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【インタビュー】cinema staff×アルカラ「挑戦となったEP」”そび釣り”の思い出を最大限に (2/3)


台湾でそび釣りをした思い出を歌詞に

――6月13日にリリースされる『undivided E.P.』には、両バンドの共作『A.S.O.B.i』が収録されていますが、同曲はどういった世界観をテーマに制作に挑まれたのですか?



稲村太佑:これは2014年に、cinema staffと沖縄と台湾に行ったときの思い出を歌っていて。楽しすぎたんですよ。台湾ではえび釣りっていうのが流行っていたんですけど、それは水槽に泳いでいるえびを釣るっていうもので。ちなみにえびの餌は小えびでした。

全員:(笑)


――そのえびは食べれるんですか?

稲村太佑:焼いて食べれるんですよ。焼き場があるんですけど、まだえびは生きている状態で…。それでえびを焼くってなったときに、店の人がえびに串をぐさって刺したんです。
それをcinema staffのベースの三島が耐えられなくなって「あかん、生き物から食べ物に変わる瞬間なんて見られへん」って言って去っていったりとか。(笑)

全員:(笑)


稲村太佑:そのエビ釣りのときにね、壁に肝心なえび料理が間違えて‟そび料理”って書いていて。そび釣りめっちゃおもろいやんってなって。旅スイッチが入っていたので、そび釣り楽しい~とかってなってて、そのそび釣りの事が頭に残ってたんですよ。

それと台湾を出たときに夜な夜な遊びまくっていたので、台湾のものを何も買ってないことに気づいたんです。それで空港で手にとったものが、ボタン押したらサックスを吹いてくれるおもちゃで(笑)そのおもちゃを飛行機に乗っても常に押して遊んでいて。

飯田瑞規:思っている以上に、鳴らしてましたよ。みんなの頭に刷り込まれているくらい。

稲村太佑:何年か後にツアーで一緒になったときも、鳴らして入った事があるもんな。で、そのメロディーをなんとか組み込むことは出来ないかなって思って、せっかくコラボするならアクセル踏んだ曲じゃないのをやろうって考えたんです。おもちゃの音もサックスが効いているんですけど、その音ってジャズのコード進行しか合わなくて。それで行き着いたらこんな壮大な曲になりました。

‟「西南西」から東へ北へと”って歌ってくれたんですけど、それが凄くふざけているなって思ったのと、この真面目なcinema staffの飯田瑞規が、そび釣りって歌ったらこんな面白い事ないなって考えてからこうなっていきましたね。


――‟常夏の俺たちはそび釣りをしていた”っていう箇所がありますが、ここはそれの事を歌っていたのですね。

稲村太佑:そうです。

飯田瑞規:この歌自体が全部そうなんですよね。僕たち「常夏」っていう歌詞歌ったことないですもん。

全員:(笑)

稲村太佑:俺もないよ。常夏ってなんやねん!って感じだわ。(笑)

飯田瑞規:夏は書きますけど、常をまず消しますよね。(笑)


『A.S.O.B.i』の歌詞には互いの曲名も盛り込んで

――『A.S.O.B.i』の歌詞には、cinema staffさんの楽曲『西南西の虹』からとった「西南西」や、『pulse』、『ドラマ』アルカラさんの『アブノーマルが足りない』、『KAGEKI』、『さすらい』が反映されており、遊び心が盛りだくさんですね。


稲村太佑:コラボしている中で、キーワードって何かな?って思ったら如何に、真面目に歌っている彼らの楽曲を面白く歌わせる事だと思って。でもただふざけてたって、それに芸術はないと思うので、遊びをするにしても、裏をちゃんとつける。楽曲にしても、ジャジーなコードに仕上げたら普段やらない演奏だから、大変だったりもしたし。

cinema staffのベースの三島に関しては、ベースやのにギターを弾いたりとか、キーボードを弾いていたりとか。そういう普段cinema staffがやらない事をやれたらいいなっていうのが、演奏にしても歌詞にしても出ているんだと思います。
シネマの言葉だったり、アルカラの言葉を使う事によって、何か意味というか芸術ポイントが上がるというか。


飯田瑞規:『西南西の虹』っていう曲は、普段ライブでもやっている曲で。cinema staffのお客さんだったら絶対知っているはず。僕、岐阜から上京して東京に住んでいるんですけど、東京から西南西の方角が地元だから、地元に向けて歌っている曲でもあって。

「西南西」から東へ北へとってどこやねん!っていう感じもありますけど、いろいろな所に行っている面白さとかが入っていて、誰でも聴いたらクスってなるポイントが沢山あると思います。それを単純に笑わせようとしている辻の所もあるし。こういう曲を歌ったことがなかったので、そういう部分を引き出してくれたのは、太佑さんのおかげですね。



――辻さんの部分は思わずクスってなりますが、なぜ‟アブノーマルが足りない”って言っているんですか?

飯田瑞規:(笑)

稲村太佑:なんでやろうな…。なんかこの『アブノーマルが足りない』っていうタイトル自体が、斜向かいな感じがするじゃないですか?こんなん喋り言葉やん!って思うようなのを僕、タイトルにする事が多いんですよ。それを辻に言わせたら逆になるなって思ったんですよ。逆にこれを飯くん(飯田瑞規)が言ったらカッコよくなるなって思って。



――ああ、確かにそうなりそうですね(笑)

稲村太佑:わかってくれます?僕はカッコよくしたくなかったんですよ。馬鹿っぽくしたかったし。4月1日のエイプリルフールのときに、辻はボーカルっていう立ち位置だったから、「なんか歌わせなあかんな」って思って。

飯田瑞規:実際この‟アブノーマルが足りない”っていう部分は一番録りなおした感ありますよね?

稲村太佑:一番テイク録ったな(笑)

飯田瑞規:あそこふざけてますけど、めちゃめちゃ録りなおしているんですよ。でも何回聴いても笑えるのはあのテイクでしたね。

稲村太佑:この曲は飯田瑞規のボーカルの隠れた良さの側面が広がるだろうなって思う所が出せたんじゃないかな?って。詞自体が言いたい事は、沖縄行って台湾行って楽しかったなっていう、終わりたくねーな俺たちの夏って歌っていますけど、夏に行った訳ではないしなっていう。

全員:(笑)

稲村太佑:歌自体はなんてことのない事を、面白く歌ったりが歌詞の魅力かなって思うんで、これは僕等じゃないと歌えないし。あのメロディーに違う歌詞が載ったとしても、もちろん良いって言われる事があるかもしれないけど、色んな垣根を越えてきたこの2バンドのスプリットだからこそ、この歌を聴くとグッとなるかなって。


――「西南西」というフレーズが沢山出てきますが、最後には‟常夏のメロディー「虹」となり”と書かれているので、「西南西の虹」を上手い事使い分けていますね。

稲村太佑:ここは「西南西の虹」なのに虹どこいった?ってずっと思ってたんですよ。

飯田瑞規:僕気付いてなかった…

全員:(笑)


稲村太佑:こんだけ「西南西」って言っているのに、どこいったのかなーってなったときに、最後に虹が出てきた!みたいな事にしたかったんです。これなんかね、沖縄の最後の日に、飛行機に乗らなあかんかったんですけど、僕帰りたくなくて。飛行場まで行ったんですけど、飛行場の地べたで寝たんです。

それで、10時集合なのに、起きたのが9時で。酔っ払っていたからあんまり覚えていないんですけど、空を見たら朝焼けの月が見えたんですよ。その月ってなんていうんだろう?って思ったら、残んの月っていうらしくて。それがかっこええなって思ったんです。これが出ているっていう事は、もう帰らなあかんのか、すげー思い出になったな、虹になったなって感じて。


――そんなに深いテーマがあったんですね。

稲村太佑:深いですよ(笑)

飯田瑞規:今創作している可能性もありますけどね(笑)

全員:(笑)

稲村太佑:一文字一文字見ると人の体験や想いがあるんやなって思うはず。シネマと一緒に歌っていても、「それはそういう意味だったんだ!」ってわかる発見もあるし、それが詞の魅力かなって思うし。全く別の方向で感じても良いとは思う。
これが5年ぐらい経ったときに、また違う発見がある可能性もありますしね。5年後にこの曲をやったらそび釣りに感動するんちゃうかなって(笑)

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cinema staffオフィシャルサイト http://cinemastaff.net/                                      アルカラオフィシャルサイト http://arukara.net/

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