ベリーグッドマンと共に楽曲を制作
──『Jump&Let’s Go feat.ベリーグッドマン』はベリーグッドマンさんとのコラボですね。ベリーグッドマンさんとは初めてお会いしたのでしょうか?寿君:僕、メジャーに入る前にヴィレッジアゲインっていう所から3枚CDを出しているんですけど、その時のレーベルメイトで。僕とベリーグッドマンとDef Techとかで大阪や東京でイベントをやったりしていました。音楽的絡みはありましたね。それに地元が一緒の大阪っていう所もあるのが良いし、彼らは今度大阪城ホールでライブをする程勢いがあるし。一緒に大阪から全国を盛り上げられたらいいなって言っていたら、ようやく一緒に楽曲が出来たので嬉しかったですね。
──ベリーグッドマンさんとの現場は楽しそうですね。
寿君:楽しかったですよ。遊んでいるみたいに終始作れたので。でもそういうような曲が一番楽しいですよね。
──タイトルもノリで生まれたのでしょうか?
寿君:そうですよ。ジャンプしていくぞ!みたいな感じですね。
──どういったお話しをされてこの曲を作られたのでしょうか?
寿君:これはね、僕、MAVADOっていうジャマイカのアーティストが好きなんですよ。ジャマイカの好きなアーティストにありがちなんですけど、○○&○○ってジャマイカ人は使うんですよね。『Jump&Let’s Go』っていう使い方はしないんですけど、似てる表現やったら「Touch&Ready Go!」は使うんです。タッチしていくぞ!みたいな。例えば可愛い女の子がいて、その子にタッチしたらガツガツして行けよ!とか使います。そういう「○○&○○が今ジャマイカで流行ってんで」っていう話を僕が、ベリーグッドマンにしたら「例えばどんなんですか?」って聞かれて。それで俺らが盛り上げていきたい曲を書きたいときは、『Jump&Let’s Go』とかいいよねって言う話をしたら「めっちゃいいじゃないですか!」っていう話になって。サビは僕が書いて頭の部分はベリーグッドマンが書いていき、割り振りとかも決めてもらいましたね。僕は一人で書くので、彼らの曲作りの仕方と違うんですよ。ベリーグッドマンは音をかけてそれぞれ口ずさみながらやっていて、でも俺その感じが全くわかんないんです(笑)俺はその中でどんだけパンチ強い言葉を短く持っていけるか?に集中しそこで苦労しましたね。
──始まり方もカッコいい曲ですね。
寿君:そうですね。ベリーグッドマン節が出ていました。
──タイトルが出てきたと同時にサビも出てきたんですか?
寿君:はい!サビになった感じですね。
──ベリーグッドマンさんと共作してみて、学んだ事や習得したことはありますか。
寿君:僕とかは韻を踏むゴリゴリなレゲエ界で育ってきたんですけど、彼らはJ-POPとかでも受け入れられる所から始まっていて。僕は韻に囚われていて、言いたい事から離れがちだったんですけど、自分一人の歌なので結局着地は自分で出来るからこんな歌になっちゃった!でもこれはカッコいいから受け入れられていたんですけど、彼らはこれって決めたら韻に囚われることなく、自分らっぽいメロデューで埋めてくるんです。だから変にも聴こえないし、カッコええって思える。さらにイケメンに、クールなヤツに、おもろいキャラ3人いるって良いなーって。(笑)
──『ニューレベ』のジャケット写真もカッコいいですね!
寿君:『ニューレベ』っていうタイトルは俺がラフスケッチ書いているんですよ。
──アートワーク系周りもやられているんですか!
寿君:そうですね。ここをこうして欲しい!とかスゲー口挟みますよ。
ジャマイカにいたらこうするぜ!っていう歌
──『Touch inna Jamaica』のような癒される楽曲も歌われる事に驚きました。寿君:結構高いキーを出すのが得意なんですよ。なので、低いキーで寝ころびながら歌えて、リラックスできる曲が欲しくて。ジャマイカの言葉ってカッコいいから別に力を入れなくて歌ってもカッコよく聴こえるし。この感じは自分が好きなジャマイカ人のアーティストをリファレンスしましたね。
──『Touch inna Jamaica』はどういう意味になりますでしょうか?
寿君:when me Touch inna Jamaicaって言ったら俺がジャマイカにいるときっていう意味なんですよ。ジャマイカにいたらこうするぜ!っていう歌ですね。
──英語で書かれている部分もパトワ語?どんな事を歌っているのでしょうか。
寿君:パトワ語ですね。俺がジャマイカにいるときは、金とかを使いまくるっていう意味です。それは真っ直ぐにしか物事を考えられへん奴とか、物事を全然わかってないような奴にはその意味がわからへんみたいな事を言っています。自分の中では「Shooting star u know see when mi fly Just like a bird an plain in di sky」は自分の好きな箇所で。「あなたが俺を見たときには、既に映画のスターのようになっているから俺はいなくなっているよ、それは鳥かそれとも飛行機が高く飛んでいるかのように高く飛んでいなくなるから、俺はシューティングスターぐらいスターだよ」っていう事を言いたかったんです。スターは友達みたいに近い存在じゃないし、スターは触れないよという意味です。
──これはジャマイカの方々にも聴いてもらいたい曲ですね。
寿君:はい!この曲をジャマイカでかけて歌っているぐらいです。「日本語の星の数ってどういう意味?」って聞いてきたりもしましたね。そうやって言葉を教え合って遊んでます。
──ジャマイカって日本からどのくらい時間がかかるんですか?
寿君:30時間ですね。面白いのが、日本からジャマイカ行くときって地点の方向に動くから朝8時に出ると夜の21時につくんですよ。1日以内についているんだけど、帰りは1日損しちゃうんですよね。それがすげーって思っちゃう。
沖縄での制作
──『曇りのち晴れ』は沖縄で作られたんですよね。ジャマイカで作るのと沖縄で作るのじゃ全然違いますか?寿君:やっぱり違いますね。沖縄の方が穏やかに作れます。刺々しい部分がとれるんで。だけど良い事ばっかりじゃないじゃないですか?だからマインドの持っていき方かな?って思っていて。上手く行けへんときに目線を変えれば、上手くいっていなくても対応一つで巻き返せるんちゃうん?って感じていて。夢を追いかけていこう!みたいなポジティブな所ってなんぼ並べてもいいかもしれないけど、ネガティブな所も並べていいんちゃうかなって。「マジ絶え間ないシーソー」っていう歌詞は気に入ってます。
──そこ良いですね!
寿君:音で聴いてもわからないけど、歌詞カードを見て「マジ絶え間ないシーソーって歌ってるの?」ってハッとすると思うんです。「咲き誇ってる花もそれを求める性も陽の光が包みこむから」には隣の芝生は青く見えるけどっていう内容を入れ込んだ感じです。結局しんどい事って誰にでもあるねんけど、それを救ってくれる陽の光って誰にでもあるよっていう事を伝えたかったんです。三線の音も取り入れて沖縄感を出しています。
──今後ジャマイカに行けないときは、沖縄で制作する事もありそうですね。
寿君:そうですね。元々沖縄でよく書いていたんですよ。1stミニアルバムとか3rdアルバムとかは沖縄でほとんど作りました。沖縄で歩いていると知らん人から「寿君おかえり!」って声をかけられる事もあるんですよ。
──寿君にとって『ニューレベ』がどんな一枚になったか教えてください。
寿君:盛り上がる曲からバラードまで出来てふり幅も広がったと思うし、レゲエ以外のアーティストともフィーチャリングする事で、今までになかったような制作環境で出来ました。これを出して自分の環境をニューレベルに、持っていけたらなと思いますね。ふり幅を広げた理由は、レゲエを聴かない人に寿君って良いなって思ってもらいたかったので。寿君が良いってなればフィーチャリングアーティストも良いってなって調べてくれるとも思うので、そのアーティストも調べて欲しい。色んな意味で沢山の人を巻き込んでいけたらなって思っていて。今まで小さなレゲエという世界にいたけど、メジャーのフィールドでも受け入れてもらえるようニューレベルになりたいと思って作った作品です。ライブとかインストアイベントでもニューレベルな一面も見せていきたいです。
──最後にこの夏のイベント告知をお願いします。
寿君:この夏は『あー夏休み』を持ってレゲエからオールジャンルまで色々なフェスに出演し、一番気にさせてやる!っていう思いを持ちながらアプローチをしていけたらと考えています。全国各地飛び回るんでホームページやSNS等で是非チェックして遊びに来てくださいね。『あー夏休み』では僕も踊っているので、みんなも覚えて一緒に踊ってくれたら嬉しいです。
TEXT:愛香
PHOTO:橋本美波/愛香
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