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【歌詞コラム】待ち続けるのは誰?ヨルシカ「ノーチラス」に込められた祈り

透明感のあるヴォーカルと、一篇の物語を読んでいるかのような世界観が魅力のヨルシカ。8月28日に発売される2ndアルバム「エルマ」から、『ノーチラス』の歌詞や込められた思いを読み解き、聴く人の心を掴んで離さないヨルシカの秘密に迫ります。

公開日:2019年8月28日 更新日:2019年8月28日


この記事の目次
  1. ・夜明けの空気感まで感じさせる繊細な描写
  2. ・「さよなら」したのは誰?
  3. ・どこにも行けない日々
  4. ・2人でまた会えるという幻想
  5. ・「ノーチラス」に込められた思い
  6. ・ヨルシカ 最新情報
  7. ・リリース情報
  8. ・ライブ情報
  9. ・ヨルシカ Profile

夜明けの空気感まで感じさせる繊細な描写



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時計が鳴ったからやっと眼を覚ました
昨日の風邪がちょっと嘘みたいだ
出かけようにも、あぁ、予報が雨模様だ
どうせ出ないのは夜が明けないから
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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目を覚まさせる時計の音、風邪、雨と、冒頭から一篇の詩を読んでいるかのように、情景が浮かんでくる歌詞が並ぶ。「風邪」という言葉1つで、体温や体のだるさ、朝の空気感などを表現するセンスは見事だ。

しかし、せっかく目を覚まして出かけようと思っても、雨模様の1日では、出かけるのも億劫だ。「夜が明けない」というのは、心の夜明けでしょう。悲しみの雨が降り、気分が塞いで、どうにもこうにも動き出すことができない気だるさを感じさせる。



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喉が渇くとか、心が痛いとか、人間の全部が邪魔してるんだよ
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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せっかく深い眠りから目覚めても、そこには紛れもない現実があり、自分を苦しめる。夢の中なら忘れられた様々な感情が押し寄せてきて、身動きが取れない歯がゆさや苛立ちが滲んでいる箇所だ。


「さよなら」したのは誰?

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さよならの速さで顔を上げて
いつかやっと夜が明けたら
もう目を覚まして。見て。
寝ぼけまなこの君を何度だって描いているから
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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冒頭から漂っている気だるさや虚しさ、苛立ちといった負の感情は、この「さよなら」に繋がっている。おそらく、大切な人と何らかの形で別れを迎えたのだろう。今はまだ悲しみの最中で立ち止まっている状況だ。



しかし、時を経て、いつか前を向ける時が来たら、その時にはちゃんと見つめてほしい。ここへ来て、始めて「さよなら」したのは自分ではなくて「君」であることが分かる。

大切な何かとの別れを経て、まだ闇の中にいる「君」はまだ、こっちを見てくれない。だからずっと夜明けを待っているのだ。いつかこっちを向いてくれる日を夢見ながら。

その日を何度も思い描く心が、どこまでも純粋でけなげである。

どこにも行けない日々

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傘を出してやっと外に出てみようと決めたはいいけど、靴を捨てたんだっけ
裸足のままなんて度胸もある訳がないや
どうでもいいかな
何がしたいんだろう
夕飯はどうしよう
晴れたら外に出よう
人間なんてさ見たくもないけど
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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2番では、雨の中出かける気持ちにようやくなったものの、肝心の靴がないことに気付いて呆然としている。靴は自分を守る防具で、心に吹く隙間風や切なさ、虚しさを遮ってくれるもの。

そんな防具もなくしてしまった丸裸の心で、外に出て行くことはできない。せっかく決意を決めたのに、外へ行くための用意がない。結局また、どこへも行けない自分に逆戻りだ。

「晴れたら外に出よう」というのは、心に降る雨が止み、外へ出て行ける準備が整ったら、という意味にも取れる。しかし、雨だから出かけられないと言い、次は靴がないから外へ行けないと言っている。晴れ間を待っているというのは、ただ言い訳を繰り返しているようにも見えるのだ。

外に出て人と触れ合うのが怖い。安全な場所に引きこもっていたいという負の感情は、ずっと漂ったままだ。

2人でまた会えるという幻想



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このままの速さで今日を泳いで
君にやっと手が触れたら
もう目を覚まして。見て。
寝ぼけまなこの君を忘れたって覚えているから
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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“憂鬱な気持ちを抱えながら、それでも自分なりにまっすぐ進んだら、その先で君に会える。その時には、君は自分を見てくれるんじゃないか”そんな幻想を抱いて、今日を生きていくのでしょう。

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丘の前には君がいて随分久しいねって、笑いながら顔を寄せて
さぁ、二人で行こうって言うんだ
ラップランドの納屋の下
ガムラスタンの古通り
夏草が邪魔をする
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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久しぶりの君に会える日を心待ちにしながら、会えた時にはどんな会話をするのか、どんな風景が広がっているのか、胸に描きます。そうすることで、暗く冷たい、億劫で憂鬱な日々を、何とかやりすごそうとしているのです。

「ノーチラス」に込められた思い

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このままの速さで今日を泳いで
君にやっと手が触れたら
もう目を覚まして。見て。
君を忘れた僕を
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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「君を忘れた」と言いながら、ずっと「見て」と語りかけ、「寝ぼけまなこ」の姿を思い描くのは、忘れようとしても忘れられないからです。

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さよならの速さで顔を上げて
いつかやっと夜が明けたら
もう目を覚まして。見て。
寝ぼけまなこの君を何度だって描いているから
≪ノーチラス 歌詞より抜粋≫
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どんなに時間がかかっても、ここで待っている。いつか君が目を開けて、しっかりと自分を見つめてくれるその日まで。

「ノーチラス」にはギリシャ語で水夫や船舶という意味があります。いつ目覚めるかもしれない人を、じっと待ち続ける姿は、自然に左右されながらもじっと耐え忍び、恩恵を手にする水夫の姿に似ています。

魚がかかるまで、ずっと待ち続けるように、「君」がこっちを見てくれる、他でもない自分を見つめてくれる日を待ち焦がれる。そんな切なく、淡い思いが漂う、美しい楽曲です。


TEXT 岡野ケイ

ヨルシカは、日本のロックバンドである。レーベルはU&Rrecords2017年、「ウミユリ海底譚」「メリュー」など大ヒット曲を生み出すボカロPとして活動していたn-bunaが、suisとともに結成。suisがボーカル、n-bunaはギターを担当し、全ての楽曲の作詞作曲、編曲を行う。バンド名は、1stミニアルバム『···

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ヨルシカ 最新情報

リリース情報


●2019年8月28日発売
2ndアルバム『エルマ』

★初回限定盤
価格:4,500円(税抜)
品番:UPCH-7511
内容:“エルマが書いた日記帳仕様”、CD、写真、日記帳 封入

★通常盤
価格:3,000円(税抜)
品番:UPCH-2191
内容:CD

・チケット最速先行受付(抽選)シリアルコード封入
受付期間:8月28日(水)18:00 ~ 9月9日(月)23:59

【CD収録曲】
01. 車窓
02. 憂一乗
03. 夕凪、某、花惑い
04. 雨とカプチーノ
05. 湖の街
06. 神様のダンス
07. 雨晴るる

08. 歩く
09. 心に穴が空いた
10. 森の教会
11. 声
12. エイミー
13. 海底、月明かり
14. ノーチラス

▷2ndアルバム『エルマ』特設サイト

ライブ情報

●ヨルシカ LIVE TOUR 2019「月光」

《東京公演》
日程:2019年10月17日(木)
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
会場:TSUTAYA O-EAST
[問]AIR FLAG Inc(03-6276-4968)

《大阪公演》
日程:2019年10月21日(月)
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
会場:BIG CAT
[問]GREENS(06-6882-1224)

《愛知公演》
日程:2019年10月22日(火・祝)
時間:OPEN 17:30 / START 18:00
会場:ボトムライン
[問]AIR FLAG Inc(03-6276-4968)

【全公演共通】
チケット料金:4,800円(税込)
※オールスタンディング / 整理番号入場
※ご入場時に別途ドリンク代(500円)を頂戴いたします。
※未就学児入場不可

ヨルシカ Profile

n-buna(Guitar/Composer)/ suis(Vocal)
ボカロPであり、コンポーザーとしても活動中の”n-buna(ナブナ)”が女性シンガー”suis(スイ)”を迎えて結成したバンド。

2017年より活動を開始。2019年4月に発売した1st Full Album「だから僕は音楽を辞めた」はオリコン初登場5位を記録し、各方面から注目を浴びる。文学的な歌詞とギターを主軸としたサウンド、suisの透明感ある歌声が若い世代を中心に支持されている。

【ヨルシカ メンバー】
n-buna[ナブナ](Guitar / Composer)
suis[スイ](Vocal)

【サポートメンバー】
下鶴光康(Guitar)
キタニタツヤ(Bass)
Masack(Drums)
平畑徹也(Piano)

▷オフィシャルサイト

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