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【インタビュー】83の初ライブが決定!!心の痛みに寄り添う歌へ、あなたも心の手を伸ばしてみませんか。 (1/2)

女性ヴォーカリストのHITOMIと、ギター&ヴォーカルを担うU-1の2人が手を組み、2017年初冬に誕生したのが、83。 83とは、8月生まれのHITOMIと3月生まれのU-1それぞれの誕生月を組み合わせた名前。3月に、シングル『金魚』を発売。8月19日(日)に恵比寿天窓.switchで行われるイベント「夏の終わりの追憶」へ出演し、ついにライブ活動もスタートさせる。今回は、初ライブを間近に控えたHITOMIとU-1を捕まえ、83の魅力にせまった。

今は自分たちの可能性を探っていきたい

──まずは、お二人の出会いから聞かせてください。

HITOMI:互いに昔から知り合いではありましたよね。

U-1:HITOMIがまだ音楽を始める前から知っていたように、昔からの顔なじみではあったんですけど。彼女が歌を始めたいということから僕が歌のレッスンを引き受けたことが、83へ至るうえでの最初のきっかけかな。最初は生徒と教える側という関係だったのが、まわりからの推薦やHITOMI自身の意志もあり、何時しか「一緒にユニットとして活動してみようか」という話に発展。結果、今に至る形でした。

HITOMI:以前からU-1さんの歌声やギターの魅力を知っていたからこそ、歌を勉強するならU-1さんのもとでという気持ちから師事したわけですし、「この人を世に出していないのはもったいなさすぎる」と思う気持ちもありました。同時に、ソロで活動するよりも、ユニットやバンドという形態を求めていたことからメンバー探しをしようとしていたところ、すぐ身近に「とても歌声に魅力を持った人」がいたことから、ぜひ一緒にやりたいと思い、誘いをかけた形でした。



──音楽的な方向性は、明確に定めたうえでのスタート!?。それとも、可能性を探りながら固めていく形なのでしょうか?

U-1:今の83に関していえば、可能性を探りながら固めてゆく形です。シングル『金魚』に色の濃い世界観を投影したぶん、それが83の色と思われがちだし、それも83の魅力の要素であるのは間違いないけど。まだまだ未知数な可能性をたくさん秘めたユニットのように、今は一つの音楽性にとらわれることなく、いろんな表現の間口を広げ、自分たちの可能性を探っていきたいなと思いながら活動をしています。

HITOMI:確かに、ジャンルや方向性をカチッと定めたほうが83の色も伝わりやすいのかも知れないけど。唄う側としては、まだまだ自分たちのいろんな可能性を試したい時期。だから、今はいろんなスタイルへ挑戦したいなと思ってる。


シングルには、中島みゆきさんの『地上の星』のカバーを収録



──ところで、なぜ83という名前を付けたのでしょうか?

HITOMI:由来は、ものすごくシンプル。これ、8月(HITOMI)と3月(U-1)から取ったんですけど。その月というのは、お互いの誕生月なんです。

U-1:その名前を決めるまでにも、30個近く名前を絞り出しては、あーでもないこーでもないと議論してたんだけど…。

HITOMI:あまり深く凝り過ぎても、時間が経ったときに「これ、考え込みすぎたねとなる可能性が強くなる」という話になり、「だったらシンプルなほうがいいでしょ」との思いから83と決めました。それに名前って、活動をし続けることで認知されるように、あとは、その名前がどれだけ当たり前として浸透させてゆくか…だと思っています。

──お二人は、現状83の魅力をどのように捉えています?

HITOMI:男女ユニットでありながら、とくにキーを変えて歌い分けする必要性もなく表現していけてるところは強みの一つだなと思います。

──HITOMIさん自身、けっこう低めのキーで歌っていますよね。

HITOMI:むしろ、そこを魅力にしています。

U-1:彼女のその歌声こそが、すでに個性を放っているからね。一回聴いただけでインパクトを与えてゆく歌声だし、何より「男前な女性ヴォーカリスト」であることが一番の魅力。キーも女性にしては低めのように、僕も無理に女性にキーを合わせることなくナチュラルに歌を寄り添えれるところもいいなと思ってる。面白いのが、83としてはカバー曲の演奏も今は取り入れてるんですけど、意外と男性ヴォーカルナンバーが彼女の歌声には似合うこと。

シングルには、中島みゆきさんの持つ世界観が彼女に映えることから、中島みゆきさんの『地上の星』のカバーを収録したんですけど。形にしてないところでは、シャネルズさんや村下孝蔵さんなど男性楽曲を好んでカバー演奏をしているんですね。そういう曲を唄ったときの彼女の歌声が、また似合うんですよ。



痛い気持ちに救いや共鳴を覚える人たちには、ぜひ触れて欲しい歌たち

──シングルに収録した『金魚』や『おいで、絶望』には、光を拒絶し、心の痛みに寄り添う想いを投影しています。最初に、そのスタイルを提示したのは、HITOMIさんの歌声を活かしてのことなのでしょうか?

U-1:先に僕と83のスタッフチームの中で話をしていたときにも、「HITOMIは歌声も低めだから、森田童子さんのような世界観が似合うんじゃないか」という話はしていたこと。その前提もあったうえで、「まずは作家の方にHITOMIの歌声を活かした印象で自由に曲を書いてもらおう」と決め、川浦正大さんという作家の方にお願いをして、今回のシングルに収録した『金魚』と『おいで、絶望』を書いてもらったんですけど。川浦さんがHITOMIの歌声に感じたのが、「光さえ見出せぬ絶望の世界が似合う」という印象。そこから、みんなで元気に頑張っていこうぜというマジョリティ向けではなく、あえてマイノリティなターゲットへ向けた楽曲を魅力に打ち出そうとしていった面もありました。



──HITOMIさん自身も、闇や絶望抱く感情に心の救いを求めてゆくタイプ?

HITOMI:個人的にはネガティブどっぷりよりも、たとえ心に闇を抱えようと、最終的にはポジティブなほうへ持っていく歌のほうが共感度は高いんですけど。自分の友人も含め、『金魚』や『おいで、絶望』に描き出したような感情を持つ人がいるのもわかっているし。悩みや絶望を胸に抱えている人たちに優しく寄り添える歌にもなれたらなという気持ちもありました。
自分の性格はけっして暗くはないです。でも、明るい曲を楽しく歌ってても「悲しい」と言われるように、そういう歌声の成分を持っているのかも知れないですね。

U-1:それが、みずからの歌声の魅力や武器にもなることだし、自分の歌声とは一生付き合っていくものだからこそ、それを歌の持つ性(さが)と捉えるなら、そこをプラスに導いてあげたほうがいいわけだからね。

──オリジナル曲は、今増やしている段階なんですよね。

U-1:そう。川浦正大さんに同じ方向性を持った歌を全部で4曲書いてもらっているのが現状で。それに加え、自分でも『金魚』や『おいで、絶望』とは対極を成す表情を持った楽曲を書こうかなとも思っているところです。

HITOMI:楽曲に関しては、いろんな表情を持っているほうが、ライブを楽しむうえでも、より広がりが出ていいなと思っているように、今後次第とはいえ、幅を広げてゆく意識は持っています。

U-1:今は『金魚』や『おいで、絶望』を軸に据えているように、絶望にさいなまれながらも、その感情に心地よさを覚えると言うのかな。痛い気持ちに救いや共鳴を覚える人たちにこそ、ぜひ83の歌に触れて欲しいなと思ってる。



次ページ : この日のライブを観れば、今の83が見えてくる

ボーカル HITOMI と、ギター&ボーカル U-1 によるユニット。 2017年、HITOMIとシンガーソングライターのU-1が出会い結成 2018年3月21日にシングル『金魚』でCDデビュー ​現在はライブハウスを中心に活動している ▶83オフィシャルWEBSITE http://www.83eightythree.com

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