アイドル好きの中ではそれなりの知名度のあったスマイレージ。そんなスマイレージは2015年に3人の新メンバーを追加しアンジュルムに改名しました。
「スマイレージ」というネーミングが商標登録されていなかったこと、グループを活性化させたいという意図があったことが改名の原因。
新グループ名を募集し、メンバー中西香菜が考案した「天使の涙」を意味する造語「アンジュルム」が採用されました。
「大器晩成」はそんなアンジュルムのスタートを示すシングル曲。
実はタイトルとは裏腹に
"大器晩成? もう
そんな人生 もう
ひっくり返せ 今掴みたい"
と歌う「大器晩成ではなくて今売れたい」という内容の歌詞です。
特に切実なのは2番の歌詞。
"誰もこのハンパなさわかってない
でも知ってもらえずに終わったら
死んだ後に評価が高まる
後付け天才のパターン"
歌手に限らずまさに芸術家の生き様そのものを表している歌詞。「死んだあと」とは文字どおりゴッホのように死んでから評価されることも指しますが、アイドルグループの「解散」も暗示しています。解散する前に売れたいという思いの表れ。
さらに
"いやいやそんなのあり得ないし
それ大器晩成って言わないし
背が非でもチャンスを物にして
今証明してやんなきゃ"
と続く歌詞。
「後付け天才のパターン」は「大器晩成」とは言わないんだ!という強い思いがこめられています。
「それ大器晩成って言わないし」はメロディラインも高音にして変化をつけ、特に強調しています。
つんくが病気療養で今までのように楽曲を量産できなくなった背景もあり、この曲の作詞作曲は中島卓偉。シンガーソングライターの彼が、もともと自分の為に書いた曲。
だから、もともと自分自身を鼓舞する楽曲なのです。
今年の5月には武道館公演を行なったアンジュルム。スタートは良い形できれたと思います。
しかし、メンバーの名前が世の中にはほぼ知られていないであろうアンジュルム。
現在9人で1人卒業予定ということも世の中にはほぼ知られていないアンジュルム。
果たして「大器晩成」できるのかどうか。アンジュルムとしての戦いは始まったばかりです。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)