夢を抱く少年ナルトとバンドメンバーの心情が現れた歌詞
シルエット
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いっせーのーせで踏み込むゴーライン
僕らは何も何もまだ知らぬ
一線超えて振り返るともうない
僕らは何も何もまだ知らぬ
≪シルエット 歌詞より抜粋≫
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初めて将来の夢を持ったナルトとバンドを結成したKANA-BOONの序章が描かれた歌詞の始まり。
ここから日々は目まぐるしく過ぎていき、1つ1つの試練をこなす度に成長していくが、成長していくことは新しいことをインプットすることに繋がり、自分の記憶が塗り替えられることも意味する。
「一線超えて振り返るともうない」には、成長した自分への称賛と共に、“あんな時もあったな”という過去の自分を懐かしむ心情が伺えるのだ。
タイトルに込められた意味とは
アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」の中で、主人公である少年ナルトは木の葉隠れの里の里長の称号火影になることを目指して、仲間と共に切磋琢磨しながら数々の試練を乗り越えていくのだが、歌詞の中にはアニメの内容を連想させる箇所もある。
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ひらりとひらりと舞ってる
木の葉のように憂うことなく焦燥なく過ごしていたいよ
≪シルエット 歌詞より抜粋≫
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ここで出てくる“木の葉”とはまさに木の葉隠れの里と掛けたものだろう。火影になるという大きな夢を追いかける少年は時に挫折を味わったり、悔しい思いをすることもあるが、そんな時でも自分を信じて前向きに、焦らずにいこうよというメッセージ性を感じ取れる。
大きなステージでライブをすることを目標としてやってきた- KANA-BOONというバンドだからこそこの歌詞を生み出せたのだ。
成長していく過程で、人との出会いは欠かせないもの。出会いがあれば、いつの日か別れが来ることもあるが、夢を叶えたとしても叶えるまでに出会ってきた人のことを忘れないで欲しいという思いが込められている。
年月が過ぎて、例え過去の記憶となってしまい名前も顔もおぼろげにしか思い出せなかったとしても、自分が過ごしてきた時間の中で確かに大切な人だったという事実を“シルエット”という言葉で置き換えている。
きっとずっと、変わらない想い
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覚えてないこともたくさんあったけど
きっとずっと変わらないものがあることを
教えてくれたあなたは消えぬ消えぬシルエット
大事にしたいもの持って大人になるんだ
どんな時も離さずに守り続けよう
そしたらいつの日にか
なにもかもを笑えるさ
≪シルエット 歌詞より抜粋≫
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この楽曲はKANA-BOONが通っていたライブハウスへの感謝の気持ちを歌った歌ということを、バンドメンバーが告白している。
人気ロックバンドになった今でも、今の自分たちを作り上げてくれた1つでもある、ライブハウスへの恩を“忘れない”という強い気持ちもこの歌詞に表れているのだ。
TEXT 蓮実 あこ
大阪・堺出身のロックバンド。2013年9月メジャーデビュー。 翌年8月、地元大阪にて、初の野外ワンマンを開催し16, 320人を動員するなど、瞬く間にトップバンドの仲間入りを果たす。2018年~2019年にかけ、メジャーデビュー5周年イヤー企画として、リリース&ライブ企画を精力的に展開。 初の···