氷結のCM起用ソング
Perfumeの『GLITTER』は、2011年11月発売シングル『スパイス』のB面曲。「GLITTER」は「きらめき」、「輝き」を意味する単語です。キリンチューハイ氷結CMソングだったこの楽曲。それゆえに、振付のラストで「氷」の字を作っています。GLITTER
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一日の楽しみは
誰にも止められないよ
今日も 明日も
白い箱 開けると
いつもの 棚にあるの
キラリ 光るそうさ GLITTER
≪GLITTER 歌詞より抜粋≫
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一日の楽しみ=仕事の後の一杯がやめられないという歌詞ですね。白い箱=冷蔵庫。GLITTERはここでは冷蔵庫にあるチューハイを指しています。「キラリ光る」チューハイの缶が思い浮かびますね。
この曲はこうやってきちんとタイアップソングとしての使命を果たしています。
そしてもう一つ。この曲の発表は2011年後半。この曲には震災復興の意味が込められています。だからMVの最初で「祈って」いる振付からスタートします。
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キラキラの夢の中で
僕たちは約束をしたね
その日がいつかくるまで
泣かないよ 思い出すよキミを
祈って キミと 笑って
≪GLITTER 歌詞より抜粋≫
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歌詞にもある「祈って」。「その日」は復興が完了する日。
「思い出すよ キミを」とあることから「キミ」は、今の時点では会えない存在かもしれない。しかし「キミ」の安泰を「祈って」いる。そして、「キミと 笑って」過ごせる日が来る「その日がいつか来るまで 泣かない」。
「キラキラの夢の中で 僕たちは約束をしたね」のフレーズから「僕たち」の「中」に「キラキラ」した「夢」があることが分かります。
ここで「誰にも止めれないよ」の後に「今日も 明日も」と続くことに目を向けます。「楽しみ」という人の中にある気持ちは、どんな苦難があっても「止められない」。昨日困難なことが起きていたとしても「今日も 明日も」「止められない」。人の中に強さがあることの暗示なのです。
「白い箱」もそう。自分達が本来持っている真っ白な心の「棚」には、「いつも」「輝き」が宿っているという意味なのです。
サビの直前には「立ち上がる のには いるの GLITTER」のフレーズがあります。立ち上がるには=復興するには、自分の中にある「輝き」が「いる」という意味。
すべてのころぶ人たちへのメッセージ
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なんでもきっとできるはず
そんなに簡単に言うけど
だって でもね Uh
やんなきゃきっと変わんない
そんなの大体わかってる
けどね でもね
なんでも順番があるでしょ
そんなに早くと言うけど
だって でもね Uh
≪GLITTER 歌詞より抜粋≫
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これらは全て復興がなかなか進まない厳しい現実を表しています。「なんでもきっとできる」と「簡単に」言ってしまいがちだが、現実は困難の連続。
「でも」「けど」だからこそ、自分達の中にある「輝き」を信じる。そういう歌です。そしてこれは震災だけでなく、全ての「ころぶ」人達へのメッセージ。
自分たちの中にある輝きを
▲GLITTER / MV
Perfume本人達も気に入っているというMVは、「光」を効果的に使うことで、この曲の歌詞や振付が表現する「GLITTER」=自分達の中にある輝きをきちんと捉えているんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)