清純派アイドル、乃木坂46
AKB48の公式ライバルである乃木坂46。ひたすら清純派のノリを貫くグループです。振付のしぐさも計算されていて、絶妙に48グループとの差別化を図っているグループ。
乃木坂46のデビュー曲『ぐるぐるカーテン』はそんな乃木坂の方向性を示した楽曲です。
ぐるぐるカーテン
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カーテンの中
太陽と
彼女と私
ぐるぐる包まれた
プライバシー
何を話してるのか?
教えないよ
≪ぐるぐるカーテン 歌詞より抜粋≫
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カーテンの先で女子同士が会話しているイメージがMVでも映し出されています。この女子同士の会話をのぞき見したいというファンの願望を巧みに歌詞にしている作り。「プライバシー」「教えない」という単語で絶妙に本性を隠します。
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「あのね」
「私ね」
ぴったり身体寄せ
ひとつになったら
何だって
わかり合える
(彼女と私)
≪ぐるぐるカーテン 歌詞より抜粋≫
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この箇所も「ぴったり身体寄せ」というフレーズで引きを作り、百合的な同性愛っぽいイメージを強調します。
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カーテンの中
そよ風と
花の香りと
ぬくもりを包む
シークレット
≪ぐるぐるカーテン 歌詞より抜粋≫
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サビのこの箇所でも「シークレット」という単語が出てきて「隠す」要素を強調します。「隠すことで気になる」という心理を歌詞の上であおっているのです。
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そうよ
女の子なら
いつだって
死角になる場所くらい
こんな時のために
確保してる
男子禁制
≪ぐるぐるカーテン 歌詞より抜粋≫
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ここも「死角」という単語が出て、最後には「男子禁制」という言葉で締めくくられています。
可愛い女の子同士のやりとりをのぞき見したいというファンの心理。ここを絶妙につき構成されたこの曲。カーテンに見立てたスカートをひらひらさせる振付もそういった「のぞき見」要素を強めています。
●ぐるぐるカーテン / MV
可愛く、清純なイメージをずっと保ち続けて
乃木坂はこの方法で人気を獲得していきました。ひたすら可愛らしく清純なイメージを保つことで、ある種の世界観を作りあげていきます。AKBに乗り損ねた人などをどんどんカーテンに巻きこんでいきました。乃木坂は、この最初の楽曲で作られたイメージを以降も保ちながら活動を継続中。活動が続けば当然、カーテンで「隠した」要素から本人達の真の姿が垣間見えてきます。ここが面白いところでもあり、批判されやすいところでもあります。
良くも悪くもデビュー曲の雰囲気はこのデビュー当時でなければ作れないんですね。
TEXT:改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)