人々を驚かせた、話題沸騰のアニメ「メイドインアビス」
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アニメ『メイドインアビス』は、竹書房ウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて連載中の漫画を原作としたアニメシリーズです。
放送期間は2017年7月～9月までの2か月間で、全13話の1クールアニメとして、AT-XやTOKYO MX他各局にて放送されました。
物語は『アビス』と呼ばれる巨大な大穴の深層を目指して、旅をする主人公達が描かれています。
当初は、その可愛いらしい絵柄とファンタジーを描いた内容に注目が集まりましたが、それは物語の後半から一転しました。
その絵柄からは、全く想像もつかないストーリー展開に、多くの視聴者を驚かせた作品となったのです。
はたして、どのような驚きをもつアニメなのでしょうか。
アビスの深層に迫る主人公達のように、その驚きの理由に迫ってみましょう。
「メイドインアビス」のあらすじ
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人類最後の秘境であり、底知れぬ巨大な大穴『アビス』。
限界深度は2万メートル以上と予想され、穴の中には奇妙な生物達が住んでいたり、今の人類の技術では作り得ない貴重な「遺物」が眠っています。
そんな不思議に溢れたアビスは、多くの人々を魅了し、冒険へと駆り立てました。
そうして幾度も命がけで大穴に挑戦する冒険者達は、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていきます。
そんな探窟家達が住む、アビスの縁に作られた街『オース』で暮らす孤児『リコ』は、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かす事を夢に見ていました。
ある日、彼女は探窟中に大型のアビス生物に襲われてしまいます。
絶体絶命のそのとき、何者かが放った熱線に助けられます。
驚きながらもその先を辿っていくと、そこには少年の姿をしたロボットがいました。
これも遺物なのでしょうか。彼女はロボットを孤児院に持ち帰る事にします。
まさかこの出会いが、これからの自分の運命を大きく変えるものになるとは知らずに……。
絵柄からは想像できない、驚きの「ギャップ」
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『メイドインアビス』が持つ驚きとは、その絵柄とストーリーのギャップです。
可愛らしいテイストで描かれたメインキャラクター達に対し、物語は非情にシリアスで、暗く重たい面があるダークファンタジーとなっています。
その激しいギャップに、多くの人々が驚愕の奈落に落ちていくアニメとなっています。
その代表例としてあげられるのが、冒険の舞台であり物語の中心にもなっている『アビス』の存在です。
限界深度は2万メートル以上で、深層に達したものは未だおらず、どこまで続いているかわからない不思議で満ちた大穴です。
それだけ聞くと、未知なる場所へのロマンを覚え、冒険に旅立ちたくなるわくわくさで胸がいっぱいになる舞台です。
しかし、ロマンだけでなく多くの残酷さで満ちた場所でもあるのです。
アビスにはあまりの深さ故、その内部がいくつかの『深界』にわけられています。それらの層には『上昇負荷』通称『アビスの呪い』と呼ばれるものが存在しており、その名前の通り地上へ戻ろうと上昇する事によって様々な負荷が身体にかかる仕組みになっているのです。
浅いところからの上昇は、目まいや吐き気といった軽症で済みますが、深いところへ行けば行くほどその負荷は大きなものになっていきます。
全身に激痛が走ったり、穴という穴から血が噴き出したり、意識混濁の末に自傷行為を起こすような深界まであります。
深度13000mから15500mにあたる『六層』から先は死の可能性が高くなり、現時点で判明されている『深界七層』から先は、確実な死がもたらされてしまいます。その為、事実上の帰還が不可能となる事から、この先へ向かう冒険は「絶界行(ラストダイブ)」と呼称がつけられている程だったりします。
かわいい絵柄からは想像もできない、重たくて暗い残酷な舞台。さらに物語の後半へ進む程に、ストーリーの重たさも複雑になっていきます。
その絵柄からほのぼのファンタジー系を想像していた人々も多かった為、予想外のギャップに多くの人々が驚かされる事となったのです。
しかし、そのギャップは敬遠される事はなく、むしろ想像以上の面白さをもったものとして多くの人々の心を魅了しました。
「見た目が全てじゃない」「絵柄からは思いもよらない深い世界観」「本格ダークファンタジー」など、そのギャップにはたくさんの賞賛の声がよせられています。
その姿はまるで危険な場所であると知っていながらも、未知なる場所への憧れを止められず、その大穴に魅了される物語の冒険者達のよう。
多くの人々が思いもよらないギャップを前に『メイドインアビス』という作品の深みに魅了され、その大穴に転がり落ちているのです。
過酷な旅路の中の一縷の希望を見せるOP「Deep in Abyss」
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物語の主題歌ともなるOPの『Deep in Abyss』は、自身もアーティストとしての活動を行ってる作編曲家の「Tom-H@CK」をプロデューサーに迎え、制作された楽曲です。
Tom-H@CKはいくつもの人気アニメの音楽に携わって来た作編曲家です。
自身の名前を広めるきっかけとなった作品『けいおん！』では、1期や2期共にOP曲の制作を務め、さらには主人公達のバンド『放課後ティータイム』の楽曲制作にも携わり、軽音部ブームを巻き起こした作品の楽曲に一躍かった凄腕なのです。
そんなプロデューサーを迎えて制作された楽曲『Deep in Abyss』は、主人公である「リコ」と、彼女と共に旅をする少年の姿をしたロボット「レグ」の2人による歌唱楽曲となっています。
その内容は、アビスの深層へ向かう2人の心境を歌いながら、同時にアビスという底見えぬ深い舞台への恐怖と憧れを歌ったものとなっています。
OP内の映像では、アビス内を旅する2人の姿が描かれており、アニメ本編内に出てくる様々な深界の姿もそこには描き出され、2人の冒険の始まりを示唆しているようです。
ほの暗さのある歌詞を携えながらも、明るく壮大なメロディーに載せてリコ役『富田美憂』とレグ役『伊瀬茉莉也』の声優2人による圧倒的歌唱力で、その旅路が過酷なものだけではなく、ひとつの希望を差し込んでくれるOPと言えるでしょう。
OPとは一味違う旅の姿を歌うED「旅の左手、最果ての右手」
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ED曲『旅の左手、最果ての右手』の作曲作詞を担当したのは、ミュージシャンであり作編曲家でもある「橋本由香利」。
代表作には、人気アイドル育成ゲーム『アイドルマスター』シリーズや人気アニメ『さよなら絶望先生』のOPやED等があり、ももいろクローバーなどのアーティストへの楽曲提供も行うなど、幅広いジャンルで活躍をしている作編曲家です。
そんな橋本由香利により制作されたEDは、メイドインアビスのかわいらしい絵柄そのものが際立ったポップで明るい旅ソングで、その歌詞の内容も、ファンシーで明るい前向きなものとなっており、ダークな世界観を深く詰め込まれたOPとはまた一味違ったリコとレグの旅が見れるEDです。
アニメで放送されたED映像においても楽しそうに旅をする2人の様子が描かれており、思わずほっこりと心が和むEDとなっています。
なお、アニメ版はOP同様にリコとレグの歌唱でしたが、CD版ではアニメ後半から登場するキャラクター『ナナチ』を加えた歌唱版が収録されています。
他にも、各キャラクターごとのソロ歌唱版も収録されています。ここでしか聴けない音源となっていますので、手に取ってみてはいかがでしょうか。
音楽の都「ウィーン」から届けられた、美しいサウンドトラック
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現在、アニメ『メイドインアビス』劇中で使用されていた楽曲、全52曲が収録されたサウンドトラックが発売中。
アニメ『メイドインアビス』のBGM制作を担当した「Kevin Penkin（ケビン・ペンキン）」は、現在イギリスのロンドンに在住中のオーストラリア生まれの音楽家です。
ロンドンの名門音楽学校『王立音楽大学（ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック）』出身という、驚きの経歴を持つ音楽家であり、アニメ『メイドインアビス』を制作した会社『キネマシトラス』と縁があった事から、今作の楽曲を手掛ける事になった模様で、その収録の際は、なんと「音楽の都」としても有名なオーストリアのウィーンで行われたという制作秘話もあったりします。
音楽の都から届けられた『メイドインアビス』の世界観を深める美しい楽曲達の全てが収録されたサウンドトラックをぜひその耳で、その美しさを確認してみてください。
2020年1月、アニメの物語に続く劇場版が公開！
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アニメ『メイドインアビス』は劇場版『メイドインアビス -深き魂の黎明-』が公開されました。
2020年1月17日に公開されたこちらの映画は、アニメ本編後の続編にあたる物語を映画化した内容で、新しいキャラクターも登場し、物語は更なるアビスの深層へ向かっていく事になります。
さらにはその公開を記念し、映画公開と共に映画内で使用されたBGMを収録した、メイドインアビス2枚目となるサウンドトラックの発売が行われています。
劇場版『メイドインアビス』のBGMもアニメ同様に、Kevin Penkinが担当しています。
劇場版の為に新たに制作された、美しい楽曲達が収録されたサウンドトラックをぜひその手に取ってみてください！
TEXT 勝哉エイミカ
