ボーカルの壁や悩みを反映させた歌詞
Base Ball Bearの『Stairway Generation』は2009年発売の11枚目のシングル。アニメ「銀魂」の主題歌になった曲です。この曲の疾走感はアニメOP映像の雰囲気と合っていました。Base Ball Bearは疾走感のある爽やかな曲調で青春を歌うのが得意。この曲も見事得意分野がマッチした形です。
歌詞はボーカル小出恵介の壁や悩みを反映しています。
Stairway Generation
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“白黒で終わるより 赤白で閉じたいのよ”
≪Stairway Generation 歌詞より抜粋≫
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冒頭で白黒、赤白と色の表現が出てきます。色の表現でアニメタイトルの「銀」を暗示させています。
また、白黒で終わる=勝ち負けがはっきりする、葬式。赤白で閉じる=お祝いする、紅白の意味合い。人生は暗い終わりより明るく閉じることを望んでいる。そういう歌い手の心情を表した歌詞です。
そして、これは同時に「銀魂」ともシンクロしているんですね。「銀魂」は戦場で白黒の人生をおくってきた主人公が、かぶき町というカラフルな場所で万事屋を営む物語です。
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「興味ない」と 繰り返しては 誰よりもきっと つよがってる 僕は
≪Stairway Generation 歌詞より抜粋≫
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例えばこういった歌詞も、歌い手の心情でであり、「銀魂」とシンクロする部分。このアニメの主人公も何事にも興味ないふりをします。
死んだ目で無気力に生きているように見える主人公。しかし、心の中ではある種の「強がってる」魂を持っている。そういう内容とリンクしているんですね。
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“孤独という名の風邪 青春とは病気だね”
≪Stairway Generation 歌詞より抜粋≫
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これもバンドとアニメがシンクロしています。小出恵介自身の青春という名の病は、大人になりきれない「銀魂」主人公の病でもある。
主人公坂田銀時は大人なのにも関わらず、子供心を捨てきれない少年ジャンプの主人公。基本ダラダラしてまともに働いていません。そしてかつては戦場で戦う白夜叉と呼ばれていました。ある意味で病気な青春の過去を抱えています。
共にステージを上がっていく
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Stairway Generation 階段を あがれあがれ
そして 聞こえますか? 繋がれますか? あなたと one way
≪Stairway Generation 歌詞より抜粋≫
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タイトルの『Stairway Generation』は直訳すれば「階段世代」。これは階段をのぼっていく世代という意味ですね。「階段をあがれあがれ」という歌詞は、自分達のように階段をあがっていく世代を応援する気持ちが込められています。
この曲のリリースから5か月後、2010年1月3日にバンドは自身初の武道館ワンマン公演を実現します。そして奇しくも、2010年春に「銀魂」も初の劇場版上映を実現するのです。
Base Ball Bear と「銀魂」は共に『Stairway Generation』=階段をあがっていく世代としてこの曲で「繋がって」いたんですね。
現在もBase Ball Bearは活動を続けています。アニメ「銀魂」は完結編の映画が上映されたにも関わらず、人気が衰えず再び新シリーズが放送開始されました。
Stairway Generation、階段世代は共に階段をあがり続けているんですね。
●Stairway Generation / Base Ball Bear
TEXT:改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)
小出祐介(Vo.Gt) 1984年12月9日生まれ 関根史織(Ba,Cho) 1985年12月8日生まれ 堀之内大介(Dr,Cho) 1985年1月17日生まれ 2001年、同じ高校に通っていたメンバーが、学園祭に出演するためにバンドを結成したことがきっかけとなり、高校在学中から都内のライブハウスに出演。 その高い音楽性と···