1996年発売、PUFFYのデビュー曲にして代表曲『アジアの純真』。ミリオンヒットを記録した楽曲です。
井上陽水作詞、奥田民生作曲という豪華な布陣のこの曲。アジアや世界を旅する気持ちの高揚感を歌っています。これは同時にアーティストとしてデビューする高揚感につながっているんですね。
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白のパンダを どれでも 全部 並べて
ピュアなハートが 夜空で 弾け飛びそうに 輝いている 火花のように
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サビに出てくる「白のパンダ」。パンダという人気のある動物。それがさらに白黒ならぬ白が目立つ状態、つまり明るい状態なんですね。これはデビューの高揚感の象徴。
2015年11月リリースの曲『パフィピポ山』では「白のパンダもよく見りゃ茶色」と歌っています。
年を重ねた証ですね。この『パフィピポ山』も今のPUFFYだからこそ出せる魅力がつまっています。
「ピュアなハートが 夜空で 弾け飛びそうに 輝いている」という歌詞はデビュー曲ならでは。デビューしたてのピュアなアーティストの状態を指しています。
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北京 ベルリン ダブリン リベリア
束になって 輪になって
イラン アフガン 聴かせて バラライカ
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印象的な冒頭の歌詞。この曲のタイトルは『アジアの純真』ですが、実は歌詞はドイツの首都ベルリンやアイルランドの首都ダブリン、西アフリカのリベリア共和国などアジアではないんですね。バラライカもロシアの弦楽器です。しかし言葉の響きでアリにしてしまっています。アリというよりも、アジア人のPUFFYが世界をまたにかける歌詞になっています。
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火山 マゼラン シャンハイ マラリア
夜になって 熱が出て
多分 ホンコン 瞬く 熱帯夜
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こちらの歌詞も印象的。「夜になって 熱が出て」は、香港の瞬く熱帯夜を表しているのはもちろん、火山も指しているし、感染症のマラリアも指しています。危険と興奮が隣り合わせな状態を示しているんですね。
まさに「開けドアー」の号令と共に世界を旅する歌詞。そしてこの世界をまたにかける歌詞が予見していたのか、PUFFYはアジアどころかアメリカにまで進出します。なんと2004年にはアメリカのテレビ局でアニメが制作されました。『ハイ!ハイ! パフィー・アミユミ』のタイトルでPUFFYをモデルにしたテレビアニメシリーズ。日本人アーティストとしては異例中の異例ですね。
“ピュアなハートが 世界を 飾り付けそうに 輝いている”
まさにこの歌詞どおりに世界を飾り付けていったPUFFY。『アジアの純真』とは、ピュアなハートを持ったPUFFYそのもののことだったんですね。子育てしながら2016年には20周年をむかえるPUFFY。アジアの純真の二人は今なお輝いています。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)