ワンオクには珍しい、すべて日本語の歌詞
ONE OK ROCK、通称ワンオクの2010年の楽曲『じぶんROCK』。海外公演も多い為、近年は英語詞が多い傾向がありますが、そんな中で全て日本語歌詞の『じぶんROCK』は、それだけにストレートに日本人に伝わる内容です。
じぶんROCK
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忘れてたまるもんかよ!!
届くまで止めない!!
≪じぶんROCK 歌詞より抜粋≫
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といったように「!!」が非常に多い歌詞。気持ちが強く出ていることが分かります。
さて、2番Aメロを見てみましょう。
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今日も地球は回り続ける
誰が泣いても怒っても止まらず
ためしに僕が…
風邪をひいてももちろん止まる事なんてねーわ!!
人生も同じように止まる事はなく進むし
だから そうさ今日も人はお手手のシワとシワをあわせんの!!
≪じぶんROCK 歌詞より抜粋≫
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「地球」という大きなものが出てきます。そして「地球」に「キミ」とふりがなをふる特殊な読み。この意味が後に判明します。
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だから そうさ今日も人はお手手のシワとシワをあわせんの!!
≪じぶんROCK 歌詞より抜粋≫
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という歌詞ですが、お仏壇のはせがわのCMに「お手手のシワとシワをあわせて幸せ。な~む~」という有名なフレーズがあります。このお仏壇のはせがわリスペクトなんですね。
一見バカみたいに見えますが「仏壇に入るまでじぶんROCKをつらぬく」意味合いが込められています。
「キセキ」をカタカナで表記した意味
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今キミが思うキセキも底上げさせてしまえば
もう その時点でそのキセキは君にとっちゃ必然のお仲間さ!!
≪じぶんROCK 歌詞より抜粋≫
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ここのフレーズは、カタカナで「キセキ」と表記しています。なぜか。
例えばGReeeeNの楽曲「キセキ」。また漫画「黒子のバスケ」の「キセキの世代」。これらはカタカナ表記で「キセキ」と表現し、「奇跡」「軌跡」両方の意味を込めているんですね。
この『じぶんROCK』でも同様に使われています。自分のやってきている今の「軌跡」を信じて自分自身を「底上げ」し、「奇跡」だと思っていることも「必然」にしようと歌っています。
また、今の時点では「奇跡」だと思うようなことでも、「軌跡」がきちんと出来ていったならそれは「必然」になるという意味でもあります。
そして「今キミが思う」と「君にとっちゃ必然のお仲間さ!!」でカタカナの「キミ」と漢字の「君」を使いわけています。カタカナの「キミ」は前半の「地球」のふりがなでもあった「キミ」。地球に存在する一個人のキミを表している。
そしてキセキとお仲間になれたなら、王を表す「君主」にも、賢く優れた人である「君子」にもなれる、そんな「君」になれるよと歌っているんですね。さりげなく壮大なことを歌っているのです。
あえて引っかかる単語をチョイス
更に、ここで重要なのは「お仲間」という言葉のチョイス。
ここでもさりげなく前半の「お手手」と似たような表現を入れています。このような耳に残るフレーズを入れてくることで、聴く者に「ん?お仲間?」とひっかかりを持たせています。単に「仲間」「友達」「友人」と表現するよりも耳に残るんですね。
これによりたとえ『じぶんROCK』というこの曲のタイトルが思い出せなくても「お仲間さ!!って歌ってる曲あったよな…」と聴いた人が思い出せるわけです。
検索すると分かりますが、日本のPOPSで「お仲間」という単語を使っている曲は、この曲以外まずありません。こういうさりげなく「ひっかかる」表現を入れることで聴き手に曲の印象を残しているんですね。
●じぶんROCK / MV
観客と一体化できる工夫も
世界ツアーもスタジアム公演も実現したワンオク。「キセキ」を「必然のお仲間」にしたバンドだからこそ、説得力のある歌になっています。ちなみにご紹介した「止まることなんてねーわ!!」と「お手手のシワとシワをあわせんの!!」はライブで観客が一緒に叫ぶ箇所。
こういった深いメッセージを潜ませるだけでなく、ひっかかりを作って観客を共に参加させる仕組みもちゃんと作っているんですね。
TEXT:改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)
2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。 2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。 これまでに、武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナ···