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【インタビュー】阪本奨悟がラグビーアニメ主題歌にトライ! (2/2)



遥馬理久と阪本奨悟の共通点

──書き下ろしという形で書かれた『無限のトライ』ですけど、歌詞では「トライ」ですとか「ナイト」っていうアニメと関連したワードをも組み込まれていました。この歌詞を書くにあたって悩んだところですとか、エピソードを伺いたいと思います。

阪本奨悟:『無限のトライ』は今までのタイアップと比べてとてもスムーズにスッと書きたいことが生まれて、それがすぐに骨組みにも想像できた感触があって。

というのも、僕が声を担当させていただいているアニメの主人公の遥馬理久っていうキャラクターはラグビーを幼いときに一度挫折したけど再び高校ラグビーを始めて、仲間と出会うことで「また頑張りたい」って思うんです。

そういった生立ちが僕にとってもすごく共感できて。僕も1度芸能界を小さい頃から始めて、高校の時にちょっと迷ってストップしてしまったこともあって。その時も音楽がすごく大好きだったので、音楽でもう一度一から自分の力で積み上げたいなって思って始めたりもしているので、遥馬理久というキャラクターにリアルに共感できたんです。



──ご自身のことを書くような感覚で。

阪本奨悟:はい、自分にとっては自分の人生そのまま書けばいいだけなんだっていうくらいの感覚であって。今回本当に自分の分身のような曲をタイアップにしていただいたんだなっていう風にすごく感謝しています。


──なるほど。もう一度業界に戻ってきて今のステージに立っているからこそ書けた歌詞っていう感じですね。

阪本奨悟:そうですね、改めてあの時の気持ちを。僕も大阪にいたときは一人で始めるのが怖くてなかなか始められなかったので、リアルに覚えてるいんです。なので、改めてこうやって思い起こして書けたっていうのは幸せだなと思います。


──こういう言葉こそ今まさにそういうところでくすぶっている世代に刺さる言葉になっていくんだなと思いました。曲やアニメが何か後押しになるといいですよね。

阪本奨悟:そうですよね。日本では本当になくて、小さい頃は大体みんな野球とかサッカーとかをやられている方が多いので、そこからラグビーに変わっていく、もともとはサッカーを好きでやっていたっていう選手も多いみたいですね。

野球とかサッカーとか陸上とかだったんだけど、でも高校からラグビーっていう部活が出てきたからやってみようと思って、そこからやったらすごく才能が開花したみたいな人も多いみたいです。


カップリング曲『永炎(えいえん)』

──今作、カップリングで入っているのは『永炎(えいえん)』。タイトルかっこいいですね!!

阪本奨悟:ありがとうございます。ちょっと凝らせてもらいました。


──これも「トライナイツ」の主人公をイメージされた曲なのかなっていう印象がありました。

阪本奨悟:確かに学生の話でもあるので、そういったところもイメージはしているんですけど、これも今の自分の考えや想いをそのまま書かせてもらった楽曲でもあります。

『無限のトライ』でもそうなんですけど、僕が大阪にいるときとか、また東京に出てきたときに一緒に頑張ろうって言ってくれたスタッフさんだったり、家族の存在だったり色々な方々を想像して書かせてもらいました。

かれこれメジャーデビューして3年目になるんですけど、もともと大阪で始まったあの時の気持ちとか、改めて今走っている途中の僕が思うこと、どこかつきまとっているもどかしい思い、でもそれ以上にやりたいことがあって楽しんでいて、将来に対してときめきながらやれていることがすごく自分にとっては幸せなことなのかなって思うので、改めて『無限のトライ』の世界から約5年後くらいをイメージして書きました。そういった自分の今の正直な気持ちに向き合って制作した楽曲になります。


──割と今の等身大な。

阪本奨悟:そうですね、今の等身大な歌だと思います。


──阪本さんにとっては等身大、アニメの主人公たちでいうと5年後くらいのイメージということですごくしっくりきました。そしてこの歌詞について、「やがてこの夕陽は」から始まる最後のフレーズが詩的でとても素晴らしいなと思いました。どういうイメージで書かれたのか伺わせてください。

阪本奨悟:夕陽でイメージするものって、僕の中では黄昏だったりとかふと我に返って喧騒を抜け出した時のちょっとした静寂みたいなものなんですけど、そういったイメージで夕陽という言葉を使って、”ちょっと仕事帰りふと疲れた時に黄昏ながらあの頃のことを思い返してる様子”っていうのを書きたいなと思って。

でもまた朝陽になると色々な人が仕事に出掛けたり学校に行ったりとか動き出すんです。そのギャップと言うかコントラストを表現することで、今はこういう黄昏ている自分だけど、多分明日にはまたバタバタと喧騒の中に行くんだろうなっていうのを書きたかったです。


──自分と向き合ってみた夕陽の時間帯を経ての、ちょっと昨日とは変わった自分で朝陽を迎えてまた一日過ごしていく、みたいなイメージですね。

阪本奨悟:そうですね。



──「少年二人に小さく手を振った」っていうのはやっぱり過去の僕らみたいなイメージなのかなって思ったんですけど...。

阪本奨悟:そうです、そういうイメージです。ただ、ここが一番僕はこの歌詞の中で迷った部分でもあって、最初は「小さく微笑んだ」とかにしていたんですけど、やっぱり「小さく微笑む」だと色々捉え方によっては難しなと思ったり。

「手を振った」とは書いてはいるんですけど、曲を受け取ってくれる皆さんにそれぞれ捉えてほしいなと思ったところです。僕のイメージではあるんですけど、歌詞で言葉を選ぶにあたっては、委ねたいなっていうところではありました。


──あんまり限定的にしないような言葉選びっていうのは『永炎』通して思われていた部分だったりするんですかね。

阪本奨悟:そうかもしれないです。


阪本奨悟お気に入りの歌詞

──2曲を通して阪本さんご自身が気に入っている歌詞のフレーズをピックアップしてご紹介いただきたいなと。

阪本奨悟:あります!『無限のトライ』なんですけど、この曲ってすごく挫折していた人間が自分の不甲斐なさみたいなものにがっかりしている様子っていうのがAメロから始まっているんです。

でも本当に欲しかったものっていうのはきっと結果とか色々なものよりも、がむしゃらになれる何かだったり、楽しいと思える、夢中になれる瞬間なんじゃないかなって、僕も強く思っていて。

仕事にしていくと結果はやっぱり大いに求められるところだと思うので、それに捉われすぎないでいたいなって思うんです。それ以上に結果がうまく出ない時ですら楽しんでいたいというか、それすら楽しめるようになりたいなっていう思いが、「本当に欲しかったものは」からの3行に綴れたと思うので、今の自分の核心を表現できたと思います。


──ありがとうございます。私もスポーツの経験あるんですけど、そうだったのかもしれないことに今気づかされました(笑)。本当に欲しかったものってそうかもしれない。

阪本奨悟:確かにスポーツでも、点数っていう一つの結果があって、勝敗があるけど、でもラグビーで言うとノーサイドっていう精神があって、試合が終われば試合結果云々、敵味方関係なく称えあうっていう精神があったりするので、一番大事にしていたいところなのかなってスポーツを通して思ったところです。


──素晴らしいコメント...。このインタビューと『無限のトライ』が世界を変えそうですね!

阪本奨悟:いやいや(笑)そんな、大それた...(笑)。


──話が逸れてしまいましたが、この「本当に欲しかったものはただ我武者羅になれるこの瞬間(とき)と感情」というフレーズが生まれてきた瞬間って何かきっかけがあったんですか?

阪本奨悟:そうですね、音楽を始めてからになります。最初は結果が全てだと思っていたんです。でも本当に結果ってなかなか出なくて、大阪にいる時も路上ライブやればすぐに人が集まると思っていたんですけど、全然集まらなかったりとかしていて、そうこうしてるとちょっとした鬱みたいになってくるんですけど、でも「なんで自分は音楽をやるんだろう」って、結果そこに辿り着くんです。

となると、好きで楽しいからやってるんだなっていう風に、その度に思うので、常々その気持ちで自分を鼓舞しながら走ってきた、で、今も走っているんです。


──その時に見つけた答えはなくさずにずっと今も持ち続けられているっていう感じですね。

阪本奨悟:そうですね、変わらず。


──ありがとうございます。それでは最後になりますが、インタビューを見てくださった皆さんに一言いただければと思います。

阪本奨悟:今までラブソングはよく歌わせていただいていたんですけど、今回の3rdシングルに関しては、夢だったり、目標というところにフォーカスしてパッケージ化されたものだと思うので、今何かに頑張ってます、仕事頑張ってますっていう人だったり、学生さんだったら勉強とか色々なところにきっと共感していただけるメッセージになっている自信があるので、沢山の今頑張っている人たちに向けてエールになればなと思っているので、いっぱい聴いていただけたら嬉しいです。


──本当にいっぱい届いてほしいと思います。ありがとうございました、インタービュー以上になります。

阪本奨悟:ありがとうございました。



TEXT 愛香
PHOTO 片山拓

兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター。過去にミュージカル「テニスの王子様」やNHK大河ドラマ「江~姫たち の戦国~」に出演し、役者としての将来を期待されるも、音楽への強い思いからその道を選び、東京を離れ、地元兵庫にて単身音楽 活動を開始。2年間の自主活動を経て、2014年シ···

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