the Howl について。
──では、自己紹介からお願いします。
海:the Howl のボーカル、ギター、ピアノ、小倉海です。よろしくお願いします。
風人:それに比べてベースだけの西村風人です。
全員:(笑)
── the Howl について教えてください。
海:紆余曲折を経てポップスに落ち着いたバンド。
──迷ってた?!(笑)
風人:いろんなとこ行ったもんな。
海:迷ってたというか、やってた時期はめちゃくちゃそれが the Howl の音楽や! と思ってたけど、今過去を振り返ってみると、かなりジャンルとかライブのスタイルの振り幅が大きかった(笑) まあ、でも結局それら全部を踏襲しつつ、進化した感があるので、無駄な期間はなかったかな。
風人:うん。そのおかげで武器はいっぱい持ってる(笑)
──ずっとお2人で活動されてるんですか?
海:元々は4人で活動開始して、ドラムが抜けて、ギターが抜けて、オリジナルメンバーはこの2人だけです。
風人:オリジナルってかっこええな。
──そんな the Howl のおふたりは昨年の 12 月に活動休止を発表されましたが、ついに活動再開ですね。おめでとうございます!
海・風人:ありがとうございます!!!
──お休みの間、どうでしたか?
海:長かった!(笑)
風人:うん、長かったな。期間的には、活動休止してから再開まで早いと思うけど、長く感じた。
海:でも、もっとだらーっと出来ると思ってたけどそれは全然出来ひんかった。
──ライブ活動自体は半年ほどされてなかったですが、お休みというより制作期間というかんじですね。
海:はい。曲作りが活動休止と同時に始まったので、結局歌えへんかったけど音楽のことはやってたし、歌以外でもやることはたくさんあったなぁ。
風人:休止してないよな。
──既に活動再開の目処はたっていたんですか?
海:はい。元々、復活の発表予定も遅めで考えてたんですよ、でも発表が遅すぎるといろいろ間に合わへんということで、発表のタイミングを1ヶ月前倒しにしました。正直言うと、活動休止ライブの日には、活動再開の日程、会場、どんなイベントにするかを決めていましたね。
the Howl が表現する音楽とは。
──6/15 リリースの両 A 面シングル「イトシキミライへ/ライカムーン」、早速聴かせていただきました。
海:ありがとうございます!
──海さんがピアノを…。
海:そう!ピアノが増えたの!大変だったよねー。
全員:(笑)
──ライブではどのように披露されるんですか?
海:この曲に関してはギターを置いてピアノを弾きます。僕、ギター、ピアノ、ボーカル、やから。ギピボやか
ら(笑)
──では、今回の作品の制作秘話があれば教えてください。
海:まず、活動再開にあたってメンバーを増やそう!ってなってんな。もう1人ギターを入れるかとか。でもギターじゃないな。僕たちがやりたいのを表現しようとすると、それならピアノを入れよう!ってなって、4ピースの形で復活しようかっていう話して、メンバー探そう、いない!っていうことで(笑)
それで、僕、お母さんの影響で3歳から高校生までピアノやってたんで、もう弾いたらいいんじゃね?みたいな流れです。どうせやったらめっちゃいいやつ買ったろうと思って Nord っていう赤いやつ、買ったんすよ。でも最初ブランクが凄いから全然弾けへんくて。「イトシキミライへ」はギターで弾いてたフレーズをピアノに落とし込んだんですよ。
これでだいぶ慣れて、「ライカムーン」を作ったときにピアノが爆発した。ピアノがあったからこそ「ライカムーン」が形になったっていうのは非常に大きいかな。初めてピアノを中心に作ったのが「ライカムーン」です。
風人:リフっぽいところもピアノ主体やったりするもんな。
海:うん。僕、ギターが苦手なんで…(笑) ギターよりピアノのほうが自由度がかなり上がりましたね。
──曲作りについても教えてください。
海:えっと、大体は、気に入ったフレーズが出来てから膨らませていくんですけど、「イトシキミライへ」やったら、サビの「愛しい未来の話をしよう」がメロディーと歌詞が同時に出来て、そこからは曲先行ですね。メロディー作ってから歌詞を死ぬほど考える。
──降ってくる系ですね。
海:…絞り出す系?(笑) 街中を歩いてて、急に曲が全部できた!とかはほとんどないですね。一部が降ってくることはあっても。素材を普段から考えて、それを曲を作る頭にしてから、いろんな言葉を口ずさんで、メロディーと歌詞を組み合わせていく。歌詞をノートに書いたりしますね。かなり絞り出してるんで、天才肌ではないです。
それからスタジオで、曲のイメージを伝えるだけでメンバーはそれ以上のものを返してくれる。最初は「ここはこうしてほしい」とか言ってたけど、最近は言わんでも合わせてくれますね。ドラムはサポートやけど曲作りにも参加してくれるし。僕は、0から1を作って、1から10をみんなで作ります。それが得意なメンバーでよかったなと思います。
the Howl 「イトシキミライヘ」Music Video
海:「イトシキミライへ」は、活休前からあったんすよ。活休ライブで最後に「新曲です」ってやって復活のタイミングで発表するっていうのも頭の中で描いてて。復活に向けての曲。
海:これを歌うことで「絶対戻ってきますよ」っていうのを表現しました。
──必ず戻ってきますっていうのは強く言ってましたもんね。
海:そう。ちょうど僕たちが活休を発表する時期、脱退解散活休が、めちゃくちゃ多くて。平成最後に。ほんまに戻ってくんの?って不安がる人もおるやろし、わからんまま待ってもらうのもいややなって思ったんです。だからこそ「3ヶ月は歌いません!」って公表したし(笑)
──かなり匂わせてますね (笑)
風人:誘導してた(笑)
海:活休してるの知らん人もおるんちゃうかな?(笑)
──次に「ライカムーン」、これまた雰囲気の違う楽曲ですね。
海:そうなんです!違うんです!これはめちゃくちゃ曲調も変わったんで、一気に歌詞も変えてみようという挑戦の曲なんです。今までもラブソングっぽい曲は作ってたんですけど、今回初めてがっつりラブソング。
ただ…「好き」とか「愛してる」とか言うにはまだ早いというか…(笑) 少し抵抗があって。「ライカムーン」が、今、僕が表現出来るラブソングです。
風人:俺、最初歌詞見せてもらったとき「うわ、これめっちゃいいやん!」って。
海:そやねん、めっちゃいいやん!って思ってん、自分で。音も何もなく詞だけ風人に送ってん。「星が見えなくなるほどで 満天の夜も嫉妬するくらいです」のところがめっちゃいい!って言われて、わかってるなーって(笑)
風人:俺、わかってるやろ(笑)
海:僕も一番ここがいいと思ってたから。ほんまにこの曲作ってよかったな。
風人:頭の1行目「月が綺麗だね」も好きやけどな、俺。
海:最初はめっちゃありきたりにしようと思って、「月が綺麗だね」とか文学的ですけど、使い古されてる言葉をど頭に持ってくることでラブソング作ったんやってわかりやすく。そこからどんどん膨ませていきました。
恥ずかしいから、ラブソングは一切書きませんっていうスタイルだったんですよね。逆にラブソング以外でよくこんなにいっぱい曲作れたなあって思います(笑)
活動再開を機に、もっと音楽の幅を広げる為にラブソングを書こう!となったんですけど、いかんせん今流行ってるラブソングって結構失恋だったり女々しいものが多いと思うんですよ、僕そういう部分が一切なくて。経験的にも。
だから、嘘は書けないし、僕が醸し出せるハッピーさ、楽しさっていうものをラブソングに落とし込んでみることが今後の方針でもあります。今回リリースしない新曲の中にもラブソングがありますし…(小声)
風人:楽曲の幅はだいぶ広がったと思います。
──この「ライカムーン」もまだ未発表ですよね?
海:「ライカムーン」は誰も知らん。
──ということは 6/15 に初披露ってことですね!(笑)
海:…やります!(笑) 緊張するわー!ピアノ弾くの!
風人:みんなどんな反応するんやろ?
──以前の楽曲とは差別化した作品になっていますよね。
海:はい。ちゃんとピアノが入りましたってイメージ付けをしようと思って2曲に絞って2曲ともピアノボーカルの楽曲を選んで入れました。これが、1曲はギターボーカルだったらあんまりイメージが付きづらいし、もうピアノ入れてやるんですってがらっと変えて、今回エレキギターの音を1音も入れずに作りました。
それを進化と言っていいのかはわかりませんが…。芯、根本の部分は変わってなくて表現の方法が変化しただけ。伝えたいことを音楽を通して伝えるということは変わりません。
──以前の楽曲はギターで?
海:そうですね、今のところは。ただ、何曲かピアノのほうがいいかなってのもあるので、追々ピアノとか同期とかいろいろ使ってリアレンジして、昇華出来たらなと思います。「変わっちゃった」って思われるより「the Howlはそういうことも出来るんや!」って思ってもらえると嬉しいですね。