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【インタビュー】この男の子はダメな奴?愛おしい?コレサワ新作『君とぬいぐるみ』と『友達だからかな』を紐解く。 (2/2)



みんながどう思ったのかの感想も聞いてみたいんです

──『君とぬいぐるみ』に記したような、相手のために一生懸命になるあまり、散財だとわかっていながらもぬいぐるみをゲットするまでクレーンゲームを続けたり、普通に買ったほうが安いとわかりながらも、自分ための一生懸命な姿を見て、応援してあげたくなる。そういう経験をしたことのある人って、とても多いと思います。だからこそ、『君とぬいぐるみ』の歌にも嬉しい身近さやリアリティを覚えるんでしょうからね。

コレサワ:ゲーム機の中にあるぬいぐるみをカップルや友達どうしで取ろうとしたことある人って、たくさんいると思います。しかも、片方が熱中しすぎて、両替を頼まれたりも(笑)。わたしも、「両替してきて」と言われたことも、あえて自分から両替をして準備していたこともあります。

もちろん、普通にぬいぐるみを買ったほうが安いのもわかっていながら、ああいうときって、どうしても取ってあげたくなるし、その気持ちもわかるんですよね。そうやって熱中していることが楽しかったりもしますし。わたしも、友達とストレス発散の女子会をしたあとに、ゲーセンへ行ってクレーンゲームをやった経験は何度もありますから。


──コレサワさんは、クレーンゲーム自体得意な方??

コレサワ:ちっちゃい商品を狙うのは得意なんですけど、おっきいものを狙うときは、正直難しいし、苦戦はするほうです。


──『君とぬいぐるみ』に登場する、互いに相手のことを思ってゲームへ熱中してゆくカップル。その姿がとても微笑ましくて好きなんです。


コレサワ:この二人の関係性って、聴いた人がどんな恋愛をしてきたかや、今、どんな恋愛をしているかによって、歌詞に出てくる男の子の捉え方も違って見えるみたいです。実際にYouTube上へアップした映像に対しての感想を読んでても、この男の子を「すごく駄目な奴」と捉える人もいれば、「愛おしい人」と捉える方もいます。だからわたし、みんながどう思ったのかの感想も聞いてみたいんです。


──自分には、この男性がとても愛おしく見えてきましたけどね。

コレサワ:この歌詞に登場するカップルの姿にほっこりした人は、たぶん、恋愛経験が豊富なんだと思います。好きな人のために一生懸命頑張ったり、頑張ってくれる姿を見たりという経験のある人なら、『君とぬいぐるみ』があったかい話に聞こえてるんだと、いろんな感想を読みながらわたしは想像していました。

「大人だってたいした生き物じゃないんだよ」ということを教えてあげたい

──5月2日には、長編アニメ「ゴーちゃん。~モコと氷の上の約束~」のエンディングテーマ曲『友達だからかな』も配信リリースになります。この作品の中、コレサワさんは声優にも挑戦したそうですね。

コレサワ:そうなんですよぉ。初めて声優をやらせていただいたんですけど、激ムズでした。レコーディングってわたしのリズムで出来ますけど、アフレコってキャラクターに合わせてセリフを言うのはもちろん、監督さんのペースや指示によっての録音じゃないですか。わたしに関しては、セリフ数が少なかったことから別録りしていただいたんですけど。それでも、監督さんのペースでスパスパと収録が進んでいったから、あっという間、怒濤の収録でした(笑)。


──『友達だからかな』の歌詞も、アニメの世界観とリンクしているんですよね。制作側からのオーダーもいろいろあったのでしょうか??

コレサワ:「ゴーちゃん。~モコと氷の上の約束~」のテーマが「友情と絆」だったから、「それをテーマにしたうえで、あとはコレサワさんらしく」というお話をいただきました。
そこは自由に表現出来たんですけど。「コレサワらしく」と言われても、自分の場合「何がコレサワらしいんだろ」と逆に悩んじゃうんですよ。


──一般的に有名な『たばこ』がコレサワらしさかと言えば、違いますからね。

コレサワ:そうなんです。歌詞についても、このアニメを観るのはお子さんや、その子供と一緒に観に来たお父さんやお母さんらが中心のように、いつも通りの感覚で書いていったら、ちょっと毒がきつくなってしまうなと思ったんですね。だから「どういう歌詞なら、家族で聞いてあったかくなれるかなぁ」と考えれば、同時に、コレサワファンが聞いても「あっ、いつものコレサワだ」と思ってもらえるかなというところへの落しどころを考えながら、『友達だからかな』を作り初めました。

アニメの主人公のゴーちゃんは、ハートプラズマを仲間たちと一緒に探していくんですね。そこから、「友達をテーマに歌おう」となり、『友達だからかな』が生まれました。楽曲面でも、冒頭からピューッと明るい音で始まるように、小っちゃい子が聞いても「可愛い」と思ってもらえるような音を入れながら楽曲も作っています。


──歌詞に出てくる「大人もたいした生き物じゃないんだね」のひと言には、コレサワさんらしいチクッとした風刺が効いてていいなぁと思いました。

コレサワ:その歌詞、わたしもすごくお気に入りなんです。わたし、この歌を通して「大人だってたいした生き物じゃないんだよ」ということを子供たちに教えてあげたかったんです。わたしも昔は、「二十歳を過ぎたら大人になる」と思ってたけど、実際に二十歳を過ぎても大人になるどころか、ぜんぜん子供のままの気分だったし、もうすぐ20代半ばなりますけど、いまだに大人になれてる感覚がないんですよね。だからこそ、「大人だってたいしたことないんだよ」と言いたかったんだと思います。




──そういう風刺って、大人になったときに改めて気づくかも知れませんからね。

コレサワ:そうなんです。わたしも、大人になってから改めて「アンパンマン」や「セーラームーン」の歌って、あんなにも良い歌だったんだということに気付けました。
他にも、「一等賞でもビリでもかまいません 悔しい気持ちもちゃんと教えてください」と歌詞へ記したところもお気に入りなんです。今って、幼稚園や小学校の運動会など、競争するものに対して順位をつけない風習が生まれてるって聞くんですね。理由は、1位や2位と順位を決めるとビリの子が可哀相になるから。みんながハッピーな気持ちになるために順位をつけないと言うんですけど、わたしはそれって嫌だなと思ったんです。


──その気持ち、わかります。

コレサワ:わたしもそうだったけど、一等賞とかビリという順位をつけることで、自信はもちろんだけど、負けた悔しさから奮起することだって実際にあるように、悔しい気持ちだってちゃんと教えてあげたほうが良いなと思っています。それに、社会に出たら嫌でももまれるんだから、そういう経験はちっちゃいときからしといたほうがいいと思うんですよね。そういう想いも含め、『友達だからかな』という歌を書きました。



1曲ごとに映画を観るような感覚で、重ねあわせ楽しんで欲しい

──5月には、大阪と東京を舞台にコレサワ ワンマンショー「コレシアター04」が行われます。これは、どういった内容なのでしょうか??

コレサワ:これは、ウチボリシンペがわたしの歌う楽曲のイメージに合わせて作りあげた映像を流して行うライブ。1曲ごとに映画を観るような感覚で、わたしのライブと映像を重ねあわせ楽しんで欲しいなと思い「コレシアター」と名付けています。とくにわたしの歌ってストーリー性のある内容が多いから、映像を通しても内容に補足や広がりを持たせられたらなという想いも、そこにはあります。

他にも、4月や5月にはフェス系やイベントにもいくつか出演させていただきます。ロックフェス自体は出場するのが初めてだから緊張もしますけど、楽しませていただきます。そこには、普段はコレサワの音楽とか聞いてない人たちもいっぱいいるだろうから、しっかりインパクトを残し残したいです。



Text:長澤智典
Photo:愛香


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大阪府摂津市出身のシンガーソングライター。 中毒性のある声、POPなメロディー、日常の風景を独自の視点で切り取った歌詞が話題に。 メディアには顔だしはせず、素顔が見れるのはLIVEのみで、「れ子ちゃん」と言われるクマのキャラクターがビジュアルを担当する。 2017年8月9日に1stアルバム「···

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