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miwaが「リブート」の歌詞に描いた等身大の凪の姿とは

「アラサー」「三十路」。これらは、女性にとっては大きな1つの壁となり立ちはだかる言葉である。自身もその年齢を迎えたmiwaは、ドラマ『凪のお暇』の主題歌をどのような想いで生み出したのだろうか。歌詞に持たせた意味を探っていく。
先日結婚&妊娠が発表され、公私ともに大躍進中のmiwa。

今回の新曲『リブート』は、TBS系ドラマ『凪のお暇』の主題歌として書き下ろされた一曲だ。

ドラマ開始前に29歳を迎えていたmiwa。

30歳を目前に生き方を見つめ直し、新たな人生を歩もうと奮闘する本ドラマの主人公・凪のテーマソングをどの様な意図で描いたのだろうか。



凪というアイコンで描いた現代女性の葛藤


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ああすれば こうすれば
こうしたらなんて考えて
進めないでいるなら
複雑な感情 全部捨てちゃえ
≪リブート 歌詞より抜粋≫
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非常に印象的な歌い出し。ドラマでもここぞというところで入り込む。現代人の心を軽くしてくれるような、ストレートなフレーズだ。

“あのとき、こうしていれば良かった・・・”、“やってみたいけどこうなったらどうしよう・・・”など、無意味だと分かっているのに後悔してしまったり、やる前から不必要なほど考え込んでしまい停滞している状態。

身に覚えのある方も多いのではないだろうか。

ドラマ『凪のお暇』は、主人公・凪が28歳にして人間関係や家財など、今までの生活のすべてを捨てるところから始まった。

恋人の裏切りをきっかけに、大きな決断をした凪。

しかし現実的には、年齢に関する問題や葛藤により、なかなか行動を起こせない女性も多いのではないか。

おそらくこのフレーズは、凪に対するエールとしてのみ存在する訳ではない。現代社会に生きる女性達への提案でもあるのだろう。

何を始めるにも、何を捨てるにも勇気が必要だと感じてしまう女性達に対する、明るく優しいアドバイス。それを、凪の姿に重ねようとしたのではないだろうか。

「捨てちゃえ!」という可愛らしくあっけらかんとした言葉遣いも、妙にポジティブな印象を与える。miwaならではの言葉選びであろう。

捨てた関係、拾った関係


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求めたのは ユートピア
あなたからは ノーリプライ

迷い込んだ ラビリンス
あなたには 隠すエスオーエス
≪リブート 歌詞より抜粋≫
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韻を踏んだリズミカルで楽しげな歌詞に聞こえる。が、ドラマの内容を絡めると、どれも凪の人間関係を彷彿させる意味深なキーワードだ。

普通の日常を普通に送り、普通に愛されたいだけのはずなのに、凪のそれはどんどん普通から遠ざかる。

自分を裏切った恋人。上辺だけのコミュニケーションで成り立っていた友人。居心地の良さだけで成立させてしまった新たな恋。

ユートピアを求めて歩いているはずなのに、いつの間にかラビリンスへと迷いこむ。

誰にもSOSを出せないまま、周りからも気にかけてもらえない辛さを感じている。


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これで良いの 間違ってないよね
微妙なメリット 気まずいサルート
華麗にイグジット 共に笑うアミーゴ
≪リブート 歌詞より抜粋≫
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対して、今は断捨離生活によって得られたたくさんの新しい出会いがあるのだ。

捨てたものと、新たに得たもの。天秤にかけて損得を計ることはできない。自分の決断が正しかったのかは、誰にも分からない。

不安になることもたくさんあるが、それでも新しく築けた人間関係は素晴らしいものだ。

凪の人間性を認め、傍でその決断を後押ししてくれる周囲の人々。彼らがいるからこそ、凪は自分の道を進み続けることが出来るのだ。

すべてを捨ててから得られるものとは


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ああしたい こうしたい
こうしたら なんて言わなくちゃ
叶わないままでしょ
高いヒール蹴散らし舞い上がれ
信じてる 信じてる 信じてる
私は私 幸せになるんだ
複雑な感情 全部捨てちゃえ
≪リブート 歌詞より抜粋≫
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自分の想いを伝えたかったり、自分のやりたいことがあるならば、自分自身から発信しなければ何も始まらない。

それを迷い、躊躇する理由など何もないのだ。

その事に気づき始め少しずつ成長していく凪の姿は、観る者に大きな勇気を与えてくれる。

空気は読むものでなく、吸ってはくもの。周りの人間や環境に流されない、自分の意志で自分の生き方をすること。

ドラマで描かれる凪の生き様と、それに際限無く寄り添った歌。この歌詞は、きっとmiwa自身が思う理想の生き方そのものなのだ。

TEXT 島田たま子

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1990年6月15日 神奈川県葉山生まれ東京育ち 15歳の頃よりキャロル・キングやシェリルクロウに憧れ、ギターでオリジナル曲を作り始める。 ほどなく音楽関係者の目に止まり、約1年半の育成期間を経て、大学1年19歳の時に、シングル「don't cry anymore」でデビュー。 発売日に渋谷エッグマン···

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