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密かに歌手デビューしてた沢尻エリカ

長い雨が続くと恋しくなるのが太陽。 そろそろ、熱い日差しを浴びたいものだ。 実は、音楽業界にも太陽と同じくらい貴重なアーティストがいる。
長い雨が続くと恋しくなるのが太陽。
そろそろ、熱い日差しを浴びたいものだ。
実は、音楽業界にも太陽と同じくらい貴重なアーティストがいる。
そのアーティストの名前は「Kaoru Amane」
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現在、彼女の歌声は2006年8月30日にリリースしたシングル『タイヨウのうた』でしか聴くことはできない。

「Kaoru Amane」こと雨音薫は、大ヒット映画「タイヨウのうた」と同名でドラマ化された際の、ヒロインの名前である。
映画版ではブレイク前だったアーティスト、YUIが同じ役名で出演し話題にもなった。
この雨音薫をドラマで演じたのが、沢尻エリカ。
彼女こそ、作品の中でしか存在しないはずのKaoru Amane名義でリリースした本人である。

このドラマで、太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)を患う少女を演じている沢尻エリカ。
今でこそ、エリカ様と高貴なイメージが強い彼女だが、今作ではそんな印象を微塵も感じさせない。
PVでも雨音薫として歌う彼女が登場するが、そこにいるのは「今を精一杯生きる音楽が大好きな少女」だ。
『タイヨウのうた』の歌詞は、そんな彼女の心情をなぞるような内容となっている。

Kaoru Amane「タイヨウのうた」
――――

ふるえている私の手にはじめて君が触れて
優しい気持ちあたたかさにやっと気づいたんだ
閉ざした窓開ければ
新しい風が吹いた
笑って泣いて君と出会えて
見える世界は輝きだした
ひまわり揺れるタイヨウの下で
感じていた風を君を

――――

雨音薫がギターを始めたきっかけは、後に交流を深めていく青年、藤代考治が捨てたギターを拾ったことからだった。
ストリートライブまでするようになった彼女は、その最中に彼と出会うが冷たくあしらわれてしまう。


“モノクロの毎日が 色づいてゆくように”


見る世界が鮮やかになっていくこと、その人と一緒にいるだけで世界が輝いて見える。
これはもう、恋した人は誰でもかかる初期症状である。
家にいることが多い彼女にとっては、初恋であったのかもしれない。
芸術家や、音楽家ともなると言葉で上手く表せない代わりに、作品に気持ちがはっきり出る。
雨音薫も初めて経験した、たくさんの感情をこの楽曲に込めたのだ。
想いが通じたのか、晴れて彼と再会し2人は付き合うようになるのだが……。

『タイヨウのうた』は、CD発売前から着うたが50万ダウンロードを突破。
オリコン週間シングルチャート初登場は2位ながら、次の週にはランクアップし1位を獲得している。
「女優ソロアーティスト」の歌手デビュー作として歴代初動売上記録を塗り替えてしまう大ヒットを記録したわけだが、ドラマ自体はそこまで盛り上がることはなかった。
つまり、楽曲だけが独り歩きをしてヒットした珍しいパターンである。
それは女優、沢尻エリカのネームバリューもあったかもしれないが、それだけではないと私は言いたい。

雨音薫は本当なら実在しない人物である。
作品が存在しなければ生まれていないわけだし沢尻エリカが演じていなければ、知っている人も少なかっただろう。
しかし視聴率の結果から見て、誰もがドラマを見ていたとは限らない。


“笑って泣いて君と出会えて 続く未来は輝いていた”


特別な人の前では笑ったり、泣いたり、普通の女の子でいられること。
当たり前のことだけど、それだけで輝いていると言える未来。
そんな雨音薫の真っ直ぐな気持ちに誰もが共感できたからこそ、この楽曲はヒットを飛ばすことができたのだ。

密かに歌手デビューしていた沢尻エリカ。
全く違う名前でリリースしたのは、女優とアーティストを明確に区別したいという本人の希望もあったからだそうだ。
Kaoru Amaneの公式プロフィールに“沢尻エリカ”という文字が全く出てこないのは、その為である。

『タイヨウのうた』以降、雨音薫が歌う姿を見る事はなくなってしまった。
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しかし、沢尻エリカとは別の存在として生きているというのも事実。

ずっと降り続ける雨がないように、太陽の下で彼女にまた会える日が来ることを願う。

TEXT:空屋まひろ

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