Orangestar4曲目のミリオン楽曲
『DAYBREAK FRONTLINE』はボカロP『Orangestar』の24曲目の投稿楽曲です。
公開日は2016年12月3日で、歌唱ボーカロイドはIA。
2017年5月に再生回数が100万回数を達成し、Orangestarの4曲目となるミリオン達成楽曲となりました。
現在は再生回数も300万回を超え、ニコニコ動画のタグにはミリオン達成を意味する「VOCALOID伝説入り」に加えて「トリプルミリオン」もつけられています。
ボーカロイド楽曲の月間ランキングにおいても未だにその名前を連ねています。
2017年1月に発売されたOrangestarの2ndアルバム『SEASIDE SOLILOQUIES』にも収録され、さらにはカラオケDAMとJOYにても配信が行われています。
制作者であるOrangestar自身も「現時点(2017年1月)で自分的最高傑作」と語っているので、彼を代表する楽曲と言っても過言ではありません。
Orangestarの特徴の全てが詰め込まれた、ピアノソング
『DAYBREAK FRONTLINE』には、Orangestarの大きな特徴の一つである「詩的な歌詞」が最大限に行われている楽曲となっています。
まるでファンタジー小説でも読んでいるかのように叙事的に綴れられた歌詞でありながらも、同時に聴く者の心の中にじんわりと染み入り、その背中を優しく押してくれるような深さも感じられる歌詞ともなっており、ファンに多くの感動を与えています。
主旋律を奏でるピアノのメロディーは、澄んだ音でありながらも力強いメロディーが奏でられており、「かっこいい」「爽やか」といった感想がファンから飛び交っています。
なかにはダンスミュージックに近いメロディーから「EDMっぽい」という意見もあります。アメリカ育ちであることが影響しているのでないかと言われていますが、Orangestar自身はインタビュー記事にて「あまり意識したことはない」と答えており、そのジャンルを意識して制作が行われたわけではないようです。
MVは「夜明けに向かって走るトラックの荷台に笑顔の少女が1人乗っている」という1枚絵の上に歌詞を流すだけのシンプルな作りですが、それ故にたった1枚のこの絵の中にどんな意味が込められているのか考えさせられます。
また、この一枚絵が楽曲とどう関わってくるのかなど自由に発想をすることができ、楽曲の世界観に対する想像がふくらむ内容となっています。
楽曲制作者本人のお墨付き「最高傑作」をぜひ聴いてみてください!
元アメリカ在住の若きボカロP「Orangestar」
Orangestarは2013年4月から活動を行っているボカロPです。
P名は『蜜柑星P』という名前で、『Orangestar』を訳したものが使用されています。
「みかんせい」と呼ぶこちらのP名は、「未完成」という意味とも掛け合わせた名前として制作されているものだとのことです。
投稿初期は、アメリカ在住の現役高校生だった事が判明しており、帰国後も日本でのボカロP活動が開始されます。
使用ボカロはIA、初音ミク、CEVIOのONE。
様々な楽曲があるなか、そのほとんどが「夏」をテーマにした楽曲であり、どこか憂いさを含んだ歌詞と透明感のある音使いのメロディーが主な特徴の作風となっています。
Orangestarの名を広めるきっかけとなった13作品目の『イヤホンと蝉時雨』はその作風の代表曲とも言えるでしょう。
左右交互に音を流すという技法で制作された特徴的なイントロは、ニコニコ動画では「イヤホン推奨」とタグがつけられるほどの高い評価を受けています。
さらに続く投稿楽曲『アスノヨゾラ哨戒班』が爆発的にヒットしました。
2019年12月現在では再生回数が700万再生を超えるほどの大人気楽曲として、現在のボカロ楽曲を語る上でははずせない一曲になっています。
2015年にはメジャーデビューもはたし、2017年4月には初となるライブも行いました。
そのまま勢いに乗るかと思ったそのとき、アメリカにて2年間の宣教師としての奉仕活動を行うという理由から、活動の休止を宣言。同年8月に新曲『快晴』を投稿の後、本格的な活動休止となってしまいます。
帰ってきた、Orangestar。おかえりなさいのタグがトレンド入りに!
2017年に活動休止となったOrangestarですが、実は2019年12月4日、日本に帰国しています!
帰国の数時間前からは、Twitterにて「#Orangestarさんお帰りなさい」タグがついたツイートがたくさんのファンにより行われ、なんとトレンド入りをするまでに。
今後の音楽活動についてはまだ明かされていませんが、ここからまた新たにOrangestarの活動が始まることは確かでしょう。
2年の時を経て帰ってきた若きボカロPは、はたして今後どのような音楽を見せてくれるのか。
今後の動向に注目です。
TEXT 勝哉エイミカ