雪を楽しむ2人
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「キライだよ。冬は寒いから。」 と 話す君に
「今年から、冬が好きになる!」 と あげたコート
そでを通したり 床に広げたり はしゃぐ笑顔
連れて部屋を出れば
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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白い雪にさえ温もりを感じてしまいそうなほど、幸せにあふれる2人のやりとり。
お気に入りの洋服が新しく増えると、女性ってついついお出かけしたくなりますよね。
彼からもらったお気に入りのコートがあれば、それを着ておめかしできる冬が好きになったりすることも。
さっきまで「冬は寒いからキライ」と言っていたのに、もらったコートにはしゃいで「早くお出かけしよう!」と言いはじめる無邪気でかわいい彼女の姿が思い浮かびます。
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白い冬が街に降りて来た
雪の降らない僕等の街に
二人 手と手を重ね見上げた
空一面の粉雪
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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ほとんど雪の降らない街に珍しく降ってきた雪。
滅多に見られない美しい景色を2人で分かち合えた幸せを歌っているのでしょうか。
愛する人との別れ
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三月の風が窓のすき間 光る頃に
少しずつ 片付けたこの部屋 広いんだね
二つずつの物が一つになれば
心さえも いつか一つずつに
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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一緒にはしゃいで幸せだった冬も終わり、2人は別れを迎えます。
2人で暮らしていた部屋から彼女は出て行くこととなり、そのために自分の荷物を片付けていくのです。
箸や食器、ハブラシなどペアで揃えて持っていたものも、彼女の分が無くなればそれはただ1つだけの、自分だけが使う物でしかありません。
2つで1つのセットだと思っていたものも、離れてしまえば単なる1つでしかなくなるのです。
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そっと笑いかける君の顔
今は小さなフレームの中
壁にもたれたレコードの裏
戻らない時の記憶
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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目の前でいつも見ていた笑顔も、今は写真という過去の思い出の形でしか見ることはできません。
もう戻ってくることのない過去を引きずっている主人公は、まだ彼女に未練があるようです。
雪の日の思い出
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ざわめく夏が 色づく秋をこえて
やりきれない静けさの中で 曇る窓に君想えば…
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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夏は明るくて賑やかで、秋は色づいて華やか。
そうした季節を越えて寒い冬が来ると、人恋しくなることもありますよね。
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白い冬が街に降りてくる
壁に並んだ二つのコート
そでが重なり まるで あの日の
僕とあなたの様です
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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そんな時に思い出すのはコートをあげた彼女のこと。
彼女は別れて家を出るときに、彼からもらったコートを置いていったのかもしれません。
主人公は残ったコートを捨てることもできず壁にかけたままで、自分のコートと重なっているところを見ると過去の記憶が蘇ってきます。
壁に並んだコートと同じように寄り添い合い、手を重ねて過ごしてきた彼女との日々の思い出です。
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いつも同じ言葉で結んだ
届くはずの無いこの手紙を
今日も机の奥にしまった
出来る事なら今すぐ
この冬空を駆け抜け
あなたに会いに行きたい
≪雪の降らない街 歌詞より抜粋≫
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彼女ともう一度やり直したいけど、無理なことはわかっているから気持ちは届けずにしまっておきます。
それでも、もし叶うのであれば「あなたに会いに行きたい」。
溢れ出す切ない言葉で締めくくられた歌詞に胸が締め付けられます。
別れてしまったことは辛く悲しいですが、ここまで心から深く愛せる人と出会えた恋とはとても素敵ですね。
TEXT ぽんつ