フェアリーズはライジングプロダクション所属の6人組ダンスボーカルグループ。必然的に先輩であるMAX、SPEEDらと、そして多くの現在進行形のグループアイドルらと比較される宿命にあります。
2014年2月発売の『Run With U』。
この曲の振付担当は南流石。独特なエクササイズのような振付が特徴です。この曲だけ、これまでのフェアリーズの振付とセンスが大幅に違うことから「路線変更」「迷走」「黒歴史」とも言われた曲です。
しかし、これはフェアリーズの新たなる挑戦だった曲。元気な雰囲気は出すことには成功しました。
"太陽が昇る 地平線の向こう 希望のかけらが きらりと光ったよ"
このグループはこの歌詞のとおり、地平線の向こうに見えるきらりと光る希望のかけら目がけて走っています。希望とは地平線の向こうにわずかに輝いているだけ。でも走る。迷走と言われようが走ります。
"さぁ今走り出せ 大地を蹴飛ばして
run, run, run, run with you run, run, run, run with you
ふたり一緒ならば ときめきは止まらない
run, run, run, run with you run, run, run, run with you"
大地を蹴飛ばして一緒に走ろうという健康的な歌詞。ファンに呼びかけています。アニメ『ジュエルペット ハッピネス』の主題歌だったこの曲は低年齢層のファンに呼びかけた曲でもあります。だからダンスも分かりやすさを追求したんですね。
歌詞内では「you」を使っていますが、タイトルでは略語で使う「U」を使っています。これはなぜでしょうか。
まず「you」よりも「U」のほうが表記した際に目に入りやすい、分かりやすいという面があります。
そしてこの「U」には一度落ちても再びのぼるようなU字に上がっていく姿勢の表現。
フェアリーズは2014年にシングル初動が11位まで落ちましたが、2015年には『Kiss Me Babe/ひらり』で初登場5位まで行き、枚数も自己ベストを更新しています。落ちたとしても再び上がるんですね。
そして「U」はUPの意味でもあります。このグループは上へ上へと着実に昇っていくことを目指しているんですね。
この曲はなんだかんだでライブでは盛り上がる曲になりました。曲に元気が出る前向きな力があり、そしてメンバーに魅力があったからです。
この曲は迷走ではなく、助走をつけ疾走し快走するための曲だったんですね。
"雨上がりの空に 見て虹が出てるよ"
雨が降ってもこのグループには虹が出るんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)