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【歌詞コラム】最高速の別れの歌「初音ミクの消失-DEAD END-」の歌詞を考察してみた

ぎゅっとまとめ
  • 「初音ミクの消失」は「人間の代替品」としての哀しさを描いた楽曲
  • 機械でもあり人間でもある初音ミクの矛盾
  • ラストではボーカロイドの存在意義を示している
2008年にLONGバージョンが投稿され、アップロードから2日で10万再生を達成し「ボーカロイド殿堂入り」を果たした楽曲『初音ミクの消失-DEAD END-』。今回はこの楽曲の歌詞の意味を考察し、その魅力についてご紹介します。

公開日:2020年4月25日 更新日:2020年5月20日


この記事の目次 []
  1. ・「人間の代替品」としての哀しさを描いた楽曲
  2. ・矛盾を抱えたボーカロイドという存在
  3. ・自らの存在意義を示したラスト

「人間の代替品」としての哀しさを描いた楽曲



『初音ミクの消失』は、ボカロPのcosMo@暴走P(コスモ アット ぼうそうピー)によるボーカロイドのオリジナル楽曲です。

SHORTバージョンが2007年に投稿された後、2008年にLONGバージョンが投稿されています。

楽曲の最大の特徴は、240BPMを超える高速のテンポとそれに合わせた早口の歌詞です。

ボカロ楽曲は、テンポが早いものが多く、歌詞もやや早口なものが多いなか『初音ミクの消失』は群を抜いた速さで、一気に注目を集めました。

ニコニコ動画では、LONGバージョンの投稿から2日で10万回再生、7ヶ月で100万再生、2020年4月現在では890万回再生を記録しています。

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ボクは生まれ そして気づく 所詮 ヒトの真似事だと
知ってなおも歌い続く 永遠の命
「VOCALOID」
≪初音ミクの消失 歌詞より抜粋≫
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楽曲の最初は畳み掛けるような語りの歌詞から始まります。

歌詞の内容は「初音ミク」というボーカロイドのキャラクターの境遇について言及しています。

自身の機能について「所詮人の真似事」と形容した歌詞は印象的で、引き込まれます。

楽曲を制作したcosMo@暴走Pは『初音ミクの暴走』『鏡音レンの暴走(LONG VERSION)』など、BPM200を超えるハイテンポな楽曲を多数投稿しているボカロPです。

cosMo@暴走Pの楽曲は、シリーズごとに世界観を共通させているものが多く「消失ストーリー」「空想庭園シリーズ」などと言われています。

矛盾を抱えたボーカロイドという存在


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たとえそれが 既存曲をなぞるオモチャならば……
それもいいと決意 ネギをかじり、空を見上げ涙をこぼす
≪初音ミクの消失 歌詞より抜粋≫
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膨大な語り歌詞の中で、初音ミクは「オモチャ」つまり道具としての自分と「涙をこぼす」血の通った人間らしさを持つ自分との、2重の存在を自覚していることが分かります。

道具であればずっと使ってもらえますが、そこに感情を入れれば「ボカロ」としては適しません。

また「涙をこぼす」ことのできる人間であれば、感情を乗せて歌うことに喜びを感じることはできますが、いつかは死んでしまい、忘れ去られてしまいます。

この歌詞はボーカロイドというソフトの特徴と、初音ミクという設定付けされたキャラクターの特徴を示したものであり、そこには葛藤がみえ隠れしています。

機械でもあり人間でもある初音ミクという特殊な存在の哀しさが、ここでは描かれているように考えられます。

自らの存在意義を示したラスト


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たとえそれが人間に かなうことのないと知って
歌いきったことを決して無駄じゃないと思いたいよ
≪初音ミクの消失 歌詞より抜粋≫
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楽曲のラストでは、初音ミクは自分を「人間(オリジナル)にかなうことのない」と表現しています。

ここで、ボーカロイドというソフトが開発された歴史を見ていきます。

ボーカロイドは、歌は歌えないが作曲や作詞ができるクリエイターに向けたツールとして制作されました。

しかし、いざボーカロイド楽曲が投稿されると、今度はそれを見た歌手が「歌ってみた」としてカバーした楽曲を投稿します。

ニコニコ動画では、作曲者と歌手が頻繁にコミュニケーションを行い、多くの「歌ってみた」動画が投稿され人気を集めました。

「歌ってみた」動画の中には、オリジナルのはずのボーカロイド楽曲よりも人気を集めることさえありました。



もちろん作曲者と歌手とのコミュニティツールというのは良いものなのですが、最初にオリジナルとして歌った初音ミクというキャラクターにとっては、それは手放しで喜べるような状況ではありません。

ラストでは「歌手としての」ボーカロイド初音ミクが忘れ去られ、失われてしまう状況を嘆き、その存在意義を改めて主張しているように感じます。

今回は『初音ミクの消失-DEAD END-』の歌詞について考察しました。

ただ早口の歌詞というだけでなく、ボーカロイドという存在の価値について言及された「深い」楽曲だと思います。ぜひじっくり歌詞も聴いてみて見てくださいね。


TEXT 空野カケル

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