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【インタビュー】WEAVERのDr河邉徹が綴る小説「流星コーリング」の背景とは (2/3)


『栞』に描いた世界観を、仲宗根泉さんなら表現してくれる

――楽曲の中へ、どこまで物語のニュアンスを反映してゆくのか。そのさじ加減は、確かに難しいところだろうなぁとは感じます。

河邉:難しいですねぇ。とくに最初に提示した『最後の夜と流星』は、小説を少ししか読んでない人はもちろん、まだ読んでない人でも世界観がわかる楽曲にしたいなと思っていたので、言葉の選び方にはけっこう苦労しました。


――『栞』は、ヒロイン詩織の視点になっていますよね。

河邉:そうです。それもあって、WEAVERとしては初の試みとして女性ヴォーカルをゲストに招いて歌っていただこうという話になりました。そこで、僕らが中学生の頃から聴いていたHYの、しかも僕らの大好きなバラードを歌ってきた仲宗根泉さんにお願いをしました。

幸運なことに以前より交流があり、何より『栞』に描いた世界観を泉さんならあの歌声で絶対に表現していただけると思いました。泉さんが僕らのオファーを快く受け入れてくださったことも嬉しかったんですけど、レコーディングを終えて歌声を聴いたら、想像以上の仕上がりで僕らはすごく感動していました。


――『栞』は、『流星コーリング』の連載を読めるhontoのアプリの中で、物語とリンクした形で聴けるんですよね。

河邉:そうです。今回hontoさんとの試みの中、「この物語のこのシーンになると、この音楽が流れる」という仕掛けが出来ることから、『栞』に関しては、「『流星コーリング』の、この部分で流れるように」と決め込んだうえで、詩織の心情を描いた『栞』を作りました。だから小説と合わせて『栞』を聴くことで、さらに「この物語のここの部分のこの心情には、じつはこういう想いもあったんだ」と気づける。いわゆる、物語では語られてない詩織の心情も見えてゆく形を取りました。


――それ、とても画期的な小説や楽曲の楽しみ方です!!

河邉:そうやって、もっともっと僕らと読み手の方の心情を深いものにしていきたかったんですよね。

広島で人工流星を降らせるのなら、この小説を読んだみんなと一緒に観に行きたい。

――ところで、なぜ舞台が広島だったのでしょうか?

河邉:『流星コーリング』はフィクションなんですけど、じつはリアルなところもあって。この小説の中には「人工流星」という言葉が何回も出てきます。その人工流星を実際に研究している会社があって、今のところの予定ですが、2020年に広島で人工流星を降らせる実験をしようという計画を進めています。

その話を聞いたときに、それを物語の題材にしたいなと思ったことから広島を舞台にしました。もし本当に2020年に広島で人工流星を観ることができるなら、この小説を読んだみんなと一緒に人工流星を観に行きたいじゃないですか。



――それで、先に小説で人工流星を降らせちゃったわけですね。

河邉:降らせましたね(笑)。広島県にはツアーで何度も行ってますが、舞台を広島県と決めてから、物語にも出てくる宮島などいろんな場所へ実際に足を運んでは、さまざまなことを調べたり、地元の人たちの暮らしぶりの話を聞いて、そこで得たり感じた想いも、リアルな地名や風景を交えながら書いています。


――河邉さんが感じている、音楽と小説の違いも改めて教えていただけますか?

河邉:歌詞って、音楽と相まることですごく重みを持っていくものだと思うんです。たとえば、出会って5分後に「好きだよ」や「愛してる」と言うなんて絶対におかしい話じゃないですか。だけど歌の世界でなら、5分の中で「愛してる」と言っても通用するどころか、強い説得力を持って胸に響く力を持っているんです。

その言葉の持つ力を増幅させてゆくのが音楽であり、同じく、言葉に羽根を生やし、遠くまで想いを飛ばしてゆく力を音楽は持っているなと感じています。小説は世界観や想いを深める表現なら、歌詞はひと言の重みを大事にさせる表現だなと感じています。


――現状では、第二弾楽曲となった『栞』の発売ですが、小説の展開に合わせ、第三弾と第四弾でどんな曲たちが流れてくるのか楽しみにしています。

河邉:この取材の時点では、これから第三弾を制作するので、自分でもどんな楽曲が生まれるのか未知数ですが、小説を読んでいる方が世界観に浸れる楽曲を届けようと思っているので、楽しみにしていて欲しいなと思います。

次ページ : 物語のその部分と詩織の心情を重ねあわせていきます

2007年、3ピース・ピアノバンド『WEAVER』としてライブハウス神戸VARITを中心に活動をスタート。 2009年10月にデビューダウンロードシングル「白朝夢」にてデビュー。「Hard to say I love you~言い出せなくて~」は初めてのパッケージシングルとなり、フジテレビ系ドラマ「素直になれなくて」 ···

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