華原朋美作詞、小室哲哉作曲の『はじまりのうたが聴こえる』。16年ぶりの小室哲哉による楽曲提供として話題になりました。華原朋美は90年代に小室哲哉のプロデュースで売れたアーティストです。高音がのびる歌唱は小室哲哉の曲の力との相性も良く、ミリオンセラーを連発。小室哲哉の彼女だったこともあり、幸せの絶頂期に曲もヒットしていました。
“ねぇ、はじまりのうたが聴こえる
くじけそうな時も 負けないよ”
新たなはじまりを宣言し、くじけそうになっても負けないと歌う冒頭。オリジナルとしては9年ぶりのシングル曲です。華原朋美は長らく休止していたんですね。歌詞はこれまでの自身の人生を歌っています。
“全てを失って 気が付くの
本当に大事な やさしさを”
全て失って本当の優しさに気付いたという歌詞。華原朋美は2007年に体調不良により芸能活動を休止します。2009年には精神安定剤を多量に服用して薬物中毒になり搬送までされました。家族に支えられて復帰できたという華原。そういった思いを歌詞にしているんですね。
“傷つけあった 痛みはもう 強さに変わってゆくから
何度もあった 諦めずに 立ち上がると願いつづけ”
痛みを強さに変える、諦めずに立ち上がると願う歌詞。薬物中毒が続いた華原朋美は閉鎖病棟への入院も経験しています。そこからリハビリを繰り返し、2012年に復帰を果たします。歌詞通りに諦めずに立ち上がることができたんですね。
“あなたがいなくても 歩けるよ”
「あなたがいなくても歩けるよ」のあなたは小室哲哉。華原朋美は、もともとはグラビアアイドルとしてデビュー。1993年、94年ごろは頻繁に芸名を変えていました。小室哲哉と出会い、華原朋美に改名して1995年に歌手デビュー。瞬く間に売れっ子になります。華原朋美の頭文字はTK、小室哲哉と同じなんですね。
華原朋美の「はじまり」とは、そもそも小室哲哉ありきだったわけです。だから別れてから何年も経ち、復帰してから楽曲で再びタッグを組むということは、そういったストーリーをもとにしているんですね。
2015年11月に『ガキの使いやあらへんで』に出演し、放送禁止なワードを出しまくった華原。華原朋美は、良くも悪くも何でもしゃべりたがります。90年代からその傾向はありましたが、復帰後も変わっていません。この姿勢を批判されることも多いです。
“私は負けないよ”
「私は負けないよ」の歌詞どおりに華原朋美は、批判されても負けない、負けたくないんですね。この曲は、そんな華原朋美の思いがよく表れています。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)