心が開放的になる夏が舞台
タイトルにも『真夏』と付いているように、歌詞の舞台は夏が舞台だ。夏は、海にプール、お祭りや花火大会など様々なイベントがあり、心が弾む季節。
歌詞中にもある『真夏の夜の匂い』とは、どんな匂いのことを指しているのだろうか?
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真夏の夜の匂いがする
絵の具のソレと同じ香り
さまざまな色恋も踊り出す
今夜は私もその一人?
≪真夏の夜の匂いがする 歌詞より抜粋≫
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他の季節の夜とは異なり、『真夏の夜』には独特の雰囲気がある。
真夏なので夜になっても暑さは残り、昼程ではなくても過ごしやすくはない日の方が多い。
しかし、その暑く気怠い空気はどこか病みつきになるような中毒性がある。
『絵の具のソレと同じ香り』と比喩しているのは、絵の具もどこか独特な香りがするからだろう。
例えば、友達だった男女が花火大会の帰りに一緒になったことで恋に発展したり、海でのナンパから始まって、付き合うようになるなど、夏は恋愛指数が上昇する季節でもある。
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真夏の夜の匂いがする
私には分かる危険な香り
いろいろな問題も溢れ出す
今夜も帰路にて頭を冷やす
≪真夏の夜の匂いがする 歌詞より抜粋≫
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しかし、夏は楽しいことばかりでもない。いわゆる“ひと夏の恋”で終わることもあるからだ。
夏の終わりに“なんでこんな恋してしまったんだろう…”と後悔する気持ちも歌詞中で表現されている。
後悔から抜け出すには
後悔している時は、そのことが気になって他の事が疎かになりがちな場合が多い。そんな後悔の呪縛から解放される為には、後悔している本人の心境が変化しなければ難しい。
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もっと自由に グラスを片手に
人生を謳歌 人生を歌おうか
「そんなことできたらなぁ」
≪真夏の夜の匂いがする 歌詞より抜粋≫
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“失敗してもいい”“好きなように生きよう”といった、後悔も吹き飛ばしてしまえそうなポジティブな言葉が並ぶ。
「そんなことできたらなぁ」という言葉からは、未来への希望が読み取れる。
後悔は過去のことだ。過去をいつまでも引きずっていても何も解決はしない。
それならば、これからの人生でやりたいことを想い描いで、進んでいった方が楽しく生きられるに違いない。
人生を楽しむことは難しい
よく“人生楽しんだもの勝ち!”という言葉を見聞きするが、人生を楽しむのはそんなに簡単なことではない。----------------
天国か地獄か
分からない道を行こう
振り切って進んで行こう
簡単じゃないからハマっていくんだろう
恋も金もこの人生も
≪真夏の夜の匂いがする 歌詞より抜粋≫
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私達は、人生の節々で選択を迫られることが多い。そして、選択する際に“自分にとってどちらの道を進むのがいいか?”と頭を悩ませることもある。
しかし、この歌詞には「振り切って進んで行こう」とあり、あれこれ考えず自分の直感で“こうしたい”と思う方に進むべきだという事を言っているのだ。
恋をすることや、お金を稼ぐこと。生きることも、簡単ではない。逆に、何でも簡単に手に入って、簡単に生きられる人生だと面白くないかもしれない。
『真夏の夜の匂いがする』の、『真夏の夜』という言葉には、開放的、自由といったようなニュアンスも含まれているように思う。
“人生を自分の思いのままに生きよう!”という、生きることに対してポジティブなメッセージ性のある歌詞が連なったこの楽曲は、明日を生きる活力になる。
TEXT 蓮実 あこ