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【インタビュー】デビュー30周年へ向かうスカパラが語る、記憶と胸に秘めた想い。

東京スカパラダイスオーケストラが7年6ヶ月ぶりに、ゲストボーカルを迎えず制作した歌モノシングルをリリース。作詞の谷中敦、作曲の沖祐市・加藤隆志とボーカルを担う茂木欣一に話を伺った。

2018年9月30日

Interview

愛香


この記事の目次
  1. ・これまでのゲストボーカルあっての『メモリー・バンド』
  2. ・夢を持って聴く人に贈るメロディー
  3. ・「涙も無視して泳いだ」というフレーズが持つ背景
  4. ・今と昔の夢のあり方
  5. ・出る杭は打たれる時代
  6. ・ピックアップフレーズ
  7. ・プレゼント応募について
  8. ・東京スカパラダイスオーケストラ 最新情報
  9. ・リリース情報
  10. ・ライブ情報
  11. ・東京スカパラダイスオーケストラ Profile

これまでのゲストボーカルあっての『メモリー・バンド』

──ゲストボーカルを迎えずにスカパラメンバーのみで“歌モノ”楽曲を制作し、それをシングルとしてリリースするのは実に7年6ヶ月ぶりとのことですが、それには何か“今だ!”と感じられるようなきっかけがあったのでしょうか?

加藤隆志:そうですね、7年6ヶ月。月日が流れるのは早いなぁと思います。これまでゲストの方に歌っていただくシングルが多かったんですけど、コラボレーションはバンドにとっても良い刺激になるし、自分たちの音楽が世の中により広がっていくので、すごく大事にしている事なんです。

最近はさかなクンとのコラボレーションや、斎藤宏介くん(UNISON SQUARE GARDEN/ Vo.&Gt.)などとのコラボで、若い方たちにも僕らの事を知ってもらえる事が多く、今が9人だけでこれまで培ってきた経験を曲に込めるのには良いタイミングなんじゃないかと思って、今回自分たちだけのシングルを出しました。
僕たちも歌詞のある音楽をやっているんだぞ!という所を知ってもらえたら嬉しいし、スカパラのメンバーについても掘り下げて聴いてもらえたらと思っています。


──これまでの経験を楽曲に込めるということでしたが、『メモリー・バンド』と『This Challenger』はどんなテーマ性を持って制作されましたか?

谷中敦:来年デビュー30周年なので、30周年の前にバンドとは何か?をもう一度振り返ってみようと思いました。
音楽って、好きなバンドがいるとそのバンドと一緒に時代を過ごしますよね。中学や高校で好きだったバンドとかは、その時の思い出と共にある。そういう意味では、バンドは思い出を束ねるものだと思うんです。
僕もバンドが思い出なのかなって思うし、人生そのものかもしれない。夢みたいな事をずっとやり続けている訳ですけど、その夢みたいな事が自分にとっては人生なので。

でも、その夢の中でさえも大変な事が起こる訳で、人に言えない苦労とか悲しい事もあって。メンバーが2人亡くなったり、脱退しているメンバーもいるけど、メンバーが一丸となってその悲しみを乗り越えて耐えていっている所も含めて絆になって、9人でやってこられているのかと思います。
その苦労とか悲しみの部分は人には見せないまま過ごしていくと思いますけど、バンド名にも“パラダイス”を掲げているので、夢を持ってパラダイスの部分だけを出し続けるバンドでありたい。そういう事も含めて一つの事を歌詞にした感じです。


──なるほど。

谷中敦:個人として勝負しなきゃいけない局面に立たされる時もある訳じゃないですか。その事がきっかけで人生が大きく変わるような時って物凄く緊張すると思うし、孤独にもなると思うんだけど、そういう時って実は、自分自身の経験や培ってきたものや関わって来た人たちと戦っていると思うと勇気が湧いてくるんです。
自分自身そういう所があるけどバンドという集合体でも同じですね。今まで関わった色んなお客さんも含めてメンバーと思うような気持ちで、ステージに立ち続けるっていう事がスカパラには一番合っているのかなと思います。


──そういう想いがあっての今作なので、やっぱりこの歌詞はスカパラさんが書かないと響かない歌詞ですし、もっと言うと、今だからこそ響く歌詞ですよね。

谷中敦:ありがとうございます。


──今おっしゃっていただいたように今まで関わってきた人たちを背負ってステージに立つということは、勇気とは逆にプレッシャーになるってことはないですか?

谷中敦:僕ら外国に行くときは、勝手に背負っていくんです。背負えって言われてないですけど(笑)。バンド名にも“東京”を背負っているバンドが海外で演奏するわけですし。

この間コロンビアでライブをやったんですが、日本人のお客さんがいない状態だったんですね。そんなアウェイの状況のなかで、そこにいたコロンビアの人たちにとっては初めて観る日本人のアーティストがスカパラっていう人がほとんどだったと思うんですね。
そういう意味では背負わざるを得ないというか、責任あるなって。
でも、だからこそ誇りとして楽しくかっこよくやりたいなと思います。

加藤隆志:スカパラのゲストボーカルとして迎えるシンガーの方たちは本当に凄い方たちばかりなので、メンバーだけでの歌唱のときはいい意味でのプレッシャーがありますよね。
それでも、今作の2曲はスカパラのメンバーでしか表現できない、スカパラにしか歌えないものだと思うので、歌唱の良しあしとしてではなく僕たちが歌うという所に意味があると思っていて、そこが歌詞とリンクしていると思います。ゲストボーカルものとは違う深さというか、スカパラの良さをより知ってもらうための楽曲にもなっています。


夢を持って聴く人に贈るメロディー

──『メモリー・バンド』はメロディーが先にできたような感じですか?

沖祐市:はい、曲が先ですね。言葉のイメージは全くなくて、良いメロディーを作りたいという感じでした。実は5年ぐらい前からメロディーがあったので、それを作り変えてピンと来る感じにしたんです。


──ピンと来るような良いメロディーということですが、特にこだわったところや想いについて聞かせてください。

沖祐市:僕らデビューしてから29年バンドをやってきて、色んなバンドの方やアーティストと繋がってきたし、そのアーティストを推しているお客さんとも繋がってこられたじゃないですか。
僕らがゲストを招いてライブをやると、僕らのファンだけに限らずそのゲストの事が凄く好きで見に来てくれるお客さんもいる。それで僕らの事も知ってくれて、音源やライブにワクワクしてくれたり。そうやって僕らの音楽やゲストボーカルに夢を持ってくれている姿を見ると“あ〜〜〜!”っていう気持ちになるんですね(笑)。

僕の勝手な妄想だけど、“この人のライブを絶対見に行きたい!この人のために後何カ月かを生きる!”みたいな事を思っている人って多いと思うんですよ。
今回の曲に限らずですけど、自分で聴いてもワクワクできるものならきっとそんな人たちにも届くんじゃないかと思っているので、メロディーを作るときはそういう人たちの背中をポンと押してあげるぐらいのパワーがあるものを作りたいなと思っています。


──いろんな方とコラボレーションをして、その方のファンも巻き込んでいくと“自分がやりたい音楽をやりたい”とか“自分の好きなことだけをやる”というような感情とはまた変わってくるんですね。

沖祐市:そうですね。やっぱり自分がそうやって音楽を好きになったから。


「涙も無視して泳いだ」というフレーズが持つ背景

──UtaTenは10代20代の読者が多いのですが、曲中、「涙も無視して泳いだ」と表現されている歌詞がありますよね。私なんかもそうなのですが“言っていることはわかるけど、その感覚を経験したことがない!”という読者に向けて、解説をお願いできますでしょうか?

加藤隆志:なるほど。

谷中敦:その質問も勉強になりますね。
これは泣きながら泳いでいるという感じですね。一生懸命泳いでいるから涙なのか、水なのかもわからないそういう無我夢中の感じを表現した内容です。

加藤隆志: 10代や20代の子だってこの経験はきっとしていると思うんです。
20代の前半くらいまでって、可能性に対してひたすら追い求めている時期だと思うし。挫折したりとか、これだけやってもここまで結果として出なかったなとか、そういう事も付き物だと思うんです。でも明日はあるし、明日も生きていかなきゃいけない。
涙を無視して生きていかないといけない事は実は沢山あるんですよね。

「大きな 仕事も」っていうフレーズでは「仕事」って書いてあるけど、サラリーマンだけじゃなくて若い世代の子だって戦っていると思っています。
僕も子供がいるからわかるけど、そういう世代の子も毎日何かに戦っているんですよね。今の子って、SNSがあるから僕たちの時代よりもっと複雑な事情が多いと思うし。
自分の居たい場所に居られずに、涙を飲んで次の居場所に向かっていかないといけない事もあると思います。

10代とか20代の方にとって僕らはお父さんの世代ですが、大人になっても同じような事はその先にも待っている。でも、僕らはみんなの倍以上生きているから「大丈夫、大丈夫」というメッセージを伝えることができたらいいなって。


──暖かい…(泣)。

加藤隆志:フェスとかに出るとお客さんは10代や20代の子が多いんですよ。そこで初めて見る人たちに、僕らが何を言えるのかな?っていつも思うんですけど、20年後、30年後もやっているぞ!という所を出すのが、彼等の勇気にも繋がるんじゃないかと思っています。
辞めないで自分の信じた事をやっていったら、こういう事も待っているぞ!という立ち位置でいたいです。

谷中敦:僕らの世代と若い世代の夢っていう感覚は違うと思うんですよね。逆に夢についてどう思います?


今と昔の夢のあり方

──私は、“立派なお母さんになりたい”かなと思います。歌手になりたいとか、石油王と結婚するとか、そういうキラキラした夢はないですね…。

谷中敦:なるほど。僕らの世代は分不相応な夢を見て、そこに向かっていこうという感覚なんです。なので、今の時代の方たちの方が現実的に夢を見ていると思います。それは素晴らしい事だとも思います。
僕らの場合は自分のキャパシティ以上の夢を見て傷つく事を繰り返してここまで来ているので、そのやり方も面白いよっていうことも言いたいです。大変ですけどね。

加藤隆志:そうですね。

谷中敦:今って分不相応が一番カッコ悪いってなっているじゃないですか?自分を自分以上に見せる事とかはやらないだろうし。僕らは背伸びして、カッコつけてでもカッコ付かないのが楽しかったんです(笑)。なのでまた別の夢の考え方があるなと思います。
分不相応でも大きめな夢を見て欲しいなって思う訳ですけど、なかなかそれも大変ですしね。

加藤隆志:僕らの時代は仮面ライダーって本当にいるんじゃないか?って思っていて。仮面ライダーに憧れていたけれど、今仮面ライダーを見ている小学生の視点ってあのタレントさんになりたいな~って思って見ていますよね(笑)


──そうですね!わかります。

茂木欣一:その違いはあるね~。

加藤隆志:“仮面ライダーになりたい”っていう夢は、随分あり方が変わってきてる。

茂木欣一:娘の卒業式で、まさにそれがあった!卒業する人が一人ずつ檀上に上がって、名前を呼ばれると“私は将来こういう人になります!”と一言言って卒業証書をもらうパターンだったんだけど、その内の男の子の一人が名前を呼ばれたら“僕は将来仮面ライダーになります!!”って言ったんです。つまりその役者になりたくて、それを言っている訳で。
僕らが思う“仮面ライダーいるのかな?”というのとは違って、“あの役者さんになりたい”という見方になっているのは面白いなって思います。


出る杭は打たれる時代

──MVでは中学生たちと共演されていましたけど、皆さんが今の楽器を手にしたのもそれぐらいですか?

加藤隆志:そうですね。

沖祐市:中学生かな。

加藤隆志:MVに出てくれた中学生は、僕が始めた頃よりも遥かに上手い子たちでしたよ(笑)

茂木欣一:みんな上手いよね。俺らのときはもちろんYouTubeとかないからイメージだけでやっていて、俺なんか叩き方間違ってるからね(笑)

加藤隆志:右と左が間違っているんですよ。


──え!そうなんですか!!

茂木欣一:手をクロスして叩くのを全然知らなくて。ドラムの写真をただ見つめて、ここにハイハットがあって、ここにスネアがあるから、僕は左手をハイハットの方に伸ばして右手をスネアの方に伸ばすというイメージだけで、教室の机で練習していたんです(笑)。
それである日、テレビで音楽チャンネルが見れるようになったときに、みんな手をクロスしてドラム叩いているから、“俺なんか違うな~”って思ってその時初めて気づいたんです(笑)。
でももう戻れないや!ってね(笑)。完全に勘違いをしていたんですけど…今の時代だとそういう勘違いとかあんまりないかもね!?


──今の時代って、その勘違いがないから自分らしさって見つけづらいんですかね…。

加藤隆志:あ~なるほど!面白いですね。


──YouTubeなり、お手本になるものがすぐ手の届くところにあってしまうから…。

茂木欣一:そうだよね!“これが正解です”って言われちゃうから、そこだけに従って進んで行っちゃう可能性ってあるよね。


──はみ出すとすぐに叩かれますしね(笑)。

茂木欣一:僕等は“はみ出すのはありなんだよ!”っていうのをね、ずっと出していきたいなとは思っています!
収まりが良すぎると悔しくなってくるので(笑)。常に新しい事を作り出していきたいなっていう気持ちでいっぱいですね。

谷中敦:俺らの世代は間違って脱線して走っていても、そのまま道が出来ればいいじゃん!って思っていたから(笑)。

全員:(笑)


──それめっちゃカッコいいです!!!

茂木欣一:そうだよね。最初“これ間違っているじゃん!”って言われてやめちゃうとそれまでかもしれないけど、時間が経ってそこに道が出来るとそれがスタンダードになっているというか。スカパラは、そういう事を怖がらずにやっていかなきゃなって思いますね。そういう夢の見方やモノを提示していくバンドではありたいです。
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