ファンが議論した『スターフィッシュ』は、誰に宛てた曲なの?!
ELLEGARDEN。私たちとの約束通り、10年の活動休止期間からオリジナルメンバー4人でステージに帰って来てくれた。
幅広い世代のロック好き、さらにはバンドマンや音楽関係者にも愛されすぎているモンスターバンドだ。
その復活の知らせは生粋のファンだけでなく、きっかけがあって活休中にファンになった人や、たくさんのロックファンを叫ばせ、泣かせ、笑顔にさせた。
平成最後に思うのは、あの復活ライブのチケット争奪戦…“チケットをご用意された人って本当にいたのかなあ”とうっすら思うが、これからのエルレの活動を思えばどうでもいい。
あの復活ライブに行けなくたって、自分が正規ルートで手に入れたチケットで見に行けたライブが、私の復活ライブだ!
復活ライブで聴きたい一曲
そんな熱い想いを抱き、エルレの復活を喜ぶ中で、復活ライブで絶対聴きたい1曲を考えた。
それは「こんな星の夜は全てを投げ出したって、どうしても君に会いたいと思った」と、まさにエルレに対して10年間思ってきた気持ちとバッチリ重なる『スターフィッシュ』。
この『スターフィッシュ』、あの海の生き物ヒトデの英単語である。
曲は明るく、聴くと“心に浮かんだ君”に猛烈に逢いたくなる。逢える事を想像しただけで、ドキドキしてしまうような楽しくて嬉しい“君に逢いたくなる”歌詞だ。
その歌詞について、当時ファンの間でその歌詞が何(誰)に宛てた曲なのか。
ラブソングなのか、それとも故人に宛てた歌なのか。または親友への友情を描いたものなのか…ネット上で意見が交わされていた事もある。
そんな“君(人)”の事を歌ったであろう曲のタイトルが、何故『スターフィッシュ』(ヒトデ=人間ではない物)なのか。
その疑問を『スターフィッシュ』の歌詞と、作詞作曲を担当しているエルレのボーカルギター細美武士のパーソナルな部分とを重ね合わせて、解き明かしていきたい。
細美武士の趣味と「スターフィッシュ」の関係。
『スターフィッシュ』。何度も言うが、ヒトデの事である。
しかし、ハワイの伝統的なジュエリーのモチーフとして使われるヒトデには、“夜空の星が地上に降りてきた流れ星”“夢が叶う”“輝き続ける”と言う意味があるのをご存知だろうか。
何故、ハワイアンジュエリーのモチーフとしてのスターフィッシュを持ち出したか。
それは、エルレの『スターフィッシュ』の作詞作曲をした細美武士の数ある趣味の1つに、サーフィンがあるからだ。
ちなみに細美武士作詞作曲で、サーファーマインドで自由をなくした仕事人間を皮肉っている『Surfrider Association』という曲もあるほどだ。
サーファーなら、ハワイアンジュエリーの存在は知っているもの。そしてジュエリーを身に着ける場合は、自分の心に合う意味を持つモチーフをジュエリーに刻むものだ。
であればサーフィンが趣味の細美武士が、ハワイアンジュエリーにおいてのスターフィッシュの意味を知っていてもおかしくない。
だからエルレの『スターフィッシュ』のタイトルは、ハワイアンジュエリーのスターフィッシュの意味から付けられたに違いない。そう考えると、タイトルと歌詞のちぐはぐさの謎も解けてくるのだ。
スターフィッシュの意味は3つ。 “夜空の星が地上に降りてきた流れ星”“夢が叶う”“輝き続ける”だ。
この1つ1つの意味が、ぴったりと当てはまる歌詞がエルレの『スターフィッシュ』にあるのだ。
まずは“夜空の星が地上に降りてきた流れ星”という意味。これはこの部分と重なる。
スターフィッシュ
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綺麗なものを見つけたから
また見えなくなる前に
≪スターフィッシュ 歌詞より抜粋≫
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「綺麗なもの」=星となる。ここで言う“星”は“夢”の事になる。
人が抱く夢は、希望に溢れていて美しいものだ。
そして、私たちの頭上にある星もまた、キラキラと輝き美しいその姿から人の夢の比喩として使われる。
つまり、夢が流れ星のように自分に降りてきた。“夢を見つけた”と言う意味が歌われている。
2つ目の“夢が叶う”はこの歌詞だ。
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こんな星の夜は
君がいてくれたなら
何を話そうとか
≪スターフィッシュ 歌詞より抜粋≫
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夢を叶えるには自分が努力するのは勿論だ。
しかし、自分の努力だけで夢を叶えるのはなかなか難しいもの。誰かに自分の夢を話す事で、夢が具体的に形を持ち現実となる。そんな風に夢は叶っていくものだ。
そして最後は“輝き続ける”。
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諦めないなら焦る事もないさ
≪スターフィッシュ 歌詞より抜粋≫
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もう、そのままの意味だ。夢を「諦めない」という事は“輝き続ける”そのものの姿だ。
『スターフィッシュ』それは、世界で一番大切な人の事!
これらの意味と歌詞を重ね合わせて考えてみると、『スターフィッシュ』=心から信頼し、自分の夢を語り、諦める事なく一緒に夢を叶えたい人。大切な人の事を歌った歌なのかわかってもらえただろう。
そして当時、ファンの間で議論された歌詞の宛先。それは、全て正解だったのだ。『スターフィッシュ』を聴いた時に思い浮かぶ人。それは、恋人、友人、故人。聴いた人それぞれ違うはずだから。
エルレの『スターフィッシュ』は「こんな星の夜は全てを投げ出したって、どうしても君に会いたいと思った」と夢を見つけた時、この歌を聴いて会いたくなった人。
その人こそが一生涯、夢を共にしたい世界で一番大切な人だと気がつかせてくれる曲なのだ!
TEXT 後藤 かなこ
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