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【歌詞コラム】社会に揉まれながらも懸命に生きる人々を描いた東京事変『群青日和』

仕事をするようになると、社会と共存していかなくてはならない。社会の中での立ち振る舞いを覚え、葛藤しながらも成長していくということが、社会人のスタンスの一種であるように思う。この『群青日和』は、社会の中で懸命に生きる人々を描き、称えたものだ。

公開日:2019年8月14日 更新日:2019年8月14日


この記事の目次
  1. ・なぜ新宿は豪雨なのか?
  2. ・群青日和
  3. ・仕事ができることは当たり前のことではない
  4. ・誰の為に頑張って働いているのか?

なぜ新宿は豪雨なのか?


曲を聴いた時、最初に疑問に思ったこと。それは冒頭サビの部分での「新宿は豪雨」という歌詞だ。

“なぜ新宿は豪雨なのだろう?”という疑問が浮かぶとともに、晴れ渡った青空が思い浮かぶタイトル『群青日和』とは真逆の表現をしているところが気に掛かる。

都会である東京の中でも新宿は、高層ビル群も多くオフィスの数も多い。日々多くのビジネスマンが行き交っていて、繁華街もあるので昼夜問わず賑わっている街というイメージがある。

このような新宿という街の特徴から、「新宿は豪雨」とは強い雨が降っているという気候のことではなく、毎日絶えず多くの人々が、流れるように街を行き交う様子を表した抽象的な表現なのだ。

群青日和

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新宿は豪雨
あなた何処へやら
今日が青く冷えてゆく東京
戦略は皆無
わたし何処へやら
脳が水滴を奪って乾く
≪群青日和 歌詞より抜粋≫
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多くの人に揉まれながら通勤を繰り返す毎日。この歌詞では、仕事に行く日々に対しての疲れ、または“仕事に行きたくない”と思っている心情が読み取れる。

「脳が水滴奪って乾く」では、これから仕事だということを考えたくなく、頭が思考停止の状態にあることを表現しているのだ。

そんな時には、これから仕事に向かう自分と同じ境遇にあるであろう人々に目を向けてみる。“会社に行きたくない”と思って通勤している人は私だけじゃないんだという気になり、“私も頑張ろう!”という励みにもなる。

仕事ができることは当たり前のことではない


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演技をしているんだ
あなただってきっとそうさ
当事者を回避している
興味が湧いたって
据え膳の完成を待って
何とも思わない振りで笑う
≪群青日和 歌詞より抜粋≫
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上司の顔色を伺いながらの発言、部下への教え方には気を付けるといったように、誰もが少なからず社会の中での自分の姿を創りあげている。

問題に巻き込まれたり、抱える仕事量を多くしたくはないから、自分発信の提案はせず黙々と与えられた仕事をこなす。ここでいう「据え膳」とは、比較的簡単で誰がやってもできるような仕事のことだろう。

これをつまらない仕事だという人もいるだろうが、仕事は仕事だ。淡々とこなす仕事であっても、毎日続けているということが素晴らしいのだ。一見皮肉にも捉えられがちな歌詞だが、仕事人を称賛している。

誰の為に頑張って働いているのか?


十二月は、一年の中で一番忙しいという企業も多い。そんな企業の慌ただしさとセールや年末年始の準備など書き入れ時で、多くの人が訪れる百貨店(ここでは新宿伊勢丹)に焦点を当てている。

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突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点
少し あなたを思い出す体感温度
≪群青日和 歌詞より抜粋≫
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ここでいう“あなた”とは、少し前の歌詞にある「嘘だって好くて沢山の矛盾が丁度善いと」いった“あなた”と同一人物だ。

仕事をする中で、理不尽なことや矛盾していると感じることもある。そんなことを感じる余裕もない程に忙しい十二月、ふと我に返った時この言葉を思い出す。

最後に「青く燃えてゆく東京の日」という一節で歌詞は終わる。最初の「青く冷えてゆく東京」という歌詞とは対称的だ。

「青く冷えて行く東京」からは、先にも記述したように仕事に対してのネガティブな気持ちの表れ、「青く燃えてゆく東京の日」とは、仕事に対して前向きな気持ちで取り組もうとする心意気が表れているように思う。

自分の考え方次第で、仕事だけではなくどんなことも前向きに捉えることができる。仕事人は、紆余曲折しながらも自分自身と闘いながら日々を生きる為に頑張っているのだ。

そんな人々を称賛してくれている『群青日和』は、仕事で落ち込むことがあった時に、聴いてほしい1曲だ。

TEXT 蓮実 あこ

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