俺もレゲエ界で前田さんみたいな夏のキャラを極めたいと思う
──メジャーデビューして数カ月が経ち、テレビなどにご出演されていると思うのですが、番組をご覧になられていかがですか?寿君:自分に対して、もっと頑張れよーって思いますね(笑)恥ずかしい気持ち反面、もっとシャキッとしろよーってね。
──テレビでの収録はどうですか?
寿君:もう慣れてきました!色々喋るタイミングとかも掴めてきたし。大阪の人が司会の番組だと、なんかおもろい事を言わないと怒られるのかなって思っていたんですけど、別にそんなん求められてませんでした(笑)あんまりしゃしゃりでーへんようにしていたらちょうどよくて。
──新譜の『ニューレベ』を作る際にジャマイカには、行かれたのでしょうか?
寿君:今年は行ってないですね。『ニューレベ』のツアーが終わったら行けたらいいなーって思っています。
──今回、TUBEの名曲『あー夏休み』を初フレーズ・サンプリングされていますが、同曲は、日本を代表するザ・夏ソングが持っているポテンシャルをお持ちですよね!『あー夏休み』を選曲したきっかけから教えてください。
寿君:うわー!!ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです。
寿君:昔の話になるんですが、全然飯も食えていない、売れていない時代のときに、音楽をやってた友達と「俺らってなんで売れへんのやろうな?」って話をしていたんですよ。「もっとこういうテイストを入れた方が良い」とかカッコいい曲の出し合いをYouTubeでしていたんですね。
そのときに、見つけた映像がTUBEの前田さんがハワイのビーチで白人さん相手に、ショーをしているもので。それを見たときに「すげーな!」って思ったんですよ。日本語なのに凄く盛り上げていて、前田さんのテイスト自体が、夏感を出しているんやろうなって。
言葉がわからなくても白人の方は「うぉ!!」って言いながら拍手をしていたり。それで友達に「これ見て!前田さん凄いよな!俺もレゲエ界で前田さんみたいな夏のキャラを極めたいと思う」って言ったんですよ。友達も「めっちゃいいやん!ハマっているし、寿明るいし、絶対良いと思うで」って言ってくれて。じゃあ、夏の歌を書かないといかんなって思って『SEASON IN SUMMER』っていう曲を書いたんですよ。前田さんが、TUBEで『シーズン・イン・ザ・サン』を書かれていたので、これや!って思ってその曲をリファレンスにイメージして作りました。
──『SEASON IN SUMMER』を作ったのが始まりだったんですね。
寿君:はい、『SEASON IN SUMMER』を出してからは毎年夏曲を出していたんですよ。それでいつかTUBEさんをカバーしたい気持ちはあったんですけど、できへんやろ!っていう思いの方が強くて、自分のオリジナル曲を毎年出していたんです。
メジャーデビューをしていなかったら今は寿サマーっていう10曲ぐらいの夏アルバムを出したいと思って、楽曲をためていたんです。だけど以前、社長とカラオケに行ったときに、Mr.Childrenさんを歌ったら社長から「お前J-POPも全然いけんな。寿がJ-POP歌っているの聴きたいわ。なんか好きなのないのか?」っていうので探して。俺、TUBEさんが好きだったし、カバーするならTUBEさんが良いって思って、『あー夏休み』をそのまんまカバーしているバージョンと俺がアレンジして作っているバージョンの2パターンを、自分の事務所のロックバンドの先輩にリズムを制作してもらって、提出したんですよ。
そしたら「お前が作った平歌の方も良い歌になるから、こっちで進めていこう」っていう事になり、そっちに決まって。僕が最初に提出したのは、凄いロック調の楽曲で、これでロックのフェスに殴り込みにいくんか!みたいなのだったんですよ(笑)NAOKI-Tさんという作家さんにプロデュースしてもらったんですが、僕がブラックミュージック中心としたクラブ音楽出身だからサンバとムーンバートンとかを合わせて、今の感じのオケが出来て。良いモノが出来てきているっていう手応えがあったんです。そして、PVでは友達でレゲエダンサーのJAKENに振り付けを考えてもらって。僕も一緒に踊ったんです。
──寿君、踊ったんですか!?
寿君:頑張りましたよ!今回のテーマは大人が真剣にふざけるっていうものでやったので、真剣にふざけましたね。今までになかった振り付けもあるし、この曲が懐かしいって思ってもらえる人も多いやろうし。これまで届きそうで届かなかったことが、みんなの意見を取り入れて出来たなっていう感じの新しい1曲です。ニューレベルでめちゃくちゃ新しい武器ができたと思います。
──この曲で初めて挑戦みたいな所があったから、タイトルは『ニューレベ』なのでしょうか?
寿君:これも勿論そうですけど、『一人じゃない』も作家さんを入れて作っている曲なので、この曲も新しい事への挑戦みたいな所もあったし。メジャー初フルアルバムなので、ニューレベルやなっていう所を出していきたかったなって。今までレゲエの中で、レゲエのアーティストたちとばかりやっていたんですけど、今回フィーチャリングアーティストとして、ベリーグッドマンやMs OOJAさんとやったりしたんですよ。夏曲だけではなく、クリスマスバラード曲とかも入れられたし、全体を通してニューレベルになったんちゃうかなって思いますね。
──『あー夏休み』の撮影はどこで行われたんですか?
寿君:福島にあるスパリゾートハワイアンズっていう所に行って撮りました。フラダンサーの方やファイヤーショーをやってくれる人たちとコラボして、豪華なMVになっています。
お気に入りのフレーズ!
──『あー夏休み』の中からお気に入りのフレーズを教えてください。寿君:全体的に歌詞をいじっているんですけど、平歌の部分の要所要所で前田さんが原曲で歌われているワードをそのまま入れているんです。原曲に基づきながら、僕だったらこうやって韻を踏んで言います!っていう内容に変えて歌詞を書いたんですよね。だから原曲のリリックを見て、前田さんはこういう表現がしたかったんだろうなって感じて考えて、自分の色を出していきました。お客さんは勿論なんですけどTUBEのメンバーにも「寿君っていう子が面白くアレンジしたね〜」って言ってもらえるような曲にしようと思っていたので、この「オオカミBoy」、「叩き付ける水の音」、「夜は夜 浴衣に花火」、「ためらいは蚊帳の外に」とかっていう前田さんの歌詞を上手い具合に入れているんですよね。
──全然違くはないけど、全然違うという絶妙なバランスをついてますね。
寿君:そうなんですよ。そこが原曲から離れすぎずやし、めっちゃレゲエ感も入れたりもしている。寿君感とTUBE感を消さずに、成立させるようにやっていきました。
──歌詞を書くのに、時間がかかりませんでしたか?
寿君:結構かかりました。4曲目の『SUMMAH!!』っていう曲を書いているときが去年の夏だったんですけど、その時から歌詞は書いていましたね。世間では、今頃俺の『SUMMAH!!』が新曲になっているだろうなって思いながら、こっちの『あー夏休み』を書いていました。ほんまはもっと新曲のサマーがあるのに~って思いながらも、今年まで一年我慢していた曲です。
──最初は寿君的にも、『あー夏休み』はロック調な感じになるイメージだったんですか?
寿君:どうなるん?って思ったんです。原曲よりもアップテンポなロック調のギターがめっちゃ目立つ仮オケで最初書いたんですけど、それがもしかしたら良かったのかもしれないですね。そこからレゲエフレーバーにして行ったら日本人が乗りきられない感じで歌ってしまっていたかもしれないので。このちょうど感が乗れるし、フロウで揺れれる。ロックとクラブミュージックの間で楽しんでくれるみたいな感じが、すげージャストミートなバランスやと思います。
──J-POP感もあって良いですよね!
寿君:そうですね。それでPVが本気でカッコつけていたら嫌ですよね(笑)だから皆で楽しく笑っていこうぜ!っていう感じのテイストです。JAKANEは世界的にも有名なダンサーなので、依頼する事を悩んだりしたんですけど、「俺らと真剣に馬鹿しようぜ!」って言ったんです。僕が持っている一番派手なバブルヴェルサーチのシャツを5枚ぐらい出してきて、それを着てもらって。バブルっぽさを出しました。