森恵、2019年3月6日(水)2作品同時発売!
──今回、インディーズ時代の2009年3月25日に発売されたEP『そばに』が10年を経って改めてリリースとなりますが、森恵さんにとって、このEPはどのような作品ですか?森恵:10年前を振り返ると、「誰かのために歌う」っていう意識がすごく変わってきた頃の作品だと思います。自分でギターを弾いて歌って、それが楽しいっていうところからのスタートだったので、やっぱりどこかで自分のために歌っているっていう、楽しいから歌うって部分があったんです。
それが、こうやってレコーディングをしてメジャーデビューを目指しながら活動していく中では、やっぱり自分じゃない誰かのために、応援してくれている人たちのために歌うんだっていう意識がどんどん強くなっていった作品です。
──そうすると、このEPを手に取らずにファンになった方からすると、本当に「よくぞ出してくれた!」っていうタイトルですね。
森恵:今回のリリースはファンの方の声があったからできたことなので、自分がその時思っていた【誰かのために、応援してくれる人のために】という思いが、今のファンの方にも伝わったのかなって。いや、伝わっていたことの証明っていうことだったら嬉しいな、と思っています。
そばに 10th Anniversary Special Edition - 続いて行く日々 -
──たくさんの方に、手にとって聴いてほしいですよね。それと同時に、今回DVDも同時リリースされます。品川のグローリアチャペルのライブ。森恵さんは、ステージでもいろいろなスタイルでパフォーマンスをされていますが、教会でのコンサートというのは、また違った感じじゃないかなと思うのですが、これはどういうライブだったのでしょう?
森恵:もともと弾き語りのライブもあれば、バンド編成のライブもあって、年に一度だけ行っているブラスも入った一番大きな編成の「MY COUNTRY ROAD CONCERT」などいくつかの形態があります。
そうして、いろいろコンセプトを変えてやっていく中で、歌に焦点を一番当てていて、ストリングスだけで打楽器とかもない状態でやるライブってなったときに、声が気持ちよく響くチャペルがいいんじゃないかって考えて、この会場を選ばせていただきました。自分がギターをおろしたときの歌の表現がどうなっていくかというのを、このチャペルでのコンサートを始めた頃にはすごくドキドキしていました。これも年に一回しかないので、そういう緊張感を常にもっていたライブです。
MEGUMI MORI Concert at SHINAGAWA GLORIA CHAPEL - SINGING VOICE 2017 -
桜ってやっぱり、すごく印象的な花だなと思って
──今回が森恵さんのコンサートの映像作品が初めてということで、ファンの方も楽しみですね。そして、このDVDとセットになっているCDに新曲の『桜がさね』が収録されています。聴かせていただきまして、最初のイントロと、途中がまたガラッと変わって、すごくいろんな音色が入っている曲じゃないですか。歌詞の方も「卒業の歌なのかな?」とも一見みえますね。まずは、曲について、どういったものを作ろうと思われたのでしょうか?
森恵:まず私の楽曲の中で桜ソングっていうのが本当に少なくて。『そばに』の中には『ひとひら』という曲があるんですけど、それ以外に桜の曲、春の曲ってすごく少ないので、まずその曲を作ろうと。
そして、作るからには森恵の春の歌といえばこれだよねって言ってもらえるような、大事にしていける曲がいいなっていうところからスタートして、それには日本語の響きとか日本のメロディーラインを大事にしなきゃなという思いで作っていきました。
──それでああいう印象的なイントロから始まり、中盤とラストで違うような展開になっているんですね。
森恵:桜ってやっぱり、咲き始めの頃から、咲いて舞うっていう、咲くだけじゃない景色の移り変わりというのが、すごく私は印象的な花だなと思っています。その景色の移り変わりを表すために、一曲の中で最初と最後の景色を変えたくてプロローグ的なイントロをつけました。
──意識して聴いてみると更に楽しめますね。それでは『桜がさね』の中で、好きな歌詞やフレーズみたいなところがあればお聞かせください。
森恵:好きなフレーズ。そうですね、うーん・・・・・結構好きなところ多いですけど(笑)「人は心がある」っていうところです。心って移り変わっていく、変化していくものですよね。だけど、必ず人の中心に変わらずにあるもの、芯となっているものってあると思うんです。
桜という木も、人生が移り変わっていくところに必ずあるものだと思うんです。。卒業だったり入学だったり出会いや別れの中に、桜の景色が日本人の中にあるので、そういう意味でも「心がある」っていう部分がこの曲の中の芯になっている部分かなと思っています。
そこがあるから、最後の「次の春も ずっとここで きっとここで」っていうところに繋がっていくんじゃないかなと思っています。
──ありがとうございます。曲が進むに連れて、未来へ先へと向かっている楽曲なんですね。聴くたびに去年と違った自分を感じられるような、毎年春になったら聴かれる定番の歌に育っていけばいいですね。