信じがたいほどに、君は美しい
君の瞳に恋してる
▲『Can't Take My Eyes Off You』/ The Boys Town Gang
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you're just too good to be true
Can't take my eyes off of you
≪Can't Take My Eyes Off You 歌詞より抜粋≫
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[日本語訳]
君があまりに素敵すぎて
僕は君から目を離せない
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「You're just too good to be true」という句がこの曲のテーマだと言っていい。
ここでは自然な日本語に見えるように「君があまりに素敵すぎて」と意訳したが、直訳すれば「真実とするには君はあまりに良すぎる」といったところだろう。
ひょっとしたらこれは真実(現実)ではないのじゃないか、というような疑いのニュアンスが、主人公の夢見心地をよく表している。この”信じがたい現実”を軸に主人公の高まる恋慕を描いたのがこの歌である。
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You'd be like heaven to touch
Oh, I wanna hold you so much
At long last love has arrived
And I thank God I'm alive
you're just too good to be true
I can't take my eyes off of you
≪Can't Take My Eyes Off You 歌詞より抜粋≫
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[日本語訳]
君に触れたら天国にいるみたいだ
すごく抱きしめたいよ
ついに愛がやってきたんだ
生きてることを神に感謝するよ
君があまりに素敵すぎて
僕は君から目を離せない
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ますます主人公の夢心地が加速する。心底から舞い上がってしまっている様子が、天国だの神に感謝だのという言葉からみてとれる。
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Pardon the way that I stare
There's nothin' else to compare
The thought of you leaves me weak
There are no words left to speak
≪Can't Take My Eyes Off You 歌詞より抜粋≫
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[日本語訳]
見つめるのを許してほしい
ほかに比べるものなんてないんだ
君を想うと弱気になるよ
なんにも言えなくなってしまう
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言葉にならないほど高まる恋慕のために相手を見つめ続けた主人公は、いよいよ恋の成就のために打って出る。もし相手も同じ思いならば、というチャンスに賭けて一気にパートナーになろうよと提案するのである。
気持ちに共鳴して高ぶってゆく音楽
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But it you feel like I feel
Wo, then let me know that it's real
you're just too good to be true
Can't take my eyes off of you
≪Can't Take My Eyes Off You 歌詞より抜粋≫
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[日本語訳]
だけどもし君の思いが同じなら
これが現実だって分からせてくれないか
君があまりに素敵すぎて
僕は君から目を離せないんだ
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ここの表現が秀逸だ。お互いの恋慕を確かめ合うこと、それが現実に愛し合うことに繋がるといった恋愛の理屈を、じつにスマートな求愛の文句として仕上げている。
また、「現実」だと信じがたいほどの魅力を放つ君、というテーマに回帰するところもこの句の美しさのひとつだろう。
そして現実的な情熱にまで誘導されたその恋慕は、「I love you, baby And if it's quite all right……」から怒涛のように高まっていく。楽曲が一気に盛り上がる瞬間だ。
『君の瞳に恋してる』は高ぶっていく歌詞をさらに高めるかのように楽曲構成が練られており、その劇的効果は奇跡のようでもある。信じられないほどよくできた曲だが、これは真実だ。
TEXT quenjiro