『ウタコク』のテーマは「歌で告白をする」こと
──まずは、『ウタコク』が生まれた背景から教えてください。足立佳奈:『ウタコク』は、AbemaTVさんで放送している恋愛リアリティーショー「今日好き」とソフトバンクさんとのコラボCMソングとして作られた楽曲です。
『ウタコク』というタイトル通り、この楽曲のテーマは「歌で告白をする」ことだと私は思っています。歌詞の内容も、「今日好き」に登場した方々がこれまでに番組内で発した言葉をいろいろと掻き集め、それらの言葉をギュッとまとめあげ、一つの物語として繋げた内容になっています。
──この物語、恋した女性の、「好き」という気持ちがどんどん膨らむ様はもちろん。片思いしてゆく中での心の葛藤や、「好き」だからこそ告白しようとする、そんな持ちの変化を描いていますよね。
足立佳奈 :そうなんです。「もっとあなたとこんなことがしたい」「あなたのこんなところが好き」と妄想の中で好きな人へ語りかける内容から始まり、最後には「良かったら、わたしとつきあってください」と告白してゆく歌。実際に番組に出た人たちが口にした想いばかりだから、わたしも歌いながら胸がキュンキュンしていました。
『ウタコク』の魅力の一つが、「心の中ではめっちゃ」とか「やばいもう」など、今の若い子たちが日常会話で使っている言葉をそのまま歌詞にしているところ。普通、歌にする場合、「めっちゃ」だったら「すごく」や「とても」など綺麗な言葉に変えて表現してゆくところを、日常で当たり前に使っている言葉のままに書いたことで、「より身近に歌を感じれるなぁ」とわたし自身歌いながら感じていたことでした。
──一つ一つの言葉が、どれもリアリティを持っているのも特徴の一つですよね。
足立佳奈:番組に登場した人たちの言葉をそのまま使っているからこそ、どの言葉にもリアリティがあって、どれも嘘偽りのない歌詞なのも、そう感じる要因になっているんだと思います。
『ウタコク』を聞いたら、告白する勇気をさらに高めてくれる
──恋した女の子が告白するまでの心変化してゆく様が『ウタコク』には描かれているように、主人公の気持ちが膨らんでゆく様に触れているだけで、こちらまでドキドキしちゃいます。足立佳奈 :ホント、気持ちの揺れが見えてくる歌ですよね。もし、好きな人に告白したいという想いを持っている人や、これから告白をするという人はとくに、『ウタコク』を聴いたら、その勇気をさらに高めてくれると思います。告白したいけど告白する勇気がなくてという人の気持ちもこの歌が後押ししてくれるように、恋してる人たちみんなへ「よし、僕もわたしも頑張ろう」と『ウタコク』を通して勇気を与えていけたらなとも思っています。
──『ウタコク』は、MVもめっちゃ胸をキュンとさせますよね。
足立佳奈:とくに最後のシーンに登場した、みんなの前で女の子が好きな男の子に告白するシーン。今は、文化祭など学校のイベントのときに、そういうシチュエーションで告白する人たちが増えています。わたしの友だちがそうやって告白されていて、その場を体験したことがあります。
──佳奈さんも、その場面をリアルに目撃したことがあるんですね。
足立佳奈 あります。わたしの中学時代からの友だちが、みんなの前で男の子から告白を受けました。そのときに彼女は、「ごめん、付き合えません。でも、友だちとしては大好きです」と答えていました。
──女性の、相手を傷つけずに振るところが素敵だなぁ。
足立佳奈 :そうすることで、振られた男の子の気持ちのダメージも緩和されますもんね。わたし、『ウタコク』のMVを観ながら、ずっとキュンキュンしていました。わたしは高校時代に部活動の経験がなかったから、部活動を通しての気持ちのやりとりの場面を、「あー、こういうのってなんかいいなぁ」と憧れを持って観ていました。
『ウタコク』のMVは、一組のカップルの恋の物語ではなく、いろんなカップルの姿や、片思いしている男女の姿が、さまざまなシチュエーションの中で次々と映し出されてゆく内容じゃないですか。その中からいろんな気持ちの風景が見えるたびに心がときめきますし、そこがこのMVの見どころだと感じていました。
──そこ、同じ想いを感じました。
足立佳奈:『ウタコク』のMVって、ケーキの上の部分の美味しいところだけを次々食べていくように、美味しいところ取りをした感じの内容だともわたしは受け止めています。