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【ライブレポート】 THE ORAL CIGARETTES、背負い続けた対バンツアー終幕 「これからも俺らと一緒に歩いて欲しい」 (1/2)

THE ORAL CIGARETTESが6月13日に、東京・新木場STUDIO COASTで対バンツアー『ReI project coupling tour~Piggybacking Together~』を開催。この日は、ぼくのりりっくのぼうよみが出演。同公演の模様をお届けする。
同公演は、現在彼らが実施中のプロジェクト「ReI project」の一環として行われたもので、愛知・大阪・東京の計3会場で実施。6月4日の愛知・Zepp Nagoya公演では、LiSA、6日の大阪・Zepp Osaka Baysideでは、元SuG武瑠のソロプロジェクトであるsleepyhead、13日の東京・新木場STUDIO COASTでぼくのりりっくのぼうよみが出演した。

ぼくのりりっくのぼうよみ


トップバッターを飾ったのは、ぼくのりりっくのぼうよみ(以下略:ぼくりり)。この日のフロアは、オーラルのファンで埋め尽くされていたが、静寂さ漂う水色の光に包まれた中で、ぼくりりが歌声を発した瞬間、一気に歓声が湧いた。20歳だとは感じさせない程の、安定感のある歌唱力と人々を一気に惹きこむリリック。そこに魅了されるように、『Be Noble』では、腕を大きく揺らし、ぼくりりの音楽世界を堪能する人々で溢れた。ぼくりりは「今日は呼んでくれたTHE ORAL CIGARETTESさんに心からの感謝を。ありがとうございます」と感謝を届け、続けて「THE ORAL CIGARETTESは、バッキバキのバンドなんですよね?という事で、僕もバッキバキで行こうと。今日は強めのセトリで行きたいと思います」と、オーディエンスを愛らしい声で煽る。



ぼくりりの事を、オーラルとは対照的なアーティスト像だと思う人々も多かったようだが、彼の言葉通り『Butterfly came to an end』では、パーカッションやDJのスクラッチなどの多彩な音色に合わせ、強烈的な歌い方でワイルドさを魅せつけた。MCでは、THE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきらが、ぼくりりの楽曲をSNSで評価してくれた事に触れ「ちゃんとみんなにも届いてる…。それが励みになったんです。凄く嬉しくて。その時にオーラルの事を初めて知りました」と想いを語った。落ち着きのある一面だけではなく、勇ましく鋭い表情を魅せるぼくりりに、心を射抜かれた人々も多かった事だろう。

THE ORAL CIGARETTES


ステージには、“Piggybacking Together”という白い文字と手を重ねる白い絵のバックドロップがかかっていた。客電が落ちると、THE ORAL CIGARETTESのライブには欠かせない4本打ちのアナウンスが場内に鳴り響く。するとアルペジオの心地のいいSEと、オーディエンスからの盛大な拍手に導かれるように、THE ORAL CIGARETTESがステージに登場。山中拓也(Vo)はエレキギターを持ちながら、そっと言葉を吐く。

「きっとこの世界の誰しもが弱い心を持っていて、今日はやめたいなとか、逃げたいなとか、誰しもが一度は思っていると思う。でも、如何に戦うか、如何に逃げないか。それがきっと必要な事だと思います。今日ここにいるあなた達にとって、何かを踏み出す一歩に今日という日がなればいいなって思っています。今日は一緒に、やばい光を見に行きましょう。オーラル始めます。よろしく!」。


出だしから熱い想いを届けると、大切な楽曲『ReI』を1発目に披露。『ReI』へ込めた祈りや願い、そういった感情を一人一人のオーディエンスに響かせるように、丁寧に演奏をしていく彼ら。オーディンスもオーラルの想いを受け取るように、共に『ReI』を歌唱。序盤から会場が一つになっていく程、温かい空気が作られていた。その空間の中2曲目には、『エイミー』が続く。同曲のイントロが鳴り響いた瞬間、沢山の歓声と笑顔が多くみられる。それ程『エイミー』の支持率は高い事を示していた。『エイミー』の歌唱中、山中は声の調子が悪くなってしまい、途中声がかすれ気味になってしまう場面も。それでも山中は振り絞るように、ありったけのメッセージを届ける。同曲のワンフレーズ「君に一言伝えたい。ごめんね ありがとう」が、今回のライブでは一際、山中の想いが反映されていると受け取れる程、考え深いものがあった。


MCでは「ぼくりり、めっちゃ可愛ない?やばいよな」とぼくりりを絶賛し、「新木場ついてこれんの?こっから、飛ばしていきまーす!」とオーディエンスを煽りまくる山中。

声の調子が悪いのにも関わらず、山中はオーラルの新境地を開いた渾身のナンバー『5150』を懸命に歌唱。そんな彼を支えるように、鈴木重伸(Gt)は耳に残るギターリフを、あきらかにあきら(Ba)は、跳ねるようなベースラインを、中西雅哉(Dr)は轟くドラムを披露。バンドの絆や、支え合う力が強く見られる瞬間だった。


4曲目からは、場内の横揺れが凄まじくなる『気づけよBaby』、鈴木(Gt)のテクニカルなギターリフが印象的な『Mr.ファントム』が立て続けに投下された。

「どんな声でも、どんな表情でも俺は俺。しっかりここに立ってあなた達に表現します」と改めて、自身の胸中を明かしながら強気な姿勢を見せる山中。その後は妖艶さを晒し出す『マナーモード』や、山中が亡き祖父の事を想い綴った『エンドロール』が奏でられた。

次ページ : これからも俺らと一緒に歩いて欲しいです。

2010年奈良にて結成。人間の闇の部分に目を背けずに音と言葉を巧みに操る唯一無二のロックバンド。 メンバーのキャラクターが映えるライブパフォーマンスを武器に全国の野外フェスに軒並み出演。 2017年6月には初の日本武道館公演、2018年2月には地元関西にて大阪城ホール公演を開催し両日と···

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