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希望や願望を削ぎ落として残ったのが「欲望」
――6枚目のニューアルバムとして『欲望』をリリースされますが、タイトルだけ見るとかなり力強くてギラギラした雰囲気だと感じました!吉田結威:そうですね。言葉だとそういう印象になるかもしれないですね。僕らの中では実は少し違うんですよ。今までは希望とか願望とか、みんなで共有できるキラキラした想いを歌にしてきていたんですけど、来年10周年を迎えるにあたって気持ちを新たにしたかった。
この10年間、僕らはミュージシャンとして何をやってきたのか?何を残せたのか?が、今の自分たちの生きるテーマになっていて。その希望や願望では届かない場所だったり、もうちょっと自分の中にある深い気持ちみたいなものを描きたくて。その希望とか願望を削ぎ落として、削ぎ落として、磨いていったら純粋に欲望が残ったっていう事なんです。全然違うものっていうよりも、希望や願望の中にある純粋な気持ちが、僕らにとっては欲望だったんです。ギラギラというより、よりピュアなものっていう印象ですね。
――タイトルだけで、惹きこまれるなと思いました。
山田義孝:大人になればなるほど、欲望って蓋を閉じがちじゃないですか。生きるための大事なエンジンのような気がするんですよね。だからすごい、曝け出すっていう意味ではこういう言葉がしっくりくるなと思います。
――『欲望』の歌詞に、「ダメなんだよ終われないんだよ」っていう歌詞がありますが、ここは今のお二人が一番言いたい言葉だったりされますか?
吉田結威:そうですね。その言葉の通りです。僕らは高校の同級生なので、二人で楽しい音楽をやるっていうのが一つのゴールなんです。でもやっぱり、10年活動している中でもっと大きなステージで、もっとたくさんの人の前で歌を歌って感動をしてもらいたいし、自分たちも音楽で感動したいという想いが、ここ最近増してきて。今までは楽しく音楽をやるという事で、ゴールだったんですけどこのままじゃ終われないなっていう事が、ここには書いてあります。
――そうなんですね。「これ以上無理だと誰かが叫んでる」はどんな意味が込められていますか。
山田義孝:自分の心の中にいる葛藤や、“もういいんじゃない?”“そんなにしてまでいくの?”っていう心の中の一部ですね。
吉田結威:誰かに届けるためじゃなくて、自分のために歌っているはずなんだけど、最後の最後には誰かに聴こえていて欲しい。届いて欲しいという気持ちも少なからずあるんですよね。
――「散らばった憧れの残骸」というフレーズがとても印象的でした。
吉田結威:今まで自分を飾ろうとか、こういう風に見てもらいたいっていうのがあって、自分たちでも気付かないうちに自分たちを着飾っていた部分があったんです。本当の事を歌おうとして、着飾っていたものがどんどん脱ぎ去っていて、メッキが剥がれていく。
今まではそれにすごく憧れていたのに、それを脱ぎ捨てて残骸を見たときに、それまでは大事だったんだけど、今一番大事なのは、そういう憧れではなく丸裸の自分の中にある言葉や感性だなって思ったんです。なので、そこはそういう気持ちで作っています。でも聴いた人がそれぞれ感じてもらえればいいなっていうのが一番なんです。
――なるほど。
吉田結威:今作は自分語りというか、こういう風に聴いて欲しいなっていう気持ちを削ぎ落としたんです。この年代に刺さればいいな!とかじゃなくて、自分たちが35年間生きてきた人生をこのアルバムで歌えたらいいなって思って作ったんですよね。意外とこういう人たちにも刺さるんだな~とか発見があるぐらいで、今まで作った作品の中でも作為みたいなものを省いて制作しましたね。自分の気持ちではあるんですが、それぞれ受け止め方はあっていいかなって思っています。
――『欲望』を最初聴いたときに、背中を押される!という気持ちになれたんですよね。
山田義孝:おお。頑張っていこうという言葉よりも、頑張っている姿を見てもらうじゃないですけど。誰かのために作る曲ってほとんどないんですよね。僕らの曲を通して誰かに響けばいいなっていう想いがあって。自分の背中を押してくれる言葉っていう風に言ってもらえると嬉しいですね。
――メロディーに関してお聞きしたいのですが、『欲望』はサウンドが先ですか?
吉田結威:実はこの『欲望』という曲は、アレンジも歌詞もほぼ完成していて、全然違う恋愛の曲だったんですよ。『欲望』は最後に作ったんですが、タイトル曲として『欲望』を制作しようって思ったときに、前に作った曲が頭に鳴っていたんです。
でも歌詞が違うから“どうしよう”ってなっていたときに、今なら元々あった恋愛の歌詞を越えられるような気がしたんですよね。普段はそういうことはしないんですけど、この曲のアレンジを変えて、歌詞も変えて書き直したいって伝えたんです。前の曲はみんなも気に入っていたし、僕もすごく好きだったんですけど、今はそれを超えると確信していたので変えました。
――映画のエンドロールになりそうな程、鳥肌がたつメロディーだと思いました。
吉田結威:おお。僕も10年やっていて初めての事だったので、その『欲望』っていうタイトルから過去の曲の構成感だったり、世界観をすごく使いたいのが新しい試みで。結局それで前の構成を越えられなかったら“どうしよう?”っていうプレッシャーもあったんですけど、そのときは11曲ぐらい他の曲が既に決まっていたんです。
『欲望』っていうアルバムに対しての想いが二人とも固まっていたので、後はストレートにするだけで。他の曲も『欲望』っていうタイトルにふさわしい気持ちが随所には入っているんですけど、ど真ん中に『欲望』を切り取った歌を作れるなって自信があって良かったですね。
吉田山田が好きな女性の下着の色…?
――2曲目の『Color』は男の欲望を詰め込んだ作品ですね!なんでまたこんな形に…(笑)吉田結威:こんなになってしまったのか…(笑)
山田義孝:実は僕、絵を書くのが大好きなんですけど。日常的に色ってすごく大事でテンションを上げるのも、下げるのも色が左右するんですよね。音遊びから始まった曲なんですけど、昔1年間大きなキャンバスに1日一色その日の気持ちを色にして、1年分の色を集めるっていうのをやっていたんです。
それもあって、この曲は自然と出てきて。恋をしたときって、華やかなピンクもあれば落ち込んだときは紫や灰色もある。そんな事をあんまり直接的じゃなく、ユーモアを交えながらやっていた原型を作っていたんです。そこから歌詞を二人で変えていったんですけど、“この女性のブラの色はこの色でいいのか?”とか“もっと女の子を酔わせた状態のストーリーの方が良いんじゃない?”とか、そういう話をずーっと喋りながら作ったなっていう歌ですね。
――元は色から派生した曲だったんですね!
山田義孝:純粋な頃のギラギラ、抑えきれない溢れた色を曲にしたくて。その当時の気持ちになりながら書きました。
吉田結威:僕はあんまり、こんな下品な事は思ったことないですけどね (笑)
山田義孝:絶対あるよ。なんでカッコつけるんだよ(笑)
吉田結威:もっとキラキラした感じだよ。
山田義孝:なんでそこで欲望を隠すんだよ!
全員:(笑)
――『Color』の歌詞では、女性の下着の色を男性が想像していると思いますので吉田山田さんの好きな下着の色を教えてください(笑)
全員:(笑)
山田義孝:パステルブルー!!
――その理由は…?
山田義孝:あんまりエロ過ぎないから!!!
吉田結威:あの…うっすい素地のレースの…。フランス人がつけているワイヤーが入っていないタイプの…。
山田義孝:色だよ!!(笑)聞かれてんの色だから!
吉田結威:全体がレースっぽくて、紐の所も分厚い感じの…。明るいクリーム色ですね!!
――吉田さんのは想像できないですね(笑)
全員:(笑)
――罰ゲームみたいになっちゃいましたね…!!
山田義孝:罰ゲームみたいですよ!!(笑)
――話は戻りますが、『Color』はただのエロさではなく、カッコよさがある楽曲ですよね。
山田義孝:そうですね。基本的には不埒な感じがするんですが、すごく純粋な欲望だと思うので。それに慣れていく方が、逆に純粋じゃないと思います。楽曲もカッコよくって!!
――歌詞を作るときは、お互いの女性像を言い合った感じでしょうか?
吉田結威:そうですね。それぞれしてきた恋愛も違うんですが、お互いにリアルなものにしたいっていうのは一緒だったんです。リアルに描くけど、どちらから見たらそれはすごくフィクションっぽくて。“自分から見たらこれがリアルなんだよな”っていう自分たちの話をしたり、どこがどうリアルなのかも話し合ったりしました。
恋愛の曲だったらそれぞれの感性で良いと思うんですけど、歌を二人で歌うってなると納得できる、できないがあると思う。基本的には、山田が作った曲なので山田主導で良いと思っていますね。
――お互いで話し合われたんですね!
吉田結威:下品になりすぎず、本当の事が歌えてないと違う。みんなキラキラしている恋愛をしているばっかりではないので、ダサくてかっこ悪くて、計算したはずなのにすげーカッコ悪いっていう事もみんな経験していると思うし。その辺がちゃんと描かれていないと嫌だなって思っていました。でも山田が残してくれた原曲を活かしましたね。