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高校生と吹奏楽と青春
主人公の黄前久美子は中学時代に吹奏楽部に所属していたユーフォニアム奏者でしたが、高校で吹奏楽に打ち込もうという気持ちはあまり持たないまま、物語の舞台となる北宇治高等学校に入学します。
周りに流されて吹奏楽部に入部した久美子でしたが、北宇治吹奏楽部はお世辞にも上手くはなく、部員のモチベーションも低かったのです。
しかし、久美子と同じ中学でトランペットの実力者だった高坂麗奈や、新たに顧問となったスパルタ指導の滝先生といった周りの熱量に感化され、久美子をはじめとした部員達はいつしか本気で全国大会出場を目指して青春の全てを吹奏楽に注ぐのです。
黄前久美子が影響されていく人物
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物語は、主人公の黄前久美子が周りからの刺激を受け、徐々に吹奏楽への情熱を燃やし成長していく様子を軸に描かれています。
その中でも久美子が親友と慕い、強く影響を受けるのが中学からの同級生の高坂麗奈です。黄前久美子(画像左)の声優は黒沢ともよ、高坂麗奈(画像右)の声は安済知佳が演じています。
そしてもう1人、久美子と同じユーフォニアム奏者の先輩であり北宇治吹奏楽部の副部長の田中あすかは、物語において久美子と関わりが深く、この二人にフォーカスした劇場版アニメも制作されました。
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田中あすか(画像左)の声優は、京都アニメーション制作の大人気日常系軽音楽アニメ「けいおん!」にも出演していた寿美菜子。
この他にも吹奏楽に燃える個性豊かな人物が登場し、久美子、そして北宇治吹奏楽部の物語と音楽はまばゆく輝いていきます。
劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~
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響け!ユーフォニアムはテレビアニメ2クール、そして劇場版アニメ3作を経て、フィナーレと銘打った新しい劇場版アニメを公開しました。
2019年4月19日に公開された劇場版最新作「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」では、田中あすか達3年生が卒業して久美子達が2年生になっています。
注目すべきは、ユーフォニアム奏者の久石奏をはじめとした個性豊かな新1年生達と、そんな一年生達から時には刺激を受け、時には翻弄される久美子達2年生の青春群像劇です。
一年生の指導係になった久美子は、後輩が抱える「頑張るとは何なのか」という悩みに対して真摯に話を聞き、そして毅然として答えます。
自らの意志をうまく言葉にできず、はぐらかしがちだった久美子がそこまで強くなったのはなぜなのか。
それは、久美子がこれまでの吹奏楽人生、もっと言えば北宇治吹奏楽部での一年間で、様々な苦悩や葛藤を乗り越えてきたからこその確かな成長だったのです。
TRUEが歌う主題歌『Blast!』が放つ光とは
内容はもちろんですが、やはり素晴らしいのが音楽です。主題歌はテレビシリーズから引き続き、高い歌唱力で様々なアニメソングを歌い上げる実力派アニソンシンガーTRUEが担当しています。作詞家「唐沢美帆」としても活躍する彼女は、これまでのTVシリーズのオープニングテーマの作詞と歌唱の両方を担当しています。
今回の劇場版アニメでも両方を担当している彼女は歌声の力強さだけでなく、歌詞でも青春の眩しさと部活に打ち込む高校生のまっすぐな力強さを、実に魅力的に表現しているのです。
Blast!
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身体が歌ってる
君に向かってる
初めから決まってたみたい
私の欠けたところに
ピタリ合うメロディ
駆け上がるフレーズの向こうで
また夢をみる
行くよ 次の曲が待ってるよ
音楽は鳴り止まない
続いてくファンファーレ
≪Blast! 歌詞より抜粋≫
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過去のオープニング曲である『DREAM SOLISTER』と『サウンドスケープ』の要素が散りばめられたこの楽曲は、これまで同様に吹奏楽のサウンドとTRUEの伸びやかな歌声が印象的です。
読むだけでも青春の輝きが感じられるこの歌詞は、書いた本人であるTRUEが歌い上げることで、珠玉の青春ソングとしてパワフルに響きます。
●そんなTRUEのインタビューはこちら!
【インタビュー】TRUE、新曲を通した「響け! ユーフォニアム」との素敵な関係性
まばゆい青春を歌った歴代OP&ED曲
サウンドスケープ
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もう一回 大げさな夢を 探しにいこう
止めない 勇気こそ 強さ
何百回 挑戦かさねて ここまで来た
チャンスの神様 みててね
忘れたくないメロディ 離したくないメロディ
輝きに変えて 想いよ 届け…!
≪サウンドスケープ 歌詞より抜粋≫
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前述したとおり、これまでのオープニング楽曲も吹奏楽サウンドをバックに、唐沢美帆のまっすぐな歌詞とTRUEのどこまでも伸びる歌声が光る明るく力強い青春ソングに仕上がっています。
そして、テレビシリーズのエンディング楽曲『トゥッティ!』と『ヴィヴァーチェ!』はオープニングとは打って変わって、主人公の黄前久美子をはじめとした主要メンバー4人の声優が元気いっぱいに可愛らしく歌っています。
ですがその歌やサウンド、そして歌詞はオープニング楽曲に負けないくらいの青春感と元気さを表現しているのです。
トゥッティ!
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体が歌ってる 煌めきのパッセージ
チューナーの揺らぎはきっと 舞い上がる高揚感
想いを乗せてゆく 楽器って赤い糸
息を合わせて…
トゥッティ!私たちが心を奪う
≪トゥッティ! 歌詞より抜粋≫
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響け!ユーフォニアムの楽曲群は、とにかく溢れんばかりの「青春」が詰め込まれおり、作品のテーマを見事に表現しているだけではなく、聴いた人が元気をもらえるメッセージが込められています。
確かに響いたユーフォの物語
これほどまでに等身大でまっすぐな青春アニメが人々の心に響いたのは、やはり音楽の力が大きいでしょう。音楽を題材としたアニメは他にも沢山ありますが、ここまで美しく青春を音楽に落とし込み、メッセージとして訴えかけてくるアニメは「響け! ユーフォニアム」の他にありません。
多くの困難がありながらも、振り返ればそのどれもが青春という輝きを放っている。
「響け!ユーフォニアム」は、そんな感覚を思い出させてくれる作品なのです。
TEXT 武山和正