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【インタビュー】AK-69映画初出演の手ごたえと、「もう一度挑戦したい」という思い (1/2)

ヒップホップアーティストのAK-69 が、9月6日に全国公開する映画『影に抱かれて眠れ』に出演しました。今回これに合わせ画撮影の現場の様子や、ご自身のストーリーの印象、解釈などを語ってもらいました。
AK-69が所属するのは、リアーナやジャスティンビーバー、ジェイZ、カニエウエストなど、ヒップホップ界のスーパースターが名を連ねる名門レーベルDef Jam Recordings。

彼はその日本におけるレーベル再始動後の、初のアーティストとなり、今国内では最も熱い注目を集めるヒップホップ・アーティストの一人となっています。


今回彼が出演した映画『影に抱かれて眠れ』は、小説家・北方謙三が手掛けたハードボイルド小説を映画化した作品。

主演を俳優の加藤雅也が務める一方で、AK-69 のほかにEXILEの松本利夫、湘南乃風の若旦那らも名を連ねています。

映画初出演となった今作で、AK-69は主人公・硲(はざま)冬樹と対等する暴力団のボス・三田村涼役を好演、個性的で雰囲気のある演技を披露しました。

今回はAK-69に今作の印象や、初体験となった撮影の感想などを語ってもらいました。


恵まれた機会から学べた、役者という仕事の奥深さ

──今回出演された映画『影に抱かれて眠れ』は、AK-69さんにとって俳優初挑戦の作品となりましたが、もともと俳優として作品に出るということを将来的にはやってみたいと希望していたこともあったのでしょうか?

AK-69:逆に苦手だと思っていた分野でした。

まあそれをかたくなに避けるという感じでもなかったんですが。

これまで自分のMVや武道館の映像で自分のドラマを、自分自身が演じるということをしたことはあり、そのときに難しさを感じたこともあって、それほど役者やろうということを考えたことはありませんでした。

ただ、2018年を迎えたときに「今までやってこなかったことに挑戦しよう」とこの年の目標を立てていたんです。

その中で、映画もできればやってみたいと勝手に思っていました。そんな時に、ちょうど今回のお話をいただきまして…


──青天の霹靂ですね。

AK-69:まさに。「願えば叶う」じゃないですけど、本当に運がよかったです。


──でも逆にこういうオファーが突然来ると、緊張もあったのではないでしょうか?

AK-69:もちろん。

まあプロデューサーの中野(英雄)さんからご連絡をいただき、和泉(聖治)監督にも撮影前に2回くらいお会いしたんですが、その時点でなぜかすごく緊張していましたし。


──また共演にはアーティストの若旦那さんや、EXILEの松本利夫さんも出演されていますが、もともとお二人とはつながりもあったのでしょうか?

AK-69:松本さんは現場が一緒になってご挨拶するくらいだったんですけど、若旦那さんは結構前から。

テレビの番組で一緒に出たりとかもしてますし、音楽を一緒に作ったことはないですけど、面識は以前からありました。


──完成した作品を拝見しましたが、若旦那さんの演技はかなりぶっ飛んだ感じというか(笑)

AK-69:(笑)。そうですよね。(僕は)あの役でなくてよかったなと思いましたけど(笑)


──でも「逆に負けられない」とライバル心に火が付いたようなところもあったのでしょうか?

AK-69:正直、意識したところはあります(笑)。

でも若旦那さんは役者をやりたい、と言ってやられているし、そんな若旦那さんを凌駕しようなんて…(笑)。

でも一方で俺は、今回はありがたいことに、初めての仕事で自分のイメージとそう遠くないものというか、自分の延長線上でできるという役をいただけて、しかもこんなトリの役をいただけて嬉しかったこともあり、同じアーティストとして、自分を出して若旦那さんとは違う良さを出せたら、とは思いました。

ただ、若旦那さんのあの役のプレビューを見せられたときに、マジで焦りましたけどね、「これ!?すげーな!」って(笑)。

まあ初めから彼がああいう役だと聞いていたのでよかったんですけどね。

彼のキャスティングは俺より後に決まったんですが、こういう役と聞いても「全然やりたい!」と自分から手を挙げたそうなんですが、そうしただけあるなとは思いました。

あそこまで狂った役はなかなかないですし、若旦那さんはスゲエはまっていましたし(笑)


──あんな人を目の前にしたら、本当に怖いですよね(笑)

AK-69:ですよね。違う怖さというか(笑)

──アーティストであるAK-69 さんの立場から、俳優という立場の方を見ると、どのような印象がありましたか?一番共演者として印象が強かったのは、共演時間が長かった主役の加藤雅也さんかと思いましたが…

AK-69:もう単純に「役者ってすげえな」と思いました。

役者にはアーティストとは違うオーラを感じました。

印象的だったのは、最初の撮影が、最後のシーンだったんですけど、そのときに二人で話していたんですけど、映画に対する考え方が全然違う。

俺なんかは特に初めてなんで、まずはセリフを覚えるために一回台本を読んだことで、俺はもちろん物語は把握したんですけど、このセリフをどういう表情で話そうかとか、そういうことばかりを考えていたんです。

でも雅也さんは、三田村涼と硲(はざま)冬樹という二人の男に対して「映画では明確にはそう書かれていないけど、本当は表裏一体なんじゃないか」みたいなことを言われたんです。

その二人の人間が「裏と表」みたいな、そういうものを表現しているんじゃないかって。

「俺は三田村の役を思えば思うほど、実は硲なんじゃないかと思えてくるんだよね」って話されていて、そのときには「うわっ、そこまでいくんだ…」と、考えの深さに驚きました。


──台本に書かれたストーリーから、見える範囲が違う感じで?

AK-69:そう。そんな現場への取り組み方とか、そこまで思いを巡らせて相手役と対峙するという姿勢に「ああ、これが役者としての雅也さんの在り方なんだな」と思って、すごく勉強になりました。


──大きな刺激を得られたようですね。AK-69さんの、実際の演技プランみたいなところはいかがでしょう?具体的に、実際に演技としてどう出そう、みたいなところはどのように考えられていたのでしょう?

AK-69:いや、事細かく「こういう風にやってほしい」ということは、特には言われませんでした。

中野さんや和泉監督からは「本当にAK-69 さんの素の感じでいいですよ」みたいな感じの言葉だけで(笑)。

だから本当に自分だけで考えました、この物語を読んで、セリフとかも自分で言ってみたり。そして感覚的にこんな感じかな、と演技に出してみました。

いい感じでいけたな、と思ったところもある一方で、逆にやっぱり演技は演技、役者さんの道も物凄いものだと改めて思いました。

演技に命を賭けてやっている人たちがたくさんいる中で、僕は初めてやらせていただいたこともあって、その奥の深さみたいなものも同時に感じましたし。


──実際に目前にしないとわからない部分でもありますね。

AK-69:でもちょっとおこがましい意見かもしれませんが、演技に入るときにスイッチを入れるという感覚というか、その気持ちの持っていき方に、俳優にはアーティストとすごく近しいものがあると思いました。

アーティストもスイッチを入れる職業なんですよね。あまりイケてないアーティストは、スイッチが入らないからステージの上で焦ったり、恥ずかしがっちゃったり、トークとかも不自然になっちゃう。

無理にしゃべろうとするから、なんかぎこちなくなったりとかするんです。それに対してイケてるアーティストって、パン!とスイッチが入るんですよね。

カメラもあって「はい、スタート!」となった瞬間にスイッチが入るという感覚というか。

また自分が今後映画の世界とかで、さらにスイッチを入れることができれば、もっといい演技ができるんじゃないかということは感じました、ちょっとおこがましいかもしれませんが、「もう一回やりたい!」と今すごく思っています。


──その意味では役者の方って、本当にすごいですよね。スタート!となった瞬間にスイッチが入って、カットが掛かったらパッと切れて、みたいに、その切り替えに迷いがないというか。

AK-69:そうなんですよね。俺はそこでまだ素になっちゃう自分が見え隠れしていたから、余計にすごいと思えて(笑)。

スタート!となる前から、雅也さんと表情を作り始めていたんですけど、俺はなんかえらくギョロギョロしちゃったりとか(笑)

もうスタートが掛かってカメラが回って、瞬きをしてはいけないときに雅也さんと目が合って、ふと素の自分になって目をパチパチしちゃったり(笑)。

「もう〜!スイッチ入れろ!自分〜!」と思った瞬間がよくありました(笑)

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