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【インタビュー】書いた本人も切なくなる!奥華子『クリスマスの夜』の歌詞について (1/2)

10年ぶりのクリスマスソングとなる『クリスマスの夜』を11月にリリースした奥華子。その切なくなる歌詞の話や、リリースを決めたきっかけについてお伺いしました!

奥華子、10年ぶりのクリスマスソング『クリスマスの夜』

──UtaTenです、よろしくお願いします!

奥華子:お願いします。私もよく活用させていただいています。自分の歌詞を見たりもしています(笑)。


──『クリスマスの夜』が配信リリースされたということですが、おそらくクリスマスソングは10年ぶりくらいですよね?

奥華子:そうですね。



──この曲を書くきっかけは、リアルタイムな経験が反映されていたり?

奥華子:実は、そういうのは全くないんですよね。


──では今回クリスマスソングを書こうと思われた経緯について伺ってもいいですか?

奥華子: 2018年は、はじめに、『願い』という曲を配信リリースしただけで、ツアーもアルバムもしなかったんですね。何もないしフルマラソンを走るか、というよく分からない流れになり。11月にフルマラソンを走ったんですけど。


──フルマラソンって42,195kmですよね?

奥華子:そう。全く運動をしているタイプでもないんですけど、あるラジオ局ですごく誘われていて。ポニーキャニオンの方でも皆で「俺たちも走るから!」となって、決心したんですよ。
そしたら、だんだん、この年が終わっていくにつれて、「奥華子は、2018年、マラソンだけで終わっても良いのか?」「いやいやいや、良くないです。」「じゃあ、曲を作ろう」となって。じゃあ、クリスマスソングを作ったら良いんじゃないかと、時期的なものもあり明確な目標ができました。


──意外な流れですね!全く想像もつかなかったきっかけです。もし、この曲が最近奥さんの体験された出来事だったりしたら、逆にどこまで触れていいのかなぁと思っていたので(笑)。

奥華子:あまりないですね(笑)。最近は、そんなに自分の実体験だけで作ることは。この曲も感情の部分では実体験ではあるのですが、設定はフィクションだったりします。


──この曲はきっと、リアルタイムで体験した方が聞いたら、辛すぎるんじゃないかなって思うくらい染みる…。でも完全にこの冬のお供になることは決定ですよね。

奥華子:この冬のお供(笑)


──この主人公は男性かと思うのですが、男性とお相手の2人の間のストーリーの設定みたいなものは、奥さんの中に明確にあるんですか?

奥華子:そうですね。失恋したときって、すごくつらいし、相手の幸せを願えるなんていう余裕はないし、悲しみに浸るじゃないですか。だけど、クリスマスって、すごく街もきれいで、一年に一度の大切な日で。私にも特別な思いがありますね。
若い頃から、学生の頃から、クリスマスまでに恋人を作るみたいなの、あるじゃないですか。そういう意味で、“クリスマスの日くらいは、皆が幸せになったら良いのに”という思いがあって。だから、主人公の失恋をした「僕」も、彼女は一度は想い合えた人だから。彼女の幸せを願える、そういう自分になりたいという願望が表れています。そういう自分になれたら良いなと。


──クリスマスというテーマがあったから書けた、失恋ソングだけど前向きな感情、ポジティブな部分なんですね。

奥華子:「今日は願うよ」ってあるんですけど。クリスマスだから願えるという。でも、明日になったら分からないけど。その儚さや危うさを表現したくて書きました。


──素敵。私は、絶対に相手の幸せをぜんぜん願えないタイプなんですよ(笑)。

奥華子:それは私もそうですよ(笑)!皆、そうだと思いますよ。


──でも確かに、“クリスマスだから”って特別な意識が芽生えるのも、経験はないですけどなんとなく分かるかもしれないです。

奥華子:何をしていても、結局、思い出しちゃって、つらくて。そういう自分が嫌で。でも、せめてクリスマスくらいは、彼女の幸せを願える自分でありたいという。本当に逆に強がりがつらいという感じですかね。


──日本って、クリスマスはカップルのものという感じがなんとなくあるじゃないですか。だから、メリークリスマスって口をするのに、この主人公はどれだけ勇気が必要だっただろうと思っちゃいました。

奥華子:たしかにそうですね。


──聖人みたいな人ですね。クリスマスだからという意味で、相手の幸せを願えるというのは。もしかしたら、この人はサンタさんなのかな、と。そのくらい良い人なのかも。

奥華子:「僕は君が好きだよ」と認めた上で、「だから君よ幸せになれ」というのが、あまりにも反するところがせつないというか。そこが大事というか、肝になっているかなと思います。


──「僕は君が好きだよ だから君よ幸せになれ」ってなかなか言えないですよね。つらすぎますね。

奥華子:そうですね。


──例えば、今、この主人公と同じような状況にいるリスナーがいるとしたら、どんな気持ちになってもらえたら嬉しいですか?

奥華子:この曲を聞いてこうなってもらいたいというのは、この曲に限らず、あまり思ったことがないんですけど。でも、せつない思いや失恋をしたときって、私は、あまりハッピーな曲よりも、失恋ソングを聴いてじっとりしたい。とことん泣いて、浸りたいんです。けど、どっちかというと、ハッピーではない人にも寄り添えるかなとは思っています。ハッピーというか、失恋をした事がある全ての人にも聴いてもらいたいです。


──そうですよね。私も、割と悲しいときに、自分をもっと悲しくさせちゃいたいタイプです(笑)

奥華子:私もそうです。


──そういうところにも寄り添える曲ですよね。作曲についても伺いたいのですが、『クリスマスの夜』は、歌詞とメロディー、どちらがから書かれたんですか?

奥華子:歌詞から作ることはほとんどなくて。だいたいサビの部分を、ピアノの前に座って、詞と曲を同時に作っていますね。自分の中に、“これだ”と思うものができるまで探していって。核となるサビの部分ができたら、メロディーの続きを作って。最後に歌詞を書くという感じです。だから、はじめは、同時に肝となる部分を作るという感じです。


──今回は、さらに、それにプラスしてクリスマスというテーマが元々あって。

奥華子:そうですね。どんなクリスマスソングにしようかというのをイメージしながら、ピアノに向かって、作っていくという感じですね。



──ピアノでデモの段階を作っていく時点で、アレンジのイメージまでされているんですか?

奥華子:いろんなパターンがあるんですけど。今回の曲は、あまりそこまでイメージしていないで、曲を作っていって。そしたら、ディレクターの方が、「この曲をアレンジしてみようよ」と言ってくれて、「良いですね」と。
だから、正直、自分の中で弾き語りの状態のイメージと、今回アレンジしてもらったイメージは、けっこう変わったので。コード感とかまで変えてもらったんですけど、そういうことは今まであまり多くはないんですよ。でも、奥華子っぽさを残しつつ、ちょっと新しい要素を加えてもらえたというのがすごく新鮮で。他のアレンジャーさんにやってもらう良さを感じられました。


──なるほど。そのアレンジャーさんとは今回ご一緒されるのが初めて?

奥華子:はい、初めてお願いしたんですけど、楽曲提供をさせていただいていた声優の竹達彩奈さんの楽曲のアレンジをされている方が小林俊太郎さんという方で、そのアレンジがとても素敵だったので、奥華子の曲もいつかお願いしたいなというのは思っていたんです。


──今作のアレンジが出来上がってきたときの印象はどうでしたか?

奥華子:アレンジでこんなに変わるんだ、と思いましたね。ピアノのコード感とかで、おしゃれなコードを弾いてもらっているので。私はあまりコードを知らないで作っているので、すごく新鮮でした。


──奥さんはピアノで曲を作られるということでしたが、コード進行を意識して作っていくというよりは、メロディーラインが浮かんでいるような感じなんですね。

奥華子:そうです。だから、ピアノで弾いて、楽譜になるじゃないですか。楽譜になって、コード進行を見て、こういうコードなんだとあとで知るんですよ。


──それは意外でした。音楽的な計算がされているというよりは、完全に感覚というような。

奥華子:そうです。人生自体がもう全部感覚(笑)本当にそんな感じですね。

奥華子流、クリスマスの過ごし方

──アーティスティックですね。では続いて楽曲のテーマになぞって、クリスマスのお話をさせていただきたいのですが、例えば最近失恋をして、1人でクリスマスを迎えないといけないという人におすすめのクリスマスの過ごし方ってありますか?

奥華子:クリスマスかあ…。


──私だったらたぶん完全に閉じこもって、クリスマスというものが自分の世界に入ってこないようにシャットダウンします。『クリスマスの夜』の主人公のように聖人みたいな考え方にはなれないし、カップルを見て「くそー!何いちゃいちゃしてんだよ!」と思っちゃうだろうから(笑)。

奥華子:なるほど。失恋したてだったらそうなるかもしれないですけど。やっぱり、友達とか、恋人じゃない飲み友達とか、女友達とか、そういうときこそすごく大事だなと思っちゃいますよね。そういうときこそ助けてもらえるというか。


──そういうときこそ友達に対しては、彼氏がいても私のところに来てねと思っちゃう。

奥華子:相手に誰かがいたらまずいですよね(笑)。そこが、大人になればなるほど、人がいなくなっていくんですよ。


──家族を持ったり、子どもができたら、絶対にそっちが優先ですもんね。

奥華子:そうなんですよ。問題は山積みですね(笑)


──その問題にどうやって向き合っていけば良いんでしょうね。悲しいクリスマスは悲しいクリスマスとして過ごしてみるのもありかもしれないですね。曲に浸って。

奥華子:でも私は、クリスマスは曲作りとか、そういうことをして毎年過ごしている気がします。(笑)
大晦日もお正月も。年のはじめに『願い』という曲を配信したんですよ。去年のお正月と大晦日は、その曲を1人で録音していましたからね、自分の家で。しかもペヤングソース焼きそばを食べながら。


──イベントごと皆無なんですね…

奥華子:でも別につらいと思っていないんです。早く仕上げなくちゃみたいな。そこが麻痺しちゃっていますね。忙しくするのって大事だと思います。


──そうですね。他のことで気を紛らわせるじゃないですけど。

奥華子:そうですよ。それこそ、関係ないですよ、クリスマスとか。


──たしかに。歳をとればとるほど、クリスマスにそんなにキャピキャピすることなんて。それこそ、ハロウィンなんてもうないし。イベントごとにワクワクしなくなってきました。

奥華子:ただ、すごい、めっちゃ高いものを自分で買っちゃうとか。それで満足する。


──今年のクリスマスは、何か自分にプレゼントの計画をしていますか?

奥華子:そうですね。私、通販番組が大好きなので毎月いろいろ買っていますね。特にクリスマスに…というのは決めていないですけど。


──ご褒美的な。

奥華子:大事ですよね。自分を甘やかすのは得意ですから。


──最近、ポチッたものはありますか?

奥華子:色々ありますよ。最近、買って良かったのは、足マッサージ機ですね。めっちゃ良いです!使わない時は足を置けるオットマンにもなるし、椅子にもなるし、マッサージ機にもなるし。常に置いておいて、やりたいときにやれて、でも見た目はかわいいものが一番良くて。それがあったんですよ。


──マッサージ機って高いですよね。

奥華子:でもそれは安いんです。良いお買い物ができました。


──さみしい皆さんは、自分にクリスマスプレゼント、ちょっとしたご褒美を買うのもおすすめですね。

奥華子:そうですね。


──配信だからゲットしやすいし、『クリスマスの夜』も気になったらすぐにポチッと。

奥華子:お願いします(笑)。衝動買いしてください。

>>配信リリース『クリスマスの夜』をポチる<<

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シンガーソングライター。千葉県船橋市出身。 路上ライブをきっかけに2005年にメジャーデビュー。アニメーション版映画「時をかける少女」の主題歌『ガーネット』で注目を集める。 聴いた瞬間から心に染み入るメロディと歌詞、失恋を歌ったバラードからコミカルなCMソングまで、まっすぐな歌···

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