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【ライブレポート】阪本奨悟が届ける歌の綿毛、人々の心に芽吹いた煌めきの一夜


その綿毛は阪本奨悟という名前を持って飛んでいく。


7月に発売したフルアルバム『FLUFFY HOPE』。直訳すると、「綿毛のような希望」となる。その作品を手に、8月から阪本奨悟は東名阪を舞台に「阪本奨悟 ワンマンツアー 2018 SPROUT~綿毛の宴~」を実施。各地で熱い応援の声を受けてきた。アルバムに掛けて言うなら、阪本奨悟の想いが綿毛となり各地へ運ばれ、いろんな地へ根付き、芽吹き始めたということだ。

きっとその花は、また各地から綿毛を飛ばし、もっともっといろんな場所へ広がってゆく…と信じたい。でも、阪本奨悟という花が何時だって輝きを失わずにいれば、その綿毛は阪本奨悟という名前を持って各地へ飛び続けていくのも事実。今は、まだまだその始まりの時期に過ぎないのかも知れない。

いきなり結論めいた書き方をしてしまった。今回のツアーの追加公演として9月29日(土)にラフォーレミュージアム原宿で行われたコンサートは即日ソールドアウトを記録。しかも、本ツアー以上にキャパシティを上げての会場を完売させたように、今、阪本奨悟へ大勢の人たちが熱い視線を注いでいることを、彼は結果を持って証明してくれた。

過ぎ去った夏を連れ戻すように歌った『夏のビーナス』


過ぎ去った夏を連れ戻すように歌った『夏のビーナス』から、ライブは幕を開けた。心地好く弾む演奏を背に、阪本奨悟は軽やかに、何より爽やかな歌の風を吹かせだした。

彼の誘いへ嬉しく惑わされ、気持ちが沸き立つ。観客たちが熱い手拍子を舞台上へ届けていたのも、ときめいた気持ちを阪本奨悟に少しでも投げ返したかったから?? 阪本奨悟は、『夏のビーナス』を通し、告白できないもどかしい胸の内を歌にしていたが、この会場に足を運んだファンたちだって、この歌の歌詞のように「いつの日か君を 僕のものに」したくて、満面の笑顔で想いを返していたんだと思う。いや、そうに違いない。

「もっともっと盛り上げていきましょう!!」、その声を合図に阪本奨悟が力強い声で歌いだしたのが『しょっぱい涙』。もう後悔はしたくないからと、彼はしっかり前を、未来を見据え、『しょっぱい涙』に詰め込んだ想いを精一杯、力一杯の声と想いで届けてゆく。その歌は、目の前の人たちへ向けながらも、じつは自分自身の心へ向けていた。だから阪本奨悟は、自分へ言い聞かせるように『しょっぱい涙』を力強く歌っていたのだろう。

その視線は、虹が照らす未来を見つめていたのかも知れない。


「一曲一曲を大切にしながら歌に込めたメッセージを届けるので、みなさんも受け止める準備は出来ていますか。全部出し切っていこう!!」

何処かウェットな演奏に乗せ、軽やかな声で歌いだしたのが『I Never Worry_~虹の向こうへ~』だ。ひと言ひと言に強く意志や想いを込めながら、しかも彼自身の視線はフロアーを越え、もっともっと遠くを見つめていた。

阪本奨悟の視線の先には、どんな景色が見えていたのだろうか。その視線は、虹が照らす未来を見つめていたのかも知れない。演奏が進むごと楽曲に光が差し込めば、歌声にも熱が沸きだしてゆく。その姿は、希望を見いだし、そこへ向かって走り出そうとしてゆく様にも見えていた。

セッション風に音を絡めるブルージーなアコギの演奏からの幕開け。スリリングな中にも胸のすく爽快さを覚える『オセロ』の登場だ。凛々しい表情と声を魅力にせまる阪本奨悟。心に秘めた雄々しき感情が、その歌声からヒシヒシと伝わってきた。

カラカラな心へ光を射すように、現状を打ち壊し、新しい自分を手に入れようと、阪本奨悟は『カラカラな心』を力強く歌唱。楽曲が進むごと熱を帯びる演奏、気持ちを熱く沸き立たせる歌声、その声は、苦しみから開放してゆく叫びのようだ。高ぶる感情をぶつけるその姿へ、誰もが熱い視線を注いでいた。

僕も、壁ドンするくらいの気持ちで歌います。


「みなさん恋してますか?」。唐突に、阪本奨悟はこんな言葉を投げかけた。「次は片思いの心情を届けたいと思います。僕が歌詞を書くとむっつりな男になってしまうので、この歌は、他の方に作詞作曲をしてもらいました。僕も、壁ドンするくらいの気持ちで歌いますから」。なんとも素直な言葉じゃないか。そんな曲振りに続いて歌ったのが、初披露となる『下手くそなLOVE SONG』。

爽やかな演奏の上で、胸に秘めた恋する想いを心の中で吐き出すように優しく、でも、何処かもどかしさを覚えながら阪本奨悟は歌いかける。

うらはらな心模様と反するように楽曲は軽やかに弾むこともあり、場内から自然と手拍子も起きていた。またもライブで一緒に想いを分かち合いながらも、身体を揺らせる楽曲が生まれた。

アコギを手にたった一人で、演奏した音をその場でどんどん重ねてはループ再生してゆくルーパーという機材を用いて披露したのが、大阪で路上演奏していた頃から歌っていた『Treasure』だ。歌いながら、様々なアコギのフレーズや歌声を重ね、スケール大きな楽曲へ阪本奨悟は作りあげてゆく。

歌が進むごと気持ちにも熱が入れば、重ね合わせた演奏も壮大に広がるように、何時しか楽曲は一人オーケストラのような体を成していた。いわゆる弾き語りではない、一人で、その場の空気に導かれ、そのときだからこそ生まれる熱を封じ込めた楽曲を構築してゆく。その迫力と臨場感は、ぜひ、生で体感していただきたい。


ふたたびメンバーと一緒に演奏したのが、バラードの『会いたくて』。とてもシンプルな、しかも柔らかい毛布のような音色の上で、忘れられない人のことを想い返しながら、阪本奨悟は切々と歌を響かせてきた。言葉を紡ぐように歌うその声は、心へ哀切な痛みを覚えさせる。『会いたくて』を耳にしながら込み上げる悲しみに涙していた人も、きっといたに違いない。

少しずつ光を注ぐように流れたのが『スクランブルドリーミング』。阪本奨悟の歌声にも、次第に力が込められてゆく。何時しかその演奏と歌声は高揚を覚え、大きな感情のうねりを心の中に描き出していった。沸き立つ感情、沸き上がる興奮。そして…。

阪本奨悟と一緒にはしゃげることが人生のピークにも近い楽しさ


「ここから最後まで一気に熱を持って駆けだそう」。きらめくポップなフレイバーをまといながら、ロックンロールチューン『Please me!!』が飛び出した。演奏に合わせ、気持ちもどんどん馳せてゆく。サビでは、会場中の人たちが大きく手を振れば、終盤には阪本奨悟と一緒に「ラララ」と大合唱も作りあげていた。

どんどん大きくなるグルーブ。「もっともっと汗かいていこうぜ!!」の言葉を合図に、『自分らしく生きていたい それだけなんだけど』が飛び出した。まさにタイトル通りの想いを阪本奨悟は力強くメッセージしてゆく。気持ちのエンジンがどんどん熱くなる。もっともっと汗を滴らせるほどの熱をちょーだい!!


その気持ちへ応えるように、阪本奨悟は『人生のピーク』を熱唱。阪本奨悟が、フロアー中のファンたちが、手にしたタオルをくるくる振りまわし、場内に熱風を巻き起こす。阪本奨悟は「七色の風の中で 君といま過ごせることが 泣きそうなほど嬉しい」と言葉を投げてくれた。でもその言葉、そっくりそのまま彼に返したい。僕ら、私たちもまた、熱風の中で阪本奨悟と一緒にはしゃげることが、人生のピークにも近い楽しさなんだもの。

最後に阪本奨悟は、自分自身に磨きをかけるように。何より、みずからを輝かせようと『bloom_~心の花~』を届けてきた。

この歌は、今日を必死に戦う自分次第で明日が輝くことを教えてくれる。会場に詰めかけた一人一人が、この曲を通し自分の心の汚れを洗い流しながら、彼と同じようにみずからへ磨きをかけ、明日を見据えていた。いや、そんな気持ちに阪本奨悟の歌が心を磨いてくれた。


最後に阪本奨悟が叫んだ「好きだよ」の言葉。

アンコールは、デビューする前に路上で歌っていた楽曲『アスファルトに咲く花』を、当時の自分の姿を思い返すように弾き語りで歌ってくれた。その歌を、歌うその姿を、誰もがジッと凝視しながら、心の印画紙に想いを焼き付けていた。

最後は、バンドメンバーと一緒に、阪本奨悟がとても大切にしている『鼻声』を演奏。心をエモーショナルにしてゆく幕開け。だが、楽曲が進むごとに歌や演奏が持つ熱が膨らみ、今にも感情壊れそうなほどの熱気と心揺らす高揚を与えてくれた。

最後に阪本奨悟が叫んだ「好きだよ」の言葉。むしろ、その言葉、そっくりそのままお返ししますから (笑)。

彼が綿毛の一つ一つに乗せた想いは、また新たな花を咲かせる。

舞台からの去り際に、阪本奨悟は両手を大きく広げ、たくさんの綿毛を会場中へ蒔いていった。彼が綿毛の一つ一つに乗せた想いは間違いなく会場に居た人たちの心に根付けば、また新たな花を咲かせてゆくことだろう。

この綿毛、ここの記事を通し、もっともっと広がっていけたなら…えっ、どうすれば綿毛の模様を綴った文章が広がるかって、それは簡単なこと。ツイートボタンをポチッと押してくれれば良いことだからさ(笑)。


TEXT:長澤智典
PHOTO:木村泰之

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