性としては良いんじゃないでしょうか。

──良いなと思います。みなさんも、お弁当箱は使ってます??

Blaise:僕は、この間使った。この箱の中に入れると、料理が全部美味しく見えるよね。DICKは毎日お弁当を作っているようだけど。


DICK:さすがに毎日は作ってないよ(笑)。ただ、MONKEY MAJIKのキャラ弁を作ってSNS上にアップはしました。そもそも、料理を作るのが好きなんですよ。このお弁当箱、とても使い勝手が良いんです。しかもたっぷりサイズだから、行楽用のお弁当箱としても使えるように、花見やパーティでも重宝するんじゃないかな。

Maynard:ちょうど、これから桜シーズンだからね。

──ぜひ持っていきたい気持ちになりました(笑)。ここらでぜひ、「『enigma』は自分にとってどんな作品になったのか」を聞かせてください。

Maynard:『enigma』は、これまでの作品の中でも一番パーソナルなアルバム。今のMONKEY MAJIKが感じていることがここにはすべて詰め込まれているように、ぜひ聞いて欲しいなと思います。

Blaise:『enigma』というアルバムは、本当にエモーショナルで、とてもスピリチュアルで、いろんなメッセージを詰め込んだ作品。これを聴いたら、絶対に何かが心にひっかかるように、とても不思議な感覚を覚えるアルバムです。しかもこの作品は、今の僕たちの新しい…リニューアルしたMONKEY MAJIKの始まりのようなアルバムにもなりました。
今回は、細かい楽器の面にも注目して欲しいけど、歌声でもけっこう遊んでいます。いろんな機材を駆使して歌声の加工をしていて、たとえば『Tokyo lights』の頭の部分も、じつは全部自分の歌声をモーフィングしたもの。『Venom』の中で聞こえる尺八の音色も、じつは声をいろいろ加工し、尺八っぽくしていった結果、本当に尺八のように聞こえる歌声になった。そういう遊び心を随所に入れ込んだので、そういうところもチェックしてもらえたら面白いかなと思う。

TAX:歌詞を総じて見た場合、見えない存在に対して祈りを捧げるというか、「生まれ変わりたい」という願望を書いていたなぁという印象も感じたこと。同時に、「破壊と想像の繰り返し」を自分たちは無意識の中で繰り返しながら、このアルバムを作り上げたのかなという意識でもいます。
DICK: とても心地好い流れを持った作品のように、最後まで一気に聞きたいアルバムになりました。ぜひ、みなさんも楽しんで聞いてください。


各地にラーメンが待っているから、ぜんぜん大丈夫(笑)

──この記事を目にする頃にはファンクラブツアーの真っ最中。今年も長いツアーをやる予定はないのでしょうか?

Maynard:夏にはいろんなフェスに出たいし、今年の秋にまた長いツアーをやりたいなと思っているように、今、そこのプランを組み立てているところです。

──昨年は47都道府県ワンマンツアーを行いました。けっこうハードじゃないですか??

Blaise:ツアーは楽しいよ。各地にラーメンが待っているから、ぜんぜん大丈夫(笑)。そういう楽しみのあったほうがツアーを楽しめるからね(笑)。



TEXT:長澤智典
PHOTO:片山拓


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「MONKEY MAJIK」は、カナダ人兄弟Maynard -メイナード- (Vo&G)、Blaise -ブレイズ- (Vo&Gt) のフロントマンと日本人のリズム隊TAX -タックス- (Dr)、DICK -ディック- (Ba) からなる仙台在住の4ピースハイブリッドロック・バンド。 2006 年1月binyl recordsより1st シングル『fly』 をリリース···

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