唯一無二の楽曲とライブパフォーマンス
KISS(キッス)は1974年に発売されたアルバム『KISS』でデビューした世界的ロックバンドです。白塗りのメイクや中世の騎士のような衣装、血を吐いたり、火を吹いたりするライブパフォーマンスでも知られています。
オリジナルメンバーは、ジーン・シモンズ(b)、ポール・スタンレー(Vo,g)、エース・フレーリー(g)、ピーター・クリス(ds)の4人。
現在は、ジーン・シモンズ、ポール・スタンレー、トミー・セイヤー(g)、エリック・シンガー(ds)の4人で活動しています。
KISSの最大の魅力は、なんといってもストレートなハードロックのかっこよさと、他の追随を許さない唯一無二のライブパフォーマンスです。
その二つを併せ持ち、45年もの間に渡って世界の音楽シーンの第一線で活躍している稀有なアーティスト。それがKISSなのです。
気持ちよく聴けるストレートなロック
KISSの楽曲について、もう少し掘り下げてみましょう。
一度見たらハマるKISSのライブパフォーマンスですが、元となる楽曲がリスナーの心を惹きつけているからこそ、輝いているのですよね。
KISSは楽曲そのもののファンがとても多く「家でCDを聴いているだけで幸せ」という声も多く聞きます。
また、KISSの衣装やメイクはときに「奇抜」と表現されることもあります。しかし、彼らの楽曲は、聴いていて気持ちよくなるほどのストレートなハードロックで、爆発的なヒットに結びつく「誰からも愛される真っすぐさ」があります。
KISSの魅力を一言で表すなら「国や言葉の壁を超えて、誰もが口ずさみ、踊りたくなるロック」だと言えるでしょう。
幅広い世代で楽しめるKISSの音楽
KISSは、幅広い世代のファンがいるのが特徴です。
まず、日本の音楽ファンにとって、まだまだハードロックの黎明期といえる1970年代のデビュー当時に、KISSによって洋楽に目覚めた世代。
次に、洋楽好きな親の元で「胎教もKISSだった」「子守唄がわりにKISSを聴いていた」という「洋楽ネイティブ」とでも表現したくなるような世代。
そして、2015年にKISSと人気アイドルグループ『ももいろクローバーZ』がコラボレーションしたことをきっかけにKISSが好きになった世代。
そんな幅広い世代のファンの中には、親子でライブに来る人も多いそうです。「自分が観て感動したライブに、子供が大きくなったから連れてきた」というのは、45年も輝き続けているバンドならではのもの。
KISSアーミー(KISSのファン)の遺伝子が、しっかりと受け継がれているのですね。
KISSのおすすめの名曲5選
そんなKISSもついにファイナルツアー「END OF THE ROAD WORLD TOUR」の一環として、2019年12月に通算12回目にして最後の日本公演に臨むことになりました。そこで、ファイナルツアーで演奏されることを願って、おすすめの名曲5曲を紹介します。
1970年代から活躍しているアーティストのため、楽曲の正確な売り上げランキングが存在しないようなので、個々の売り上げを参考に、日本ならではのヒット曲も含めました。
熱いKISSの名曲を、是非この機会に聴いてみてくださいね。
「ラヴィン・ユー・ベイビー(邦題)」
『ラヴィン・ユー・ベイビー(邦題)』は、アルバム『Dynasty(地獄からの脱出)』に収録されているダンサブルで、踊りたくなるような楽曲です。
ディスコ・ミュージックの要素が入ったロックで、日本では荻野目洋子がカバーしたことでも知られています。日本で最も売れたKISSの楽曲の一つです。
「デトロイト・ロック・シティ」
アルバム『DESTROYER』に収録されている『デトロイト・ロック・シティ』はKISSの代表曲の一つといって良いでしょう。
この曲はライブで演奏されることが多く、炎を使った煌びやか(きらびやか)なパフォーマンスは、ツインギターのかっこよさを引き立てています。
「ロックンロール・オールナイト」
アルバム『Dressed to Kill』に収録されている『ロックンロール・オールナイト』。いつの間にか口ずさんでいる、一度聴いたら忘れられない一曲です。ももいろクローバーZがカバーしています。
「ラヴ・ガン」
アルバム『LOVE GUN』に収録されているシングル曲『LOVE GUN』は、大人の恋愛を歌った印象的なナンバー。アルバムのライナーノーツによると、この曲はポール・スタンレーが初来日の際に、飛行機の中で作ったものだそうです。
「夢の浮世に咲いてみな」
最後は日本が誇るアイドルグループ『週末ヒロインももいろクローバーZ』とのコラボシングル『夢の浮世に咲いてみな』です。この曲はももいろクローバーZが歌を歌い、KISSが作曲・編曲、演奏、コーラスを、作詞を岩里祐穂が担当しました。
ももいろクローバーZのファン層はとても厚く、彼女たちの親世代にも多くのファンがいます。一生懸命で素直でかわいらしい『ももクロ』を、彼女たちの親世代は「娘を見守るような気持ち」で応援しているのです。
そんな親世代は、まさに多感な10代のころ、KISSを初めとした洋楽の洗礼を受けた世代です。KISSと『ももクロ』のコラボに驚き「海外から見た日本」のテイストが入っているこの曲を喜んで受け入れたでしょう。
この曲もKISSの名曲として、ぜひ聴いてみてくださいね。
最後のツアーが終わってもKISSは続く
世界を巡るファイナルツアーの最中に、ジーン・シモンズは70歳の誕生日を迎えました。同世代のファンの中には、親子孫3世代でKISSを楽しんでいる人も多そうですね。
KISSの今後の展開に注目です!
▷KISS 来日公演 特設サイト| KISS Special Site
TEXT 三田綾子