人気ドラマを飾った主題歌
chayの『あなたに恋をしてみました』はフジテレビ系ドラマ「デート ~恋とはどんなものかしら~」主題歌。
chayは「テラスハウス」の出演で有名になったシンガーソングライター。モデルとしても活躍しています。
「デート ~恋とはどんなものかしら~」は、「リーガル・ハイ」で有名な古沢良太脚本のラブコメ。ズレているリケジョの依子こと杏と、高等遊民を自称するニートの巧こと長谷川博己が結婚という契約に向けてデートを重ねるストーリー。
あなたに恋をしてみました
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あなたに恋をしてみました
何でも出来そうな
ああ 力が湧くのは
ああ それは
ああ それは 恋の魔法ね
≪あなたに恋をしてみました 歌詞より抜粋≫
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この歌いだしで始まる歌詞。正直、このような台詞が出るドラマではありません。
ヒロイン依子の特技は円周率2万桁の暗記です。ニート巧のプロポーズの言葉は「僕と結婚して、僕のことを養ってください!」です。「恋の魔法」と程遠いような二人。
でもこの歌はドラマの内容に合っているのです。
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どうして こんなに早く
運命の人に 会わせるの?
恋は 練習不足で
神様は 意地悪ね
≪あなたに恋をしてみました 歌詞より抜粋≫
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この歌詞のような台詞もまず出てこないドラマです。
「愛情などという数値化できない不確定要素を基盤に人生を設計するなんて非合理的」と言う依子。「恋」や「愛情」は非合理的で、お互い愛情がないからこそ「契約」としての「結婚」ができると考える二人の話。
でもこの歌はドラマに合っているのです。
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今日はハイヒール
お洒落したのに 空回りしてく
絶体絶命!
会話も弾まない
≪あなたに恋をしてみました 歌詞より抜粋≫
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「お洒落したのに 空回りしてく」描写はドラマでもありました。頭の変な位置に花をつけて上目遣いという名のにらみをきかす依子が1話で観れました。ようやくドラマ内容にそった歌詞が出てきます。
そしてサビ。
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あなたに恋を始めました
何でも出来そうな
ああ 力が湧くのは
ああ それは
ああ それは 恋の魔法ね
≪あなたに恋をしてみました 歌詞より抜粋≫
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「恋を始めた」と表現して、冒頭のフレーズを繰り返します。この歌がなぜドラマにハマっていたのでしょうか?
それは60年代テイストの明るいアレンジが、ドラマのコメディの雰囲気とハマっていたから。そしてこのサビの歌詞に「力が湧く」とあるからです。
引きこもりだった巧は、文句を言いながらも外に出て依子と会うようになります。サイボーグ009のコスプレをしたり、サンタになって警察に捕まったりしました。まさに「何でも出来そうな」「力が湧く」状態。
依子も結婚に向けた契約書を作るなど行動の方向性はおかしいですが、「力が湧」いています。「恋」や「愛」という言葉を使わなくても互いを意識している二人。
そしてそんなドラマの二人を見ながら、全国の恋愛不適合者達が「ああ」こんな「運命の人」に会いたい、「恋の魔法」にかかりたいと思ったのです。
chayの歌詞は視聴者の気持ちを代弁していたんですね。
●あなたに恋をしてみました / MV
ドラマと見事に適合した「運命」の曲
この曲はレコチョクシングルチャート1位を記録し、YouTubeの再生回数は1000万回を超えchayの曲では最大のヒットになりました。ドラマは9月に続編のスペシャルが放送されました。主題歌は、やはりこの曲。
このドラマとこの曲の適合も「運命」だったんですね。
TEXT:改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)