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【インタビュー】sajiの新曲、明日の自分は「ずっと」未定。だから「きっと」…。歌詞の向こうにある希望。

saji(ex.phatmans after school)が、改名して初のシングルをリリースする。『ツバサ』はTVアニメ『あひるの空』のエンディングテーマにもなっている、爽やかなポップチューン。このバンドの詩曲を手掛け、他アーティストにも多数曲を提供しているヨシダタクミ(Vo,G)のクリエィティビティーが存分に発揮されたグッドメロディーと、こだわり抜いて綴る「生きた言葉」に、ますます磨きが架かった印象だ。3人揃って登場。

公開日:2019年10月23日 更新日:2019年10月24日

Interview

伊藤亜希


この記事の目次
  1. ・各部屋に漫画スペース
  2. ・きっかけはクリスマスプレゼント
  3. ・タクミの武器
  4. ・明日の自分には……
  5. ・曲の中に必ず入れること
  6. ・ヨシダチャレンジの行方
  7. ・カップリングもチャレンジ
  8. ・プレゼント応募について
  9. ・saji 最新情報
  10. ・ライブ情報
  11. ・イベント情報
  12. ・リリース情報
  13. ・saji Profile

各部屋に漫画スペース

──TVアニメ『あひるの空』のエンディングテーマということで、唐突ですが普段から漫画は読まれますか?

ヨシダタクミ:僕の両親、少年漫画、青年漫画、ほぼ全部毎週買っていたんですよね。

ユタニシンヤ:高校生の時、よくタクミの家に行ってたんですけど、だいたいの部屋に漫画があるんですよ。


──漫画部屋じゃなくて、すべての部屋に漫画スぺースがあったということですか?

ユタニ:そうなんです。


──なるほど。昔から漫画は読まれてきたんですね。ちなみに『あひるの空』以外でバイブルと呼べる作品はありますか?

ヨシダ:うっわぁ、むっずー。

ユタニ:全然、絞れない。


ヤマザキヨシミツ:旧作でもいいですか?ダメですか?

(しばし、3人、喧々諤々……)


──いきなり問題発言しましたでしょうか、私。

ヨシダ:いえいえ。でも、選ぶのが、すっげ、難しいんですよ(笑)。小さい頃から読んでたから、ありすぎるというか。すぐは絞れないというか。『あひるの空』もそうですが、僕、バスケットやっていたっていうのもあって『スラムダンク』です。

ユタニ:僕は『るろうに剣心』ですかね。週間の少年漫画誌に連載されていたのは、僕が小学生の頃だったんですけど、その時にはあんまりはまっていなくて。中学時代に『るろうに剣心 追憶編』を読んで「なんだこれ、面白い」ってなって、そこから単行本を買って読み始めて、はまりましたね。

ヤマザキ:旧作だったら『幽遊白書』。今連載中のなら『MAJOR』です。


──ヨシダさんは、バスケットをやっていたんですね。

ヨシダ:バスケは、地元の少年団みたいなチームに入って、小中とやってました。僕らのチームって、全国的な平均からすると身長が低くて。僕、当時170㎝ちょいだったんですけど、その僕がセンターを務めるようなチームだったんです。で、僕、そもそも運動、得意じゃなかったんですよ。でも僕の親父が元々バスケ選手で、インターハイまで行ったような人だったんですね。兄貴も陸上やってて、それなりの戦績を残していて。でも僕はあまり運動は得意じゃ無かった。

小学生の頃って、どんな夢でも見られるじゃないですか。プロ野球選手でも、サッカー選手でも、それこそ何でも目指せる。でも僕はわりと早い頃から達観していて、そういう夢が無かったんですね。家族、親戚の中でも、勉強もスポーツもあまり得意じゃ無い。まぁ、なんでも、そこそこというか(笑)。だから、やる気が無かった。やる気が無いって、努力しないから伸びない。そういう子供だったんですね。

きっかけはクリスマスプレゼント

──そこからどうやって音楽をやろうと?

ヨシダ:で、そんな中、兄貴がクリスマスプレゼントでカシオの電子キーボードが欲しいって言い出して。当時、鍵盤が光って、そこを追って押していくと曲が弾けるっていうキーボードが流行ってたんです。確か、2000年初頭くらいでしたかね。元々、そのキーボードに入っていた曲が椎名林檎さんの「罪と罰」とかだったから。でも、小学生のプレゼントにしては結構高かったんですよ。だから兄貴が「お前の分と一緒にして、クリスマスプレゼントで買って貰おう」って、俺に持ちかけて来て。


ユタニ:よくあるよね、そういうパターン。

ヨシダ:そう、兄弟あるある。で、買って貰って、最初は兄貴の部屋に置かれてたんですけど、兄貴すぐあきちゃって、僕のモノになったんですね。それから、毎日夢中になって弾いてて。学校の教室にあるオルガンでも、弾いたりしてたんですね。そうすると人が集まってくるじゃないですか。で、「あ、俺、音楽向いてるかもしれないな」と思って。そこからずっと音楽ですね。こういう風に、小学生の頃、自分に自信が持てるフィールドが見つけられたから、得意気になって始めたっていうのが、そもそもの起源で。そこからいろんな楽器を触って、気が付けば、今……って状態。


──なるほど。

ヨシダ:いろんなものを諦めてから見つけたものが音楽だった。あれでもし、俺が運動神経めっちゃよかったら、アスリートを目指していたのかもしれないし。逆に劣等感があったから、音楽を見つけられたのかもしれない。


──音楽で諦めそうになったことは?

ヨシダ:無いですね。諦めそうになるくらい、まだ全然やれてないと思うし。極論で言ってしまえば、生きるために音楽やってるって思ったことは1回もなくて。音楽やってるのがすごく楽しくてやってたら、たまたま生きているって感覚に近いっていうか。音楽やめたら、生きているのも楽しくないと思うし。こう……自分のやりたいことを探したくて生きている……とか思ったことは無いですね。ただ、僕みたいな人間でも生きていけるっていう意味では、この世界はある程度優しいと思う。みんな辛いって言うけどね。


──そうですね。世論も長い間、そんな風潮ですし。

ヨシダ:ですね。でも、僕はそんな辛くないと思うんです。僕らのお客さんも、よく言っているんですね。「夢がまだ見つからないんです」とか「生きていくのが辛いです、どうしたらいいですか」って、良く言われるんですけど。でも生まれた時から使命持ってる人なんて、いないじゃないですか。例えば「僕は、この国を救うために生まれて来た」とかっていう人、1人もいない。


──あぁ、使命を果たすためというか……目標を持つために生まれて来た人間ってことですね。

ヨシダ:そうそう。親の教育方針とか、育つ環境とかいろいろ違いはあると思うけど、大切なのは分岐点、転機だと思うんです。例えば、20歳まではやりたいこと見つからなかったけど、25歳の時に見付けて大成する人もいるから。


──なるほど。人生の上での分岐点をどれだけ敏感に感じて、自分自身で選択していくのが大切。

ヨシダ:僕はそうだと思いますね。

タクミの武器

──曲のお話しを。「ツバサ」を作ったのはいつ?

ヨシダ:これは2年前くらいの曲なんですよ。その頃、既に、今回のタイアップのお話しはいただいていて。僕なりに曲の設計図を書いて、仕上げたのがちょうど1年半前。レコーディングも1年前に終わっている曲なんですね。だから、今の自分だったら、もう少し違った視点で書いた可能性はありますけど。でも、曲作り、特に歌詞はその場その場のタイミングでしかないので。活動を続けていく中で、歌っていくことで変わっていくことも当然あると思うので。


──ユタ二さん、この曲を初めて聴いた時の印象は?


ユタ二:確かあの時は、データ送られて来て、パソコン開いて部屋で聴いて。「爽やかな曲だなぁ」と思いましたね。

ヨシダ:今懐古するおじいさんみたいだったぞ。「確かあの日は……」って。

ユタ二:「たぁしかぁ~、あの日は……晴天で……」(一同大爆笑)


──(笑)文字では伝えにくいです、今の語り部口調は。

ユタ二:(笑)。「ツバサ」は、どうギター入れていこうとか、迷った覚えがありますね。これまでの曲には、あまりギターでハモリとか入れなかったんですけど、この曲ではハモリを入れて、よりクリアで綺麗な印象になるように作ったりしてましたね。


──ヤマザキさん、いかがでした?

ヤマザキ:まったく覚えてないです(一同爆笑)。


──わかりました。では、今改めて聴いてどう思います?作った本人を目の前にして質問するのもなんですが。

ヨシダ:はははははは。

ヤマザキ:いや、普通に本人にも言ってるんですけど(笑)、いい曲だと思いますね。


──ヤマザキさんにとって、いい曲とは? 

ヤマザキ:やっぱりいい曲って、作る人によって違うっていうか。タクミだったら、ハードな曲よりポップな曲歌った方がカッコいいと思うし。得意分野、武器をうまく使ってるなって思えるようなバンドが好きだし、いいバンドだなと思います。


──とすると、sajiは、そのマッチングのレベルが高いですね。

ヤマザキ:そう思いますね。

明日の自分には……

──「ツバサ」の歌詞について伺いたいんですけども。「ずっとずっとずっと」「きっときっときっと」というフレーズがありますよね。ここのメロディラインって、たぶん、他の言葉でも成り立つんじゃないかと思ったんです。


ヨシダ:あぁ、なるほど。確かにそうですね。


──でも、そうしていない。同じ言葉を3回重ねてる。すごいな、と。意図したところはあったんですか?

ヨシダ:歌詞は本当に曲によりけりなんです。曲によって、言葉の言い回し変えるんですけど、「ツバサ」に関しては、僕が『あひるの空』をリアルタイムで読んでたことも大きかったですね。これは良く言ってることなんですけど、昔の僕、少年時代の僕が聴いて、いい曲かどうかっていうのを基準にして、曲を書いてるんです。大人の俺が聴いてカッコいい曲かではなく、音楽を知ったばかりで、音楽的な知識は無いけど、ただ音楽に夢中だった中学生の自分が聴いて、あのアーティストいいなと思えるような曲を今作れるかどうか、なんですね。


──あぁ、めっちゃ納得しました。すごく言い得てます。

ヨシダ:で、「ずっとずっとずっと」「きっときっときっと」に関しては、これはリフレインの手法でしかないんです。そこから言葉の歌詞の部分にフォーカスすると、僕のポリシーが出ているというか。僕、基本的には明日に対して希望を持ちたいんですよ。昨日、今日が辛いっていうのは、よくある話じゃないですか。でも、明日も同じ様にこうなんだろうなっていう考え方に関しては、僕は否定派なんです。だから、曲でも映画でも漫画でもバッドエンドがとにかく嫌い。なんで俺の心をこんなに締め付けた状態で、この作品は終幕するんだ、と、いつも思う。だから曲では、どんだけ鬱屈した感情を伝えたとしても、最後は多少無理があったとしても希望で締めるんです。



──それはシンプルに、さっき言ったように、中学生時代の自分がそういうのが好きだから?

ヨシダ:それもあるけど、今日がどんな日であっても、明日以降の自分、明日以降の未来って常に未定じゃないですか。昨日までの自分には期待できなくても、明日の自分には少し期待できるかもしれない……と思うのが、生きていくことだと思うんですよね。


──うん、うん。

ヨシダ:だから「ずっとずっとずっと」「きっときっときっと」っていうのは、わからないって意味合いが含まれている。わからないけど、こうであって欲しいなって時に、人間は「ずっと」や「きっと」を使う。例えば「君をずっと幸せに……」とか。


──本当だ! 確約されてないけど、確約が欲しいって希望する時に使われる言葉だ。

ヨシダ:そう、願いの言葉なんです。僕もそういう表現が好きなんで、そういう言葉を使ってますね。


──「きっと」も「ずっと」も、希望に続く言葉ですね。

ヨシダ:そうですね。未来はこうあって欲しいって曲なんですよね。

▲saji-「ツバサ」MUSIC VIDEO

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Vo./Gt. ヨシダタクミ Gt. ユタニシンヤ Ba. ヤマザキヨシミツ 【saji-サジ-とは】 北海道出身の3人組バンド。2010年に「phatmans after school」を結成。 全楽曲の作詞・作曲を手掛けるVo.ヨシダタクミの透き通る歌声、圧倒的で叙情美溢れるメロディーライン、 そして葛藤や憂いをスト···

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