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【インタビュー】SHE IS SUMMER これまでとこれから、2つの姿が投影されたミニアルバム『hair salon』が完成 (2/3)


ふたたびつらい日々が待ってたとしても

――収録した6曲の歌詞、けっして物語性を持って書いたわけではないですよね。

MICO:今回の作品に関しては、1曲ごとの世界観へ向かっていったように、全体の流れを意識して歌詞を書くことはなかったです。そう感じました?


――これは、完全に個人的な感想ですけど。『CALL ME IN YOUR SUMMER』に登場する倦怠期を迎えたカップルの女の子が、『会いに行かなくちゃ』などの日々の経験を通し心にすれ違いを覚え、『未知を探す』で、少しの後悔も背負いつつ、一つの恋の終わりを迎えます。でも、『エンドロールの先を歩く』で新しい恋に出会い、『生活』で日々に幸せを覚えながらも、何時しかその恋にも倦怠感を覚え始めたことから、『女の子の告白』で、わたしはわたしらしく生きると宣言してゆく。そんな風にもとらえられたんですよね。

MICO:あー、ホントそうだぁ。勝手にストーリーが出来てました(笑)。『女の子の告白』は、ミニアルバム『hair salon』の制作に入る前から生まれていたので、けっして6曲の流れを意識して作っていたわけではありませんでした。特に『女の子の告白』は、わたしの想いではなく、ファンの方々からいただくお手紙に対しての、わたしなりの返事であり、メッセージを込めた歌なので。

と言うのも、わたしが恋愛ソングをよく歌っているからか、ファンの方から恋愛相談のお手紙をいただくことが多いんですよね。本当なら一つ一つにお返事を書きたいところですが、そこは難しいこともあり、みんなへ向けてのお返事変わりの楽曲として書いたのが『女の子の告白』なんです。


――この歌には、そういう背景があったんですね。これも個人的な感想にはなりますが、『エンドロールの先を歩く』のような明るく開放的に弾けた楽曲を聞いてたら、心がウキウキと弾む感覚を覚えました。あの曲は、気持ちを幸せな色に染めてくれる歌だなぁと、聞くたびに感じます。

MICO:その言葉は嬉しいです。わたし自身も、ここまでハッピーエンドな歌詞を書いたのは初めてでした。たとえ、それまでの日々にどんなつらいことがあっても、「この一日を幸せに満ちたまま過ごせて良かったな」と思う日だって、人にはあると思います。そういう日くらいは、それまでのつらいことや、たとえその先に、ふたたびつらい日々が待ってたとしても、「その喜びだけを噛みしめる日があってもいいんじゃないかな」と思い、この歌詞を書きました。

忘れることはあっても、無くなることはない


――『CALL ME IN YOUR SUMMER』に投影したアンニュイな楽曲の表情も、嬉しい意外性でした。

MICO:これまでのSHE IS SUMMERの世界観にはなかった音楽性を、頭3曲には投影しています。前半部の3曲は、普段のわたしが好きで聞いている音楽性にとても近いもの。わたし自身の音楽的な趣味趣向へ極力寄り添う楽曲を制作したかったことから、片寄さんともいろいろ話し合いながら、前半部の曲たちを作りました。そのうえで、これまでのSHE IS SUMMERらしい楽曲を、後半3曲に並べた形を取っています。


――作品を客観的な視点でとらえてくれる片寄さんのような存在がいると、作品にも違いや広がりが出てくるものなんでしょうね。

MICO:それはあると思います。実際に、ヴォーカルディレクション面でも、今回は片寄さんにお願いをしたところ、わたしの視点とは異なる形で録れたことから、歌声の聞こえ方も違った新鮮さを持つことが出来ました。それって、自分で「これがいい」と思って選ぶ写真と、他の人が「これがいい」と思って選ぶわたしの写真に違いがあるのと同じこと。そうやって、幅広い視点でSHE IS SUMMERをとらえられたことで、自分の好みだけではない視点で、よりSHE IS SUMMERの良いところを引き出せてもらえたなと感じています。

別の言い方をするなら、「わたしの好み」もあるけど、「わたし自身はそこまで好みではないけど、でも、いい表現だからこそ、それも生かしていける」。そんな風にSHE IS SUMMERの良さを広げる視野が『hair salon』を通して広がりを持てたなとも感じています。


――MICOさん自身が、その変化を楽しんでいた形なのでしょうか?

MICO:今回、変化を楽しんだというよりも、わたし自身はずーっと変化し続けていますし、その変化を楽しんできました。むしろ、変化し続けることが、SHE IS SUMMERという存在の形を作っいるなと思っています。今回はとてもわかりやすく目に入る変化をしたことから、そうとらえられるのかなって。だから「変化を楽しんでる」というよりは、「変化に大きな角度がついた」と言ったほうが今回は正しいと思います。


――表現者である以上、変化や進化し続けていくのは当たり前のことですからね。

MICO:そうなんですよね。それはわたしに限らず、人なら誰もが変わり続けていくように、日々を過ごしていく中で変わらない人っていないと思います。むしろ、知識って日々を重ねるごと増えてくように、月日を重ねるということは「より良くなっていくこと」だともわたしは思ってて。人生って、知ってることが増えたほうが楽しいじゃないですか。知識が増えるというのは、よりいいものを選べるということ。それに、知ってることって減らないんです。忘れることはあっても、それが無くなることはない。

忘れるということは、自分には良くないことや必要のないことだから忘れるわけじゃないですか。そう思ったら、日々知識が増えるのは、日々自分を良くしていけることだとわたしには思えるように、その変化をわたしは楽しんでいます。

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エレクトロポップユニット “ふぇのたす” のボーカル “みこ” として メジャーデビュー。 2016 年 4 月より “MICO” のソロプロジェクト “SHE IS SUMMER” として始動。 同年 8 月 1st E.P「LOVELY FRUSTRATION E.P.」をリリース、 リード曲「とびきりのおしゃれして別れ話を」は、YouTube の 再生回···

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