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【インタビュー】「病んでいるなんて、普通」16歳のラッパーさなりが描く10代の姿 (3/3)

さなりが選ぶピックアップフレーズ

■さなり / Mayday【Music Video】


――ではここで一つ、UtaTen恒例のピックアップフレーズを挙げてもらいたいと思います。まず曲としては、どの曲が印象的でしょう?

さなり:最後の『BRAND-NEW』と、『Mayday』ですね。2曲になっちゃうんですけど。で、やっぱりサビとかですかね。『BRAND-NEW』では「僕は君が選んだ答えだ。夢を見せてあげる」って。“ちょっと、何を言っているんだ!?"って感じでもありますが(笑)。

でもここはお気に入りだなと自分の中で。曲には合っていて、はまっているような感じというか。インパクトもある感じで。「夢を見せてあげる」なんて、自分で言ったことはこれまでもないし…



――カッコいい!ですよね。

さなり:そういう言葉を言ったことがないので、自分でも新鮮というか。


――意外とそんな風に、歌詞は感覚的にパッと出てくる感じでしょうか?あまり理詰めに作るのではなく?

さなり:まあそうですね。今回は"別にどう見られてもいいよ"みたいな。僕は何でもいいよ、どう見られてもいいよ、みたいな。


――では、『Mayday』のほうはいかがでしょう?

さなり:こちらもサビですけど「Mayday,Mayday,Mayday」から「誰か僕を殺してくれ」まで。



――全体的に、ですか。この詞が出てきたときも、一つなぎで出てきた感じでしょうか?

さなり:そうですね。“ちっぽけな心ひとつ手離せない僕を、誰か殺してくれて"って。


――なんか切なくなりますよね。自分を殺してくれ、なんて…そう思わせるような状況もあったのでしょうかね。あるときには…

さなり:まあそうですね。"もう嫌だ~!"みたいな感じで。


――その意味では、かなりリアリティのある言葉でもありますね。一方で今作では、多くのアーティストさんとのコラボで、作曲やトラック作りで関わっていただいたところも大きいかと思いますが、その影響っていかがでしょう?

さなり:いや、本当にまさに勉強になりました。ここをこうやったら、こうなるんだな、って。自分でもやってみたい、やってみなかったことが、当たり前のように入っているんで、本当に勉強になりましたね。


――歌詞自体も、その影響はありましたか?

さなり:確かに。特にSKY-HIさんとの『悪戯』は、やっぱり勉強になりましたね。ノリ方とか。

基本的に自由にはやらせてもらった感じで、書いていただいたところもあったり、"ここはこうしたほうがいいよ"みたいな感じでアドバイスをしていただいたり。本当に勉強になりました。

■さなり / 悪戯(prod.SKY-HI) Music Video



――自分の書きたいものが、ちょっと変わってきたという印象はありませんでしたか?思ったより違うものができた、みたいな…それとも、そこはブレていない?

さなり:でもトラックごとに、いろんな人にお願いしたので、最終的にどういうものになるかの想像はできてなかったし。


――想像以上のものができてきた、と?

さなり:そうですね。もともとの完成イメージはなかったですし。


――そういう意味では、好奇心旺盛なさなりさんの気持ちを、さらにかき立てるものがあったということですね。

好奇心という意味では、今回こういうアルバムを作ったということもありますし、また新たな道が開けたというところもあるかと思いますが、今後は、自分はどんな風になっていきたいと思いますか?


さなり:まあ、音楽もそうなんですが、音楽に限らずいろんなことをやっていきたいな、と。

――ダンスとか?SKY-HIさんも踊りますが。

さなり:そういったことも。音楽に関係のないことも。


――そこで自分が出せるものは出していきたいと?そういう意味では前向きなほうだと?(笑)

さなり:そうですね(笑)。まあ前向きというか、僕自身はアクティブなほうではあると思っているんですけどね。


TEXT 桂伸也
PHOTO 岸豊

2002年11月16日生まれ。 小学校低学年時にYouTubeに出会い、オリジナル動画の投稿を開始。 動画投稿の収入でパソコンを購入し、遊ぶように動画制作などを行っていた。同じ頃、ラップミュージックと出会い、中学校に入るとフリースタイルラップで友達と遊び始め、中学2年生の頃からオリジナル音···

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