『トイストーリー4』とは?
新作『トイ・ストーリー4』は、ボニーの一番のお気に入りのおもちゃでありながら、自分をゴミだと思っている手作りおもちゃ“フォーキー”が逃げ出してしまい、ウッディが連れ戻す旅に出ることから物語は始まります。何度もゴミ箱に入ろうとするフォーキー、1度も子供に愛された事の無い人形ギャビー・ギャビー、様々な出会いと冒険の果てに、ウッディが出した意外な結論と結末とは…?続きはぜひ、本作でご確認を!
続いて、主題歌についてご紹介していきます!
ランディ・ニューマン『君のため』
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こちらの楽曲は、ウッディが自分の事をゴミとしてゴミ箱に捨てたがるフォーキーに「世界のすばらしさ」を教えて改心させようとしている時に流れる楽曲となっています。
今回紹介するのは、その吹き替え日本語版の楽曲ではなく、ランディー・ニューマン(Randy Newman)が歌っている原曲「I can’t let you throw yourself away(邦題 君のため)」についてです。
それではここで一度、ランディー・ニューマンで「I can’t let you throw yourself away(邦題 君のため)」の歌詞の重要部分となる箇所をご覧ください。
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I can't let you (I can't let you)
I can't let you (I can't let you)
I can't let you throw yourself away
Don't you wanna see the sun come up each morning?
Don't you wanna see the sun go down each day?
≪I Can't Let You Throw Yourself Away 歌詞より抜粋≫
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僕はさせない(僕はさせない)
僕はさせない(僕はさせない)
君が自分自身を(ゴミ箱に)捨てるなんてことを僕はさせないよ
太陽が昇るところを毎朝見たくないのかい?
太陽が沈むところを毎日見たくないのかい?
まず、この楽曲では「I can’t let you(僕はさせない)」という繰り返しがとにかくひたすら繰り返されます。
日本版でも「君のため 君のため」と繰り返されている箇所ですが、同じ言葉を繰り返すことで韻を踏んでおり、曲全体のリズムをスムーズにして曲の中に入り込みやすい工夫がなされています。
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そして、一列飛ばして続く「Don’t you wanna see the sun come up each morning?(太陽が昇るところを毎朝見たくないのかい?)」
その次の「Don’t you wanna see the sun go down each day? (太陽が沈むところを毎日見たくないのかい?)」もやはり大部分が同じ英語を使っており、韻を踏みまくっていることがわかります。
曲の最終盤に至っては、「I can’t let you(君が自分自身を(ゴミ箱に)捨てるなんてことを僕はさせないよ)」と「I can’t let you throw yourself away(君が自分自身を(ゴミ箱に)捨てるなんてことを僕はさせないよ)」を合わせて4セット繰り返して終わっているという繰り返しぶりです。
不思議と口ずさんでしまうような歌詞
歌詞の意味としてはひたすらに、ウッディが自分自身にフォーキーを助けようとしている内容なのですが、韻を何度も踏んで、歌詞も統一することによって、リズミカルさとBGMとしての役目を強調しています。ウッディがトイ・ストーリー1~3を通して成長した心で、フォーキーを助けたいと心から思う心情も、繰り返すことで印象深くなりますよね。
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そもそも同じランディーニューマンが制作した、『トイストーリー』の時代からシリーズを通してよく使われていた「You've Got a Friend in Me(邦題 君はともだち)」
こちらでも、とにかく同じ言葉を繰り返しており、ランディーニューマンらしい作詞といえるのではないでしょうか?
不思議と口ずさんでしまう魅力とウッディの思いやりの心が感じられる、温かくて素晴らしい楽曲です。
クリス・ステープルトン 『孤独なカウボーイのバラード』
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こちらは物語が終わったあと、エンドロールに流れる一曲目の楽曲です。
日本語吹き替え版でダイアモンド☆ユカイが歌っている「君はともだち」「君のため」の2曲以外は、基本的にランディー・ニューマンが歌っているのですが、『孤独なカウボーイのバラード』のみランディー・ニューマンが作詞作曲しクリス・ステープルトンが歌うというタッグが組まれています。
ネタバレを避けるため、深くは言えませんがウッディが孤独を感じているうえで、自分なりの答えを出した結果の心情として歌われている楽曲です。
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I was a lonesome cowboy
Lonesome as I could be
You came along, changed my life
And fixed what was broken in me
≪The Ballad of the Lonesome Cowboy 歌詞より抜粋≫
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[日本語訳]
俺は孤独なカウボーイだった
どこまでも孤独だった
君がやってきて、俺の人生を変えた
そして俺の中の壊れているものを直したのさ
そして、続く次の歌詞は一番最後の歌詞となります。
----------------[日本語訳]
I was a lonesome cowboy
But not anymore
≪The Ballad of the Lonesome Cowboy 歌詞より抜粋≫
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俺は孤独なカウボーイだった
でももう孤独じゃない
ランディー・ニューマンらしく韻を踏んでいる歌詞であるのですが、注目点は、楽曲全体を通して葛藤し、最終的に最後の考えにたどり着くというストーリーのような流れが一曲の中に組みこまれているという点です。
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今作『トイストーリー4』は賛否両論といわれている通り、本当に奥が深いテーマを扱っています。
「おもちゃの幸せは何か?」という観点にとどまらず、「幸せとはそもそもなんなのか?」という人間にも繋がるテーマになってくるのではないでしょうか?
そして、その物語そのものを一曲としたのがまさにこの曲『孤独なカウボーイのバラード』なのだと思います。
そんな『トイストーリー4』の根幹に深く関わる歌詞をランディー・ニューマンが絶賛しているクリス・ステープルトン(Chris Stapleton)が歌って、傑作曲にならないわけがありません。
トイストーリー4はストーリーも楽曲も最高傑作!
2019/8/21時点で世界興行収入が10億1789万ドル(約692億8,663万円)を突破しており、このまま伸びていけば間違いなく『トイストーリー』シリーズ最高の売り上げをたたき出すことになる『トイストーリー4』!まさにストーリーも主題歌も最高傑作ですので、音楽もあわせてどんな方にも一度は見ていただきたいおすすめ映画です。
最後に、『トイストーリー4』の結末には賛否両論があります。ネタバレを避けるため、ここでは名言することはできません。
しかし、今作は人によって受け取り方が違うというところも含めて、最高傑作の物語なのではないでしょうか?
吹き替え声優ら唐沢寿明や所ジョージも絶賛していた『トイストーリー4』の結末を一体自分がどのように受け取るのか、という所も楽しんでいただけたらと思います。
そして、ハッピーエンドじゃないとするならば、きっとそれは新たな冒険の始まりと物語が更に大きなテーマを持っていくのでは?という考察もできるわけで…。
これからのトイストーリーにも期待大ですね!
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TEXT ゆっちん先生