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ボカロ有名曲の歌詞がたくさん登場!「砂の惑星」の歌詞の意味!

初音ミクを使った「砂の惑星」の魅力をじっくりと紐解いていきます!歌詞の意味、その裏に隠されたメッセージ性が気になっている方は多いはず。これを読めばあなたの疑問が解決するかもしれませんよ!
ハチによる大人気ボカロソング「砂の惑星」。初音ミク、VOCALOIDを題材に作られている曲で、その深みたるや、聴いた人の心を掴んで離しません。

おしゃれで現代的なサウンドもかっこいいですよね!

この記事ではそんな「砂の惑星」の魅力にグイッと迫ります!
作者やMVにも触れていきますよ!

砂の惑星とは

「砂の惑星」はボカロP、ハチが2017年7月21日に公開した初音ミクを使った楽曲です。
前作「ドーナツホール」から約3年9ヶ月振りの投稿ということもあり、すぐさま話題になりました。

ニコニコ動画では約5時間半で10万再生を達成、その後、1週間とかからず100万再生、2018年現在では560万再生されています。YouTubeでも公開されており、こちらはなんと3300万再生以上!とんでもない人気作品ですね。

初音ミクを使った創作文化を体感できるイベント「マジカルミライ 2017」のオフィシャルアルバムにテーマソングとして収録されています。



作者はハチこと「米津玄師」

作詞作曲をしたのはボカロPハチですが、彼にはもうひとつの顔があります。
それが、米津玄師。

HondaのCMソングに起用された「LOSER」やドラマ「アンナチュラル」の主題歌である「Lemon」など、数々のヒット作を生み出した、超人気シンガーソングライターです。ハチという名前は知らなくて、米津玄師なら分かるという方もいらっしゃるのでは?

もともとはバンドマンで、2009年頃からVOCALOIDを使った楽曲をニコニコ動画で発表し始めました。「マトリョシカ」や「パンダヒーロー」などのヒットを受け、ニコニコ動画を代表するボカロPに。

2013年にソロシンガーとしてメジャーデビュー。独特でおしゃれな曲調とやわらかい歌声、そして曲に込められた深いメッセージ性が受け入れられ、今では日本中から注目されているミュージシャンです。

また、CDジャケットや動画などで見られるイラストも自身で描いています。これまた独特なタッチで、曲の雰囲気とばっちり合っているものばかり。とても多才な人物ですね!

▶▶【神曲25曲】ボカロおすすめ人気ランキング!名曲と歌詞を厳選紹介

皮肉にも感じられる意味深なメッセージ性



ここからは「砂の惑星」の魅力に迫っていこうと思います!



まずは曲のメッセージ性から。
歌詞の内容についてはあとでじっくり触れていきますが、非常に意味深な言葉が多い作品です。



冒頭の歌詞を抜き出してみました。
この曲にはニコニコ動画やVOCALOIDを使った数多くの作品についての、ハチの思いが込められています。

そこで最初から「何もない砂場」「しょうもない音」など、なかなかネガティブな言葉選びがされていますね。これがファンや聴いた人の間で「どういう意味だ?」と議論を呼びました。

ハチ本人は「自分が一番ボカロPの活動をしていた頃と現状を見比べて考え、今の自分にできる形で表現した」という風なコメントをしています。

この歌詞をどう捉えるか、今の自分にどう当てはまるかをどうしても考えてしまう、そんな意味深なメッセージ性が込められた作品だからこそ、多くの人に聴かれています。


クールなサウンド、歌いたくなるメロディー


メッセージ性もさることながら曲自体、とてもかっこいいですよね!

ゆったりめなテンポですが様々な音色が使われていて、聴き飽きることがありません。バンドサウンドではなく、しかし打ち込みシンセサイザーっぽい作りでもない。音楽に詳しい人ならちょっと不思議な気持ちになるはずです。ジャンル分けが難しい。

これはいわば「ハチサウンド」と言えますね。彼にしかできない、彼だけの音楽です。

そしてメロディー!言葉数が多く、まるでヒップホップのようです。曲のクールな雰囲気とぴったりハマっていますね。

しかし、サビでの楽しげな「イェイ」。友達と行くカラオケで、みんなで一緒に歌いたくなります。

VOCALOIDらしい高速フレーズと合唱したくなる合いの手。歌いきれると本当に気持ちが良い曲ですよ!


VOCALOIDの未来を思う歌詞

ではここからは歌詞の中身を見ていきましょう!
上にも書いた通り、「何もない砂場」から歌詞は始まります。

現在の(公開の日時を考えると2017年頃の)ニコニコ動画、VOCALOID文化などを「今後千年草も生えない 砂の惑星さ」と表現しています。「草も生えない」は笑った時に使うネットスラング「草」からきています。ということで「草が生えない」=「笑えない」となります。

笑えないような状況だと、暗に示しています。



さらには運命がすり減り、衛星は墜落。砂の惑星には「立ち入り禁止の札」が立ち並びます。
ハチがボカロPとして精力的に活動していた頃は、VOCALOID文化や動画サイトなどが成長途中の時期です。今では当たり前になったYouTuberなどの数も少なく、まだまだこれから、という感じでした。

しかしそういう時期だからこそ、ある意味自由ではありました。ジャンル開拓が精力的に行われていたので、みんながみんな切磋琢磨、自分なりの表現を探して、文化を発展させていました。

その頃活動していた人からすると、現在の成熟したネット社会、VOCALOID文化は「やり尽くされた」と感じているかもしれませんね。




VOCALOID「初音ミク」は2007年に誕生しました。「砂の惑星」が公開された2017年でちょうど10周年。

10年…って長いですよね。発売当時10歳の小学生だった人なら、もう成人です。最近はボカロ曲聴いてないな…という方も中にはいらっしゃるでしょう。でも「君が今も生きてるなら」ぜひ応えて欲しい、今でも好きな人、久しぶりに聴いた人、とにかく「君」の言葉が欲しいと書かれています。




「サンゴーズダウン」はつまり夕日のこと。今日が終わります。
楽しかった今日ですが、お別れをすると「元どおり」の関係になります。
人に曲を聴いてもらうことは、直接話せる友達ができることではありません。曲が聴き終わると作者と聴き手の関係はいったん終わります。

でも誰かに自分の曲を聴いてもらえるのは嬉しいことです。作り続ければ、また作者と聴き手の関係が生まれます。

「思いついたら歩いていけ」新しいもの、やりたいことを思いついたらそこに向かって進んでいけ。もしかしたら、次にやりたくなるのは曲作りではないかもしれませんね。でもどういう形であれ「心残り残さないように」後悔のないようにしよう、と歌っています。



でもまだ日は暮れていません。今は「今日」が終わる直前です。
だから、この曲を聴いてくれている間は「友達でいようぜ」ということです。




「ハッピーバースデイ」は初音ミクの10周年のことですね。思い思いのお祝いをしようという意味です。

「そうメルトショックにて生まれた生命」このあと書いていきますが、この曲にはVOCALOIDの有名曲に関係する歌詞がたくさん登場します。その大元、初音ミクが使われた楽曲として最初期に流行した「メルト」がまずここで出てきます。

▼メルトの歌詞を見る


そして畳み掛けるように、こちら。





ここに出てくる楽曲を書き出してみますね!

【ねえねえねえあなたと私でランデブー?】
=「マトリョシカ/ハチ」

【今だパッパパッと飛び出せマイヒーロー】
=「パンダヒーロー/ハチ」

【ぶっ飛んで行こうぜもっと】
=「え?あぁ、そう。/蝶々P」

【エイエイオーでよーいどんと】
=「おこちゃま戦争/ギガP」

【あのダンスホール】
=「ワールズエンド・ダンスホール/wowaka」

【モザイクの奥】
=「モザイクロール/DECO*27」

【太古代のオーパーツ】
=「カミサマネジマキ/kemu」

【光線銃でバンババンバン】
=「千本桜/黒うさP」

【少年少女謳う希望論】
=「チルドレンレコード/じん」

【驚天動地そんで古今未曾有の思い出は電子音】
=「お姫様は電子音で眠る/ハチ」

と、たくさんの楽曲が並びましたが、この辺りに関してはVOCALOIDファンの中では「別の曲では?」という議論もあります。曲の後半のフレーズには、また違う曲を示している、ような歌詞も登場。そうやって「この曲だろう」と考察する楽しみ方もありますね。




音楽には作者の色々な感情が込められています。音楽って楽しい!だけではありません。「戸惑い憂い怒り狂い」のように、ネガティブな思いで作られているものもたくさんあります。しかし、それを乗り越えて生み出された「祈り」つまり音楽たち。「君の心死なずいるなら 応答せよ早急に」ぜひ聴いて、何かを感じ取ってくれ、というメッセージですね。




また聴いてもらえるまで、つまり「仲直り」まで作者は作り続けるよ、という意味合いです。そして「思い出したら教えてくれ あの混沌の夢みたいな歌」。君が昔聴いていた、好きな音楽のことを思い出してくれ、という作り手側の願いが綴られています。もしその中に自分の曲があれば、作者は嬉しいものです。

「誰かが聴いてくれるから音楽を作る」これが商業的ではないVOCALOID文化が発展してきた理由ではないでしょうか。

プロじゃないけど、でも聴いてくれる人がいるから時間を割いて作る。創作が好きな人ならこの気持ち、分かるはず。




昔と今の状況は違うけど、自分(ハチ)からすると砂漠に見えてしまうけれど、でも「林檎の木を植えよう」また緑にあふれるといいな、と書かれています。

「あとは誰かが勝手にどうぞ」ハチ自身がVOCALOID界隈から離れることを言っているように見えますね。


笑えないような状況ではあるし、自分自身もその文化から離れたところへ行く。
でもまた、新しいものが生まれて欲しいと願っている。

「砂の惑星」に込められたメッセージの核心はここだと言えます。



この言葉で曲は締めくくられています。

大変だけども、それでも前に進んでいくVOCALOID文化。ハチの目線がぎゅっと凝縮された終わり方です。

ちなみに公式には発表されていませんが、イントロや間奏で聴こえる英語のような歌フレーズは、ファンの間では「Back to the history and remember when I was born」ではないかと言われています。

意味は「過去に戻って、そして私の生まれた時のことを思い出して」です。
「私」は初音ミクのことでしょう。ただVOCALOIDだけではなく、物作り、創作をする人なら誰しもの心に深く刺さる言葉です。


「砂の惑星」のオススメ歌ってみた動画を紹介

そらる、まふまふ


JubyPhonic


YuNi


男性も女性も、また英語バージョンで歌って方もいらっしゃいます!どれもかっこいいですね!もしカラオケで歌うのあれば、早口のパートで口が回るようにしっかり練習しましょう。

また、原曲を聴くと初音ミクのバックコーラスで男性が歌っています。これはハチ本人が歌っています。このようにデュエットソングとして挑戦してみるのもアリですよ!


映像と歌詞を見比べながら楽しもう

ハイクオリティなアニメーションは南方研究所という映像サークルが手がけています。有名アーティストのMV制作など、多岐に渡って活躍しているクリエイター集団です。ハチとは何度もコラボレーションしていて、そのうちハチ自身もメンバーとして加入しました。

そんな彼らのMVなので、しっかりと「砂の惑星」のメッセージ性が映像の中に落とし込まれています。



歌詞の内容がどう反映されているか、ぜひ見比べてみてください!
さらなる魅力の発見に繋がりますよ!

▼「砂の惑星」の歌詞をもう一度読む


TEXT 荒木若干

この特集へのレビュー

そのほか

S-Momoneko

2024/10/17 22:36

この曲、皮肉だとか残酷だとか言われてるけどさ、事実、最盛期の盛り上がりはないに等しいよ。
今自分小6だけど好きな曲言ってもボカロ好きって言ってもみんなわかってくれない。
そもそもボカロのことすら知らずに曲だけ聴いてるにわかばっかり。
これを乗り越えて新しいボカロの世界を一から作り上げていくっていうのがこれの意味じゃない?
いま見たらドーナツホールで壊したあとの世界観じゃん。
これからの未来を途中で出てきたフラワーちゃん(?)に乗り換えていったPたちもみんなで植えていってるんだ。
林檎が成木になるのは7年近くかかる。今ボカロは成長してるはずだ。実ったんだよ。林檎は。

女性

ちゃんはな

2023/02/03 16:26

ほんとかっこいいな‥ハチさんだから作れる曲だよね。他のヲワカさんとかデコニーナさんとかが作ってもいい曲になるだろうけどハチさんの唯一無二の音楽だよね
口ずさんでいるうちにボカロの歴史を語れるね。こりゃ

女性

歯車

2022/03/23 15:40

attWikiだと「林檎」は林檎売りの泡沫少女子ってなってる…(゜゜)
結局どうなんだろ…?

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